エンジニアの能力を測る時に使えそうな方法を教育学から見つけてきた。そのメモ。

TL;DR

能力を測る

エンジニアの能力を高めたいというのは、エンジニアやマネージャーだったら誰だって思うことだろう。
能力を高めるためには能力を測って、それをより良い方向に持っていく努力が必要だ。
しかし、そもそも能力って測れるものなの？という疑問がすぐに浮かぶと思う。
まず測定できるかどうか。そこが大事だ。

能力は、計量的に測定できるものと計量的に測定できないものに分けられる。

計量的に測定できる能力とは測定対象がそのまま数えたり数値にできる能力のこと。
例えば以下のようなもの

計量的に測定できない能力とは測定対象を直接数えたり数値にできない能力のこと。主にパフォーマンス的な能力。
例えば以下のようなもの

基本的に計量的に測定できない能力は、測定できるものより複雑。社会的に評価される能力のほとんどがこちらの能力に属している。

エンジニアの能力などパフォーマンスに属するものをどのように測るか？考えてみるとパフォーマンスを測るのは学校教育でも行われる。このパフォーマンスを測定するために教育学にはルーブリック(またはCan-do list)というものがある。

ルーブリック (Rubric) とは、学習到達度を示す評価基準を観点と尺度からなる表として示したものである。主に、パフォーマンス課題を評価するために使われる。
(Wikipediaより引用)

つまり、ある観点（例えば、組織力)に対して尺度として課題(例えば、「2人での共同開発ができる。」「10人以下のOSSコミュニティの運営ができる。」など)を用意してそれを並べて達成度を規定する。
例として英語で用いられるものを示す。(CEFRの資料PDFより抜粋¹)

ルーブリックの利点として

というものがあげられる。

上で挙げた利点を最大限活かすために、ルーブリックを構成する課題を作成する時にいくつか守ると良いルールがある。以下にそれらをあげる。

上記のルールも含めてルーブリックの開発方法はCEFRの付録Aにある。

CEFRとはThe Common European Framework of Reference for Languagesの略でヨーロッパにおける言語(英語に限らない)学習教育における共通フレームワーク。taskを中心に考えを構成してある。日本の英語教育においてのスタンダードの一つ。 ↩