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モバイルゲームQAAdvent Calendar 2019

Day 25

運営中のモバイルゲームをPCで出すときのQA

Last updated at Posted at 2019-12-24

#はじめに
運営中のモバイルゲームをマルチプラットフォーム対応する
(PCで遊べるようにする)話を賜って対応しているのですが、
その時に困った点(現在進行形含む)を備忘録的にまとめてみようと思います。

※現在絶賛QA中なので、リリース後にまた追記するかもですが、予めご了承ください。
#PC版QAの流れ
PC版を新しく追加する際の基本的なQAの流れです。
ここは本題でないのでさっくり行きます。
##前提

  • モバイル版が基本プレイ無料のアイテム課金制アプリとして先行リリースされている
  • PC版もモバイル版と同じ運用サイクルでリリースする
  • モバイル版とPC版の機能差はデータダウンロード処理や操作方法のみ
    • ※注意事項あり(後述)

##事前準備

  • 検証用PCを用意する

    • 動作下限の端末と推奨スペックの端末は必須
  • PC用ビルドを作成してもらう

    • デバッグ機能が使える開発用ビルドと、本番環境につながるビルドが必要
  • QA範囲を設定する

    • アプリの挙動から運営周りまで、どの範囲をQAで検証するか決める
      • アプリ挙動、パフォーマンステスト
        • モバイル版と同等に動くか
      • PC機能差分テスト
        • キーボード操作やデータのダウンロード方式、モバイル版からの引継ぎ
        • ※モバイル⇔PCの機能差分はQA範囲設定時に明確にしておくこと
          • 差分は必ずQA範囲に入れるように関係者と合意形成する必要があるため
      • 運営系テスト
        • PC版アプリ配信ページの確認、事前登録設定の確認
      • 本番テスト
        • 課金のテストや摸擬リリースなど
          ##検証実施
          事前定義したQA範囲に沿って検証を進めます。
          基本的には次のように進んでいくかと思います。
    1. アプリ挙動テスト(動くかどうかのチェック)
    2. PC機能差分テスト
    3. 運営系テスト
    4. プレイスルーテスト(パフォーマンス、挙動チェック)
    5. 本番テスト

##リリース

各工程で問題がない(もしくは許容値以下)であればリリースです。
リリースの流れは事前に開発とすり合わせておきましょう。

  • リリース時にメンテに入れるか?
    • 入れない場合はどのようにリリース時の障害をケアするか?
  • リリース時のエスカレーションフローはどのようになるか?
  • リリース後は誰がどこをどのようにチェックするか?

##運用
リリース後の運用フェイズの話も進めておきましょう。

  • PC版のQAはモバイル版と差分は出るか?
    • 作業工数や費用の問題

#PC版QAで困った点
本編です。

##動作環境の選定
どのプラットフォームどの課金形態でも生じる問題とは思いますが、
動作端末と書いていたのにアプリが動かない場合、返金につながる恐れがあるので、
推奨/要求スペックはしっかり決めておく必要があります。

モバイルでもAndroidは無数に機種が存在していて、CPUやRAMの性能が同等でも、
メーカーや機種ごとに動作に違いが生じたりしますが…
PCの場合はメーカー製の完成品だけでなく、
自分でパーツを選んでキッティングできてしまうのでパターンが実質無限です。
すべてのパターンを試すことは当然できないので、
最低限どこまで担保したいかをしっかりと握る必要があります。

###★検証端末選定の例

  • CPU
    • core i3 7世代で検証
      • ※同じシリーズでも世代ごとに性能が全然違うので注意
  • RAM
    • メモリ4GBで検証
      • ※メモリも世代で性能差があるのでどこまで見るか要検討
  • GPU
    • ノートPCの内臓グラフィックで検証
      • ※描画性能を要求する場合は単体GPUのグレードまで検討する必要あり
  • OS
    • windows 8.1(64bit)で検証
      • ※OSの動作bitも決めておいたほうが良い
  • ストレージ
    • Cドライブに10GB以上空きがあるPC
      • ※どのくらいストレージを確保しておけばいいかの基準
  • プリインストールアプリ等のメーカー固有環境は一部考慮する
    • 検証PCとしてMacBookProとVAIOを使用する
      • ※PCメーカーがプリインストールしているアプリが思わぬ影響を及ぼす可能性があるので、どこまで考慮するかを要調整

##プラットフォームごとに違う設定をする機能
モバイル版とPC版で全く同じ機能を実装してリリースすると決めていた場合でも、
プラットフォームごとに異なる設定をする必要が出てくることがあります。
エンジニアさんやプランナーさんが忘れたままでリリース直前を迎えるととても焦るので、
QA側でこれなくて大丈夫かな?と聞いてあげるとみんな幸せになれるかもです。
以下にその例を記します。

  • プラットフォーム別のガチャやアイテム配布
    • モバイルもPCも同じデータを入れると言っていても、リリース記念ガチャや事前登録報酬をPCだけやる!という話が出ることがあるので、直前で焦らないようにここら辺の要件を整理するのが吉。
  • お知らせ/規約等
    • プラットフォームによって規約が違う場合や、PC版のみガチャや報酬を配るときにお知らせを出し分けることがあるので、ここも要確認。
  • プラットフォームごとのメンテ機能
    • リリース時や障害発生時に、一つのプラットフォームをメンテ入りさせると全部メンテに入ってしまう設定だと困る場合この機能が必要。

##クラッキング対策
PC版はデータを触りやすいので、クラッキングのリスクも高くなります。
暗号化処理やクラック対策ソフトの適用など、忘れたままテスト終盤に行くと…、
ギリギリでプレイスルーテストのやり直しに繋がったりするので要注意です。
これも何もやってなくて大丈夫かなー?とか思ったら念のため聞いておくと吉です。

#最後に
PC版対応で困ったことをとにかく書き連ねてみました。
まだリリースしていないので、リリース後にまた所感を追記してみようかと思います。
それでは皆さん、よいクリスマスを!

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