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ぶっちゃけマネージャーにコーチングスキルって必要なのか?

Last updated at Posted at 2023-12-03

自己紹介

はじめましてタイミーでエンジニアリングマネージャーをしているたくちゃんです。前前職でマネージャーになった時の研修でコーチングに出会い、現在コーチングスクールにも通っている私の目から見て「ぶっちゃけマネージャーはコーチングスキルを身につけた方が良いのか?」について書いていきたいと思います。

なぜこのテーマについて書こうと思ったのか

昨今はサーヴァントリーダーシップなどのメンバーの自立を促すマネジメントスタイルが主流になっており、コーチングのマネージャーが持つべきスキルのひとつと言われていると感じています。
しかし実際にコーチングが日々のマネジメントでどこまで有用なのか、どこまで取り入れれば良いのかは自分が学ぶ中でも考えていたことなので、実際にスクールに通いつつマネージャーをしていた中での所感を書くことにしました。

コーチングってそもそも何?

はじめに、そもそもコーチングとは何なのかについて書いていきたいと思います。
私の通っているスクールではコーチングとは「気付きや行動が生まれるプロセス」と言われています。
流行りのChatGPTにも聞いたところ「個々人の潜在能力を引き出し、彼らが目標を達成できるようにサポートするプロセスです」と回答でした。
実際のセッションの中ではコーチが問いかけや傾聴を通じて、クライアントが自分自身の解決策を見つけることを助けていきます。コーチングについて細かく書いているとそれだけでサンタさんを通り越して来年を迎えそうなので、この記事では細かいことには触れません。
ひとつだけ書いておきたかったので、それだけ書いておくとコーチングはコーチ側がクローズアップされがちですが、実は受ける側であるクライアントが主体的にセッションに参加しないとコーチの一人相撲になるので、クライアントの主体性がめちゃくちゃ大事だったりします。
もしこの記事を読んだ方がコーチングを受ける機会があった際は、ぜひ積極的にセッションに参加してください。

ぶっちゃけマネージャーにとってコーチングスキルは必要なのか?

本題に入っていこうと思います。
ぶっちゃけマネージャーにコーチングスキルが必要なのかに関して結論を言うと「マネージャーにコーチングスキルはあった方が良いけど、プロコーチほどは必要ない」 というのが私の意見です。
コーチングは「傾聴」や「問い」という表層的なテクニックに目が行きがちなのですが、本当にコーチングセッションを行う際には実はテクニックよりコーチのあり方(マインドシップ)やお互いの関係性が非常に重要になります。
マネージャーとメンバーだと心理的安全性があったとしても、上司と部下という関係性から逃れることが出来ず、コーチとクライアントの関係に加えて上司と部下の関係という「二重の関係」になってしまいます。こうなるとどうしてもコーチとクライアント以外の関係に意識が向いてしまい、コーチングを行う上で必要になるフラットな関係性が築けなくなってしまいます。
このことから私はメンバーと普段の1on1で本格的なコーチングセッションを行うのは難しいという意見に至りました。
じゃあコーチングを学ぶ意味がないのか?というとそんなことはないです。この後書いていくテクニックは1on1の中でも活かせる場面が多いと感じています。

【有用なコーチングスキル】

  • コーチングのマインドセット
  • 2種類の傾聴
  • 問い

コーチングのマインドセット

マインドセットが役に立つのか?と思うかもしれませんが、これはマネージャーとしてもコーチとしてもすごく重要な要素です。
コーチングのマインドセットとは相手の中に「可能性があると信じること」、「力が眠っていると信じること」です。マネージャーがこのコーチングのマインドセットを身につけることでメンバーと話をする時に、上司としての仕事の評価や先入観から意識を外して、メンバーを「可能性を持っている一人の人間」として見ることができる様になります。
このマインドセットがあるからこそ、メンバーのことを信じて自らの意見を押し付けるのではなく、メンバーが自分で答えを見つける過程を支援できる様になると感じています。
また、人間というのは意外と相手がどんなスタンスで自分と喋っているか分かるものです。相手のことを信じていなかったり、軽く見て話をするとテクニックを使ったとしても良いコミュニケーションにはならないと私は思っています。

傾聴

傾聴は読んでそのままに相手の話を聞くテクニックです。ただ話を聞くだけでしょ?と思うかもしれませんが本当に意識を集中させて、相手からの自分の見え方も考えて人の話を聞くというのは思っている以上に難しいです。また、傾聴にも実は種類があったりします。今回は2つの傾聴のスタイルを紹介します。

受容的傾聴

文字通り相手の話を受容して聞く傾聴のことで、途中で意見を挟むことなく最後まで相手の話を聞き切る傾聴のスタイルです。ただ聞くだけと思うかもしれませんが、ちゃんと受容的傾聴をするのは集中力とエネルギーを使います。重要なのは以下の3点で、どれか一つでも欠けると受容的傾聴になりません。
相手に意識と目線をしっかり集中させること
うなずきや相槌を交えながら聞くこと
口を挟まず最後まで聞くこと
この記事を読んでくれている人も自分の話を聞いてほしい時にスマホを見られながら話を聞かれたり、話している最中に意見を挟まれたらどうでしょう?「ちゃんと私の話を聞いてよ!」とならないでしょうか?
相手に意識と目線を向けて、ちゃんと相槌を打ちながら最後まで聞いてくれるだけで、話している人からはちゃんと話を最後まで聞いてくれる人と認識される様になります。そして人間というのは話を聞いてくれる人にこそ自分の意見や悩みを話したくなるものです。
 

反映的傾聴

反映的傾聴は相手の表情や仕草、声のトーンなどを反映する傾聴のスタイルです。これはコミュニケーションにおけるミラーリングというテクニックで、話している人と同じ表情、仕草、声のトーンでリアクションすると話し手は親近感を感じることができると心理学で言われています。この記事を読んでくれている人も自分が楽しい話をしている時は同じ様にニコニコしながら楽しそうに聞いてくれると話が弾む、逆に悲しい話をした時は同じ様に悲しそうな表情で聞いてくれると共感してくれていると感じられるのではないでしょうか?
実際に私自身も1on1やコーチングセッションをする際に、これをやると話が弾みやすいと感じています。

問い

問いは相手の中にあるものを引き出すものです。ポイントは「自分の知りたいことを問わず、相手が自分と向き合える問いを投げる」ことです。自分が情報を知りたいという目的で問いを投げると、それは問いではなく、ただの情報収集のための質問になります。そうなると相手の中に眠っているものを引き出すことはできません。良い問いを投げるためには以下のポイントを意識することが重要です。
オープン・クエスチョンを意識する(Yes/Noで答えられる問いかけばかりにしない)
相手も自分も分かっていないことを問いかける
上記の様な問いを投げることによって、問いを投げられた相手は自分の中に意識を向けて内省ができる様になります。

まとめ

マネージャーがコーチングスキルが必要なのかと、実際に1on1などで使えるスキルを紹介しました。
コーチングは相手との立場的、心理的両方でフラットな関係が必要なのでメンバーに対して本格的なコーチングセッションを行うのは難しいですが、今日紹介した様なスキルは1on1や普段のコミュニケーションにも活用できる場面が多いのでマネジメントにコーチングを取り入れようと考えていた方は良ければ試してみてください。年の瀬の慌ただしい時に書いたのでまとまった内容になっていない部分もあったかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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