はじめに
この記事は Ateam Lifestyle Inc. Advent Calendar 2021 18日目の記事です。
私は株式会社エイチームライフスタイルのD2C事業部で事業部長をしています。
2010年に株式会社エイチームに新卒入社し、
エンジニア → マーケター → エンジニア → マーケター → 事業責任者
と職種を変えてきた少し変わった経歴の持ち主。
天職はマーケターだと自負していますが、スーパーエンジニアになりたい人生だった。。
そんな私ですが、今でも仕事をしていてエンジニアを経験していて良かったなーと思うことが多々あります。
専門スキルも含めるといっぱいありますが、その中でも特に私の働き方を劇的に変えた一つのことを紹介させていただけたらと思います。(ビジネス向けの話です)
先に言っておきます。
ドラクエ分かんない人ごめんなさい。
トライアンドエラーの先に成功がある
プロローグ
約10年前の話になりますが、
新卒入社でエンジニア配属を言い渡された私は社会人経験もエンジニア経験もなくとにかく仕事が遅かったです。
知識も経験も大それた野望もなく、持っているものは「貢献欲」オンリー。
ドラクエで例えるなら、
突然ひのきの棒と布の服だけで冒険の旅に繰り出されたけど、
世界平和のために頑張るぞ!ひゃっほい!ってなってる感じ。ある意味勇者。
それでも「貢献欲」は人一倍あったので、
いつか竜王を倒す日を夢見て毎日夜遅くまでひのきの棒を振り続けました。
一日でも早く会社に貢献したいという想いだけで遅くまで会社に残って勉強する日々。
まずは基礎固めをしなきゃと思い、ひたすらインプットに明け暮れました。
本を読んだりネット記事を読んだり上司や先輩のコードを読んだりして、
1から10まで理解しながらなんとか仕事を進めていたんですが状況は一向に変わらない。。
結果、半年経っても一年経っても劇的に成長するということはありませんでした。
一年経ってやっとドラキー倒せるぐらい。
転機は突然やってくる(間違いに気づく)
それは当時の上司とペアプロをしていた時のこと。
世の中でペアプロというものが流行りだして、
弊社でも取り入れてみようということで私はぼけーっと上司の作業を見ていました。
すると、上司はささっとコードを書いて実行!
当時の私にとってエラーを出すということは少し大げさに言うとこれと一緒。
え、そんなに?って思われそうですが、本当に嫌だったんです。。
だからこそ、全く躊躇なくエラーを出してはエラーの要因を特定して解消していく上司の姿はかなり衝撃的でした。
(イオナズンで一撃必殺を想像してたんですが、実際はメラ!メラ!メラ!って感じ)
ドラクエでもゲームオーバーを恐れてしっかりレベル上げしながら進める私とはえらい違い。
エラーってそんなに気軽に出していいんだ?
そこで初めて自分とできるエンジニアの方との違いに気がつきました。
エラーを出してる数が違う。
というか、圧倒的に実行数が違う。
その違いに気づいてからはエラーを恐れずにとにかく実行することにしました。
それまでは時間をかけてコードを書いていたからか
前述の通りエラーが出た時の失望感が凄かったんですが、
- ある程度考えたらコードを書いて実行
- エラーコードを読んで問題を特定
- エラーの解消
を繰り返すことで、
- 結果的に早く完成する
- しかもそのほうがシステムの理解度が深まる
ということを実感してからはエラーに対する抵抗は全く無くなり、
日々の行動が劇的に変わりました。
ゲームオーバーしないように慎重にレベル上げしながら倒せそうな敵を倒す日々から、
ひたすら強敵に挑んでゲームオーバーしてはセーブポイントからやり直す日々へと変貌していきます。
ゲームオーバーしまくる日々
ドラクエだったらゲームオーバーばっかりしてると全然前に進まないんですが、現実世界は違いました。
(ドラクエもゲームオーバーしても経験値くれたらいいのに)
- 実行する
- うまくいった時はこうやったらうまくいくという学びが蓄積される
- エラーが出た時はこうやったらうまくいかないという学びが蓄積される
- どんどんエラーを出す回数が減る
- 開発スピードが上がり、成功体験が増える
という好循環が起こってめっちゃ前に進む!
