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Scrum Inc.認定スクラムプロダクトオーナー(LSPO)研修を受けてきた話

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ユーザーストーリー

認定スクラムプロダクトオーナー研修を受講してきた者として、
これから受講する人・受講を検討している人に情報を提供したい。
そうすれば彼らは研修への理解を深め、上手いこと上司を説得し、安心して受講を申し込めるからだ。

概要

LSPOとは

Scrum Inc.という団体が実施しているスクラム研修および認定資格です。
https://scrum.esm.co.jp/training/owner/

  • Licensed Scrum Master(LSM) スクラムマスター向け
  • Licensed Scrum Product Owner(LSPO) プロダクトオーナー向け

があります。
研修を受講してオンライン試験に合格すると、認定書がもらえます。

LSM/LSPOとCSM/CSPOの違い

スクラムの認定資格には、LSM/LSPOとは別でCSM/CSPOというものがあります。
Scrum Allianceという団体が発行しています。
CSM/CSPOの方が以前から実施されているので、こちらの方が有名かも。違いはよく分かっていません。

Scrum Inc.のサイトの「よくある質問」には

※CSM・CSPOの資格保有者の方には、Scrum Inc.認定試験を受けることで、LSM/LSPOの資格を授与する仕組みをScrum Inc.で検討中です。

とあるので、いずれ何らかの互換性が提供されるものと思います。

研修について

講師

  • Avi Schneier 氏(Scrum Inc.)
    英語で講義を行ないます。聞き取りやすい英語なのでだいたい理解できます。
    同時通訳もあるので、英語に自信のない人でも安心です。

  • 荒本 実 氏(KDDI)
    日本語で講義を行ないます。日本語で質問できるのでとても安心です。

環境

会場

東京・大手町のKDDIホールでした。
参加者は全60名、男性の割合が多かったので、休憩時間の男子トイレは非常に混みました。2階のトイレに並ぶか、1階のトイレまで遠征するかという状況判断も必要です。水分補給・トイレのご利用は計画的に。

昼食

2日間とも弁当が配られます。チームで机を囲んでおしゃべりしながらのランチタイムが良い息抜きになりました。
普段、自席でネットを見ながら一人で昼食という人も多いのではと思いますが、こうして皆で会話しながら食べるのも良いものですね。

持ち物

パソコンやタブレットは、研修では使いません。荷物になるだけなので持っていかない方が良いと思います。
テキスト、書籍が配布されます。けっこう重いです。
メモを取りたい人は小さめのノートが良いでしょう。ワークショップで使うものや飲み物を置くと、机はけっこう狭くなります。
研修の中で使う紙や文具は用意されているので、持参は不要です。
講師や他の参加者との交流のために、名刺は多めに持っていくと良いでしょう。

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研修内容

2日間の研修自体が「リリース計画」となっていて、

  • Day 1 - 良いPO
    • Sprint 1
    • Sprint 2
  • Day 2 - 素晴らしいPO
    • Sprint 3
    • Sprint 4

と、実際にスプリントを回して、ベロシティを計測し、キャパシティを見積もり、次のスプリント計画を立てるのを具体的に体感できる構成となっています。
(詳細の講義・演習については割愛します。受講してからのお楽しみ)

研修の中では一貫して、

  • プロダクトオーナーとして何をすべきか

というのを叩き込まれました。
これまで、自分の中でプロダクトオーナーとスクラムマスターの役割の違いが曖昧になっていて、中途半端に両方の役割をやろうとしていた感じだったので、そこはきっちり分けるべきだということを学びました。

認定試験について

研修受講後、メールでオンライン受験用サイトのURLが送られてきます。
ユーザ情報を登録して試験を受けます。四択問題が30問。全問解答するとすぐに結果が表示されます。
75%以上の正解で合格となります。合格するとLSPOの認定書と認定ロゴがダウンロードできます。

LSPO_sample.png

ちなみに私は30問中24問正解(80%)とぎりぎり合格でした。。。危なかった。。。間違えた問題はちゃんと復習します。

研修で得たもの:コミュニケーションをとる勇気(Courage)

プロダクトオーナーは顧客とチームを結ぶ存在。50%を顧客と共に過ごし、残り50%はチームと共に過ごす。
 →スクラムを成功させるためにはコミュニケーションが非常に重要となる。

研修時のチームでは、1日目のふりかえりで「ちょっとコミュニケーションが少なかったよね」という話をして、「2日目はもっと深いコミュニケーションを取ろう」という目標を設定しました。

そんな2日目、ちょっとした出来事がありました。

  • コミュニケーションを深めよう・お互いのことをもっとよく知ろう。とチームメンバ全員で名刺交換した際、机の上にいろんな名刺が置かれていて、手元に収めた後で「もらったはずの名刺がない」「なぜか2枚同じ名刺がある」といった状況が発生。
  • 普段なら「名刺の1枚ぐらい、まあいいや」と流していたけど、勇気を出して「誰か同じの持っている人いませんか?」「手元にない人いませんか?」と声を掛け合った。
  • 気づいた問題点をその場で話すことで、その場で問題点(名刺の重複・欠損)を解消できた。

私はこの出来事が、今回の研修で一番心に残りました。

  • 普段はなぜ流してしまうのか?
    →いちいち言うのが面倒くさいから。
     →変な遠慮をしてしまう
      →言う勇気が出ない

  • なぜ、この研修では言えたのか?
    →積極的にコミュニケーションを取ろう、という合意がチームであったから。
     →このチームなら、言っても大丈夫という信頼(安全)があった。
      →勇気を出せた。

Aviさんは「Courage! Courage!」と繰り返し言っていました。
スクラムを前に進めるためには、なによりも勇気が大事。
今よりもほんのちょっと勇気を出すだけで、問題を先送りせずに皆の協力が得られて解決する。
それを実感することができた瞬間でした。

失ったもの:転職の自由

今回の研修は、会社の予算で受講させてもらいました。
なので、この研修で学んだこと・得た資格は自分ひとりのものではなく会社のものだという意識があります。
会社からの恩(借り)がますます増えてしまい、投資してくれた以上のリターンを出すまでは簡単に辞められなくなりました。
スクラムを現場に定着させ、会社全体に広めるところまでは頑張って実現したいと思います。

受講を検討している人へ

認定資格自体に価値があるかというと、特に価値はないと思います。
認定資格を取得することではなく、研修を通して得た知識や気づきを現場で活かして、はじめて価値が生まれるものだと思います。

Aviさん曰く「Practice! Practice! Practice!」
実践あるのみです。

会社員の方は、ぜひ会社の予算で受講することをお勧めします。
個人で払うには結構な金額ですし、なによりも現場でスクラムを実践するためには会社の理解が必要です。

会社の上司や顧客を巻き込んで物事を前に進める能力は、プロダクトオーナーやスクラムマスターにとって非常に重要なので、諦めずに予算確保を頑張りましょう。
私の場合も煩雑な社内手続きに何度もくじけそうになりましたが、それにより「なぜこういう仕組みになっているのか」「もっと効率的なやり方はないか」「どうやって味方を増やすか」など、対人スキル・対組織スキルが鍛えられました。

上司や顧客をどのように説得するかはケースバイケースですので、もし悩んでる方がいれば相談に乗ります。
良きPO・素晴らしきPOを目指し、ともに研鑽し合える仲間が増えることを願っています。

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