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パッケージシステムの保守 SAPのHCM(人事システム)のアプリ保守とは

Last updated at Posted at 2025-06-16

はじめに
私は、7年間パッケージシステム(SAPのHCMモジュール)の開発保守を行うチームで
業務をしてきました。後半3年間は、チームリーダーとして、
チームの指揮をとっていました。
開発業務では、プロジェクトを立ち上げ、プログラム改修をしていく、
保守業務では、アプリ観点で安定稼働のための作業と、ユーザ支援を行いました。
人事・給与を扱うパッケージシステムの保守業務は、どんな業務があるのか、
私の経験を書いていきます。

パッケージシステムの保守では、アプリ担当として、どのような業務を行うのか、
どのようなスキルが身につくのか、の参考になればと思います。

パッケージシステムの保守業務とは

保守フェーズに入って長いシステムは、安定稼働しており、
大規模な改修を行うことが少ないため、地味な業務と思われがちです。
ただ、大規模案件やシステム導入案件に関わりたいけど、
経験が浅いため、なかなかアサインされない場合や、スキルアップしたい場合に、
経験を積み、スキルアップする1ステップになると思います。
私のチームでは、主に次のような業務を行っていました。
(定例的業務は割愛)

ユーザからの問い合わせ対応

ユーザからの問い合わせを受け、調査等を実施します。
設計書を確認する、ソースコードを読む、テスト環境で事象を再現する、等
システムエンジニアとしての、基礎的な能力が必要です。
基礎的能力の習得だけでなく、パッケージの仕様理解、問題の分析力が、
鍛えられます。
また、システムに詳しくないユーザからの質問を受け、回答するため、
人にわかりやすく説明する力がつきます。
(資料作成・回答メール作成・電話対応等)

パッチ適用に伴う検証対応

SAPでは、サポートパッケージと呼んでいますが、俗に言うパッチ適用です。
パッケージ製品の不具合修正、新機能の追加、法改正対応、等の内容が含まれます。
パッチ適用しても、既存と同じように使えるのか、自社独自で導入している機能や、
周辺システム(インターフェース等)へ影響を与えないか、を検証します。
パッチの内容によって、テストシナリオを組みますので、
影響範囲を分析して、テストケースを検討する力がつきます。

軽微なマスター修正対応

法改正、制度改正、ユーザ要望、等に伴い、システムのマスター値変更を行います。
例えば、人事システムの場合、健康保険料率の変更や、ベースアップによる
給与額の変更等があります。
パッケージの仕様理解が進みます。

法改正の情報収集

人事システム特有かもしれませんが、税制改正が毎年あり、
給与に関する税制が、毎年変わります。
法改正の内容を分析し、事前に影響範囲を確認することで、
業務計画に反映します。
法改正は、必ず期限までに対応する必要があるため、事前に業務調整を行います。
様々視点でシステムの影響調査を行う力、工数算出の感覚、が身につきます。

余談ですが、今年の税制改正で、所得税の基礎控除額と給与控除額が変更となると
一時期ニュースでも取り上げられましたね。103万円の壁問題です。
一納税者としては少しうれしい話ではありますが、
人事・給与システムを保守している人は大変だろうと思います。。。
私が、開発保守を行うチームリーダーの時だったら、と考えるとゾッとします。

システムを使ったユーザ業務支援

システムのデータを使って、とある業務をしたいが、どうしたら良いか
のような相談が来るケースです。
既存機能やエクセル等を駆使して、どう効率よく対応できるかを検討します。
例えば、「1年前の残業時間誤りが発覚したため、追給したい」
この場合は、既に登録されているデータへの影響を考えながら、
誤ったデータを上書きするべきか、別途差分のみを投入するべきかや、
人数規模によっては、作業量が現実的なものか、を検討する必要があります。
広い視野で影響を見極め、効率よく対応できるフローを検討する力がつきます。
将来コンサルタントになって、システムを使った業務フローの構築をするための
第1歩にもなります。

最後に

保守と聞くと地味に感じますが、システムエンジニアとしての基礎を磨くには、
とても恵まれた環境です。
また、関わる業務によっては、コンサルタントへの道も開けるかもしれません。
システム開発を行う業務に関わることが、システムエンジニアの花方ではありますが、
基礎を磨く、基礎知識を応用する力をつける、には良い環境かもしれません。

一方で、ある程度キャリアを積んだ状態かつ、将来コンサルタントや、
プロジェクトマネージャーを目指す、キャリアを描いている場合、
保守案件はおすすめできないことがあります。

迷ったら周りのキャリア相談できそうな人に相談してみてください。

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