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Org-modeで、ライフログを録ろう

Last updated at Posted at 2015-01-25

今回は、Org-modeが提供する数多の機能の中から、ライフログの録り方を紹介します。
Org-modeのライフログは、「あ、これメモしておこう」とか、「あれ、このサイトのパスワードは何だったけ?」といったシーンで簡単に使用できるで、一度使いだすと手放せなくなります。

Org-modeとは

Emacsのメジャーモードの1つ。Org-modeのホームページでは、以下のように紹介しています。

「Org-mode は、ノートの保存、TODOリストの管理、プロジェクト計画のためのモードです。高速で効率的なプレーンテキストのシステムを使ってファイルを編集します。」

準備

ここからは、Ubuntu 14.10のEmacsをベースに説明します。
Emacsが動く環境であれば、Org-modeは、OSを問わず動作すると思います。

Org-modeのインストール

Ubuntu 14.10のEmacsパッケージをインストールと、Org-modeはインストールは完了です。
ただし、使用するには、Org-modeのActivationが必要です。

1. Org-modeのActivation

$HOME/.emacsに、以下のlispを追加します。

(add-to-list 'auto-mode-alist '("\\.org\\'" . org-mode))
(global-set-key "\C-cl" 'org-store-link)
(global-set-key "\C-cc" 'org-capture)
(global-set-key "\C-ca" 'org-agenda)
(global-set-key "\C-cb" 'org-iswitchb)
(setq org-capture-templates
      '(("t" "Todo" entry (file+headline "~/org/gtd.org" "Tasks")
	 "* TODO %?\n  %i\n  %a")
        ("j" "Journal" entry (file+datetree "~/org/journal.org")
	 "* %?\nEntered on %U\n  %i\n  %a")))

2. $HOME/.emacsファイルのリロード

上記の設定を有効にするために、$HOME/.emacsの再読込みを行ないます。
$HOME/.emacsの再読込みには、以下のどちらかの操作を実行してくさい。

  1. Emacsを再起動する。または、
  2. Emacsで、load-file関数をコール(M-x file-load)して、$HOME/.emacsの再読込みを行う。

3. journal.orgの準備

ライフログの格納先となるjournal.orgファイルを用意します。

  1. $HOME/orgディレクトリの作成

    $ mkdir $HOME/org

  2. ライフログで使用するタグの定義

    $ emacs $HOME/org/journal.org

    ライフログでのタグ入力時に補完機能が動作するよう、journal.orgの先頭には、今回の例で使用する@home@workの2つのタグを定義します。

     #+TAGS: @home @work
    

    setTags.png

  3. 検索の設定

    録り貯めたログを、簡単に検索できるといいですよね。そこで、OrgのAgendaの検索対象となるように、journal.orgをカレントバッファにした状態で、**C-[**キーを押下します1

ライフログの入力

それでは早速、ライフログを入力してみましょう。

もし、誤ったキー操作でライフログの記事が折り畳まれたら、Shift+Tabキーを複数回、押下してみてください。記事が元通りに展開された状態に戻ります。

1. Org-modeへの遷移

Org-modeのCaptureをコールし、Journalのテンプレートを選択します。

  1. Org-modeのCaptureをコール

    Org-modeのCaptureは、C-c cキーを押下することで、Emacsのどのバッファからでもコールすることができます。

    selectTemplate.png

  2. Captureのテンプレートを選択

    ミニバッファに**Template key:**と表示されるので、jキーを押下して、journalを選択します(指定可能なCaptureのテンプレートは、Org Selectsバッファに表示されます)。

    startCapture.png

ライフログの入力を取り止めたい時には、C-c C-kキーを押下してください。そうすると、元のバッファに戻ります。

2. ライフログを入力

  1. タイトルの入力

    4つの*(Org-modeでの第4階層のヘッドライン2を意味する)の後に空白を1つ置いて、ライフログのタイトルを入力します。

    insertTitle.png

  2. タグの入力

    次にタグを入力します。
    ヘッドラインにカーソルを置いたたま、C-c C-qキーを押下します。すると、ミニバッファに**Tags:と表示されます。タグの入力は、Tabキー押下による補完機能を使用することができます3。なお、タグを複数指定する場合は、それぞれを:**で区切ります。

    setArticleTag.png

  3. 記事の入力

    そして、記事を作成します。記事の作成が終了したら、C-c C-cキーを押下して、ライフログの記録を終了します。

    writeArticle.png

ライフログの検索

複数のライフログの入力が終了したら、検索機能を使ってみましょう。
検索するには、Org-modeのAgendaをコールします。そして、検索キーを指定して、該当ライフログのリストを表示させます。

  1. Org-modeのAgendaをコール

    Org-modeのAgendaは、C-c a mキーを押下することで、Org-modeのCaptureと同じように、Emacsのどのバッファからでもコールすることができます。

    selectSearchPattern.png

  2. 検索キーの指定

    ミニバッファに**Match:**と表示されるので、検索したいタグを入力します。検索時のタグの入力にも、Tabキー押下による補完機能を使用することできます。
    検索キーを決めて、リターンキーを押下すると、Org Agendaバッファに該当するライフログの一覧が表示されます。

    seachTag.png

  3. ライフログの選択

    Org Agendaバッファに該当するライフログの一覧から、表示させたいライフログにカーソルを移動させて、リターンキーを押下します。

    listLifeLog.png

  4. ライフログの参照

    ライフログの参照先に移動しますが、記事は折り畳まれた状態のままです。記事の詳細を見たい時には、Tabキーを押下してください。

    lookArticle.png


  1. 実際には、$HOME/.emacsに、org-agenda-filesの設定が自動的に挿入されます。

  2. Journalのテンプレートは、narrowモードで表示されています。ライフログを記録した後、実際の記録ファイルをfind-fileで開くと、第1階層以降のヘッドラインの存在を確認することができます。
    - 第1階層 → 年
    - 第2階層 → 月
    - 第3階層 → 日
    - 第4階層 → 個々のライフログ

  3. タグには、#+TAGSで指定する以外にも、ミニバッファで新規のタグを指定することができます。

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