それまでは頭のどこかで「エラー = 失敗」と捉えてしまっていたんだと思いますが、
このことに気づいてからは自然と**「エラー = 学びのチャンス」**と捉えられるようになりました。
今ではトライアンドエラーではなく、トライアンドラーンという言葉のほうがしっくりくる気がしています。
マーケターに転職した後もトライアンドラーン
その後「エンジニアとしては大成しないなこいつ」と気づいた上司のお告げによってマーケターに転職することになったんですが、この考え方はマーケティングの仕事でも大活躍することになります。
例えばバナー改善一つとっても、早く「成果の出るバナー」にたどり着けるようになりました。
昔の私の考えと今の私の考えの違いはこんな感じ。
今私が携わっているD2C事業(lujoという化粧品ブランドを運営)で考えると分かりやすいと思いますが、
34歳のおじさんが5日間デスクに座ってひたすら考えてても化粧品の成果の出るバナーは作れません。
1ヶ月考え続けても成功確度はそんなに変わらないでしょう。
何なら考えれば考えるほど何が良いのか分からなくなるので、1ヶ月も考えたらマカロンのイラストとか載せてそうなのが怖い。
成果の出るバナー = 実際のお客様にとって魅力的なバナーなので、
実際のお客様が
- どういう訴求に惹かれるのか?
- どんなデザインに惹かれるのか?
- どういう訴求には惹かれないのか?
- どんなデザインには惹かれないのか?
を知ることで初めて成果に近づいていきます。
それを理解すると行動はこう変わります。
結果、トライが3倍になることでラーンも3倍になり、早く成果の出るバナーにたどり着けるようになりました。
実際、行動が変わったことで事業を成長させるスピードも自分の成長スピードも3倍ぐらいになったように思います。
どんな職種でもトライアンドラーン
私の場合はエンジニア → マーケターというかなりレアな経験をさせていただいたのですが、
それによってトライアンドラーンという必殺技を身に着けることができ、
どんな職種を任されてもある程度は貢献できるという自信を持てるようになりました。
ここで少し遠回りしますが、
前にメンバーとペアプロのように画面を共有しながら企画を進めていた時の話をさせてください。
企画を始めたタイミングで私の頭の中には3つの案が浮かびました。
その中で一番良さそうかな?と思ってA案の企画を詰めていたんですが、
途中でその企画の難易度が高そうなことに気づきます。
私はいつものように「あ、これだとダメだね」と言ってA案を捨ててB案の企画を始めたのですが、そこでメンバーから「え、〇〇さんでもそうなるんですね。最初から正解出してるイメージでした。」って言われたんです。
この時、昔上司とペアプロした時の記憶がふっと蘇ってきました。
私も上司がイオナズンで華麗に敵を倒している姿を想像していたことを思い出し、
あー、どの職種でも一緒なんだなと思いました。
ちょっと周りのすごい人を想像してみてください。
あなたの周りのすごい人って、MTGとかでも瞬発的に正解に近い提案ができるイメージありませんか?
その時の思考っておそらくこうなってます。
すごい人は、(1)の選択肢が多く、(2)(3)の精度が高い傾向にあります。
※実際は(1)の前に無意識に除外されている案も多いので(1)が多い自覚はないかもですが
では、どうやって(1)の選択肢を増やし、(2)(3)の精度を高めていくのか?
トライアンドラーンあるのみです。
- トライの数を増やす
- トライした結果をしっかり振り返り、深く学ぶ
- 「トライの数 × 学びの深さ」によって、より正確で整理されたノウハウが蓄積される
これによって、(1)の選択肢が多く、(2)(3)の精度が高い状態になります。
そう考えると、やはりどの職種においてもトライアンドラーンは重要だなーと。
どの職種においてもトライアンドラーンの意識を強く持つことで、
成長スピードを速めて貢献度を大きくしていくことができそうだなーと思うのです。
最後に
長々とトライアンドエラー改めトライアンドラーンの重要さについて綴ってきましたが、少しでも得るものはありましたでしょうか?
私は学生時代のテストでも分からない問題は空欄で出す、間違えることに抵抗がある人間でした。
でも考えたことをアウトプットしないと、自分の考えの何が間違いだったのか分からずどこを直せばいいのか分かりません。
結果、全てのことを暗記するしかなくなってしまいますが、この変化の激しい社会で全てのことを暗記するなんてこと可能でしょうか?
ある程度は可能なのかもしれませんが、それで大成できている人を私は見たことがありません。
だからこそ、今の時代に活躍するにはトライの数を増やしラーンの深さを追求することがとても重要だと考えています。
今の状態で学生時代に戻れば、分からない問題もできるだけ考えて回答用紙を埋められる気がしています笑
その重要さに気づかせてくれて、エラーへの抵抗を無くしてくれたのが私の場合はエンジニアという仕事でしたし、
すごいエンジニアの方はビジネスの話をしても多くの選択肢を出し、精度の高い提案をしてくれるイメージがあるので、
やはりみんな高いレベルのトライアンドラーンが根付いているのかなと思います。
この記事を書き終えた今、そんな貴重な経験をさせていただけたことに改めて感謝すると同時に、
子供の習い事の一つにプログラミングを入れることを宣言して締めさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!