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仮想環境でのOracleライセンス問題、もう悩まない!Oracle Linux KVMで解決するインフラ戦略

Last updated at Posted at 2025-07-04

こんにちは!インサイトテクノロジーの松尾です。
近年、クラウドサービスの普及やリモートワークの増加に伴い、多くの企業で仮想環境が導入されていますよね。VMwareなどの仮想環境でOracle製品を運用されている方も多いのではないでしょうか?

しかし、そこで頭を抱えるのがOracleライセンスの問題です。「いつの間にかライセンス違反になっていた…」「監査で多額の追徴金を指摘されたらどうしよう…」といった懸念をお持ちの方も少なくないはずです。さらに、古いOSやOracleバージョンを使い続けたいけれど、新しいハードウェアに移行できない、クラウド移行も難しい、といった「古いシステム問題」も大きな課題となっています。

ご安心ください!今回は、これらの課題をOracle Linux KVMがどのように解決してくれるのか、そのメリットと具体的なアプローチを、皆さんの課題解決に役立つように解説していきます。

仮想環境におけるOracleライセンス、なぜ問題になるの?

まずは、なぜ仮想環境でOracleライセンスが複雑になるのか、その「落とし穴」を見ていきましょう。

  • 高額なライセンス費用と保守料金の増加
    • 多くのライセンスを保有していると、保守料金だけでもかなりの負担になります。
    • Oracle社の保守料金は、年次調整金により毎年8〜10%増加する傾向にあります。
    • 高いライセンス料金がネックとなり、開発、テスト、リリース環境を十分に用意できない、という声もよく聞きます。
  • 「ソフトパーティショニング」の罠
    • VMware ESXiやHyper-V、Nutanix AHVなどの一般的な仮想環境(ソフトパーティショニングと呼ばれます)でOracle製品を稼働させた場合、たとえ仮想マシンに割り当てたコア数が少なくても、ネットワーク上の全仮想ノードの物理CORE/CPUがライセンスカウントの対象になってしまうんです。これを知らずに運用していると、意図せずライセンス違反に陥る可能性が非常に高いわけですね。
    • 特にOracle Database Enterprise Editionの場合、物理サーバーの全コアが対象となります。Standard Editionでも全プロセッサが対象です。
    • さらに、ライブマイグレーション機能を利用していると、クラスタを構成するすべての物理サーバーがライセンス対象になるため、必要なライセンス数が跳ね上がってしまいます。
  • 古いOS、古いDBが新しい環境へ移行できない
    • 最新のサーバーが古いOSをサポートしていなかったり、クラウドへ移行できなかったりするプラットフォームの問題も深刻です。
  • Oracle社からの監査リスク
    • 大手企業では、Oracle社からの監査が入る可能性があり、巨額の追徴金が指摘される事例も存在します。

そこで注目!Oracle Linux KVMが課題を解決!

こうした課題に対し、Oracle社が公式に認める解決策として注目を集めているのが「Oracle Linux KVM」です。

Oracle Linux KVMとは?

  • Oracle Linux: Oracle社が提供するRHEL (Red Hat Enterprise Linux) 互換のOSSソフトウェアです。誰でも無料で利用できますが、サポートが必要な場合は別途契約が必要です。KVM利用の場合はPremier SupportまたはPremier Plus Supportの契約が推奨されます。
  • KVM (Kernel-based Virtual Machine): OSS Linuxに組み込まれている仮想化技術の略称です。Oracle Linux上で動作するKVMベースのハイパーバイザーで、VMWareでいうESXiに相当します。複数のデータベース稼働仮想マシンを一台の物理サーバーで実行可能にします。
  • Oracle Linux Virtualization Manager (OLVM): Oracle Linux KVM仮想環境を管理するOracle社提供の管理コンソールです。KVMホストや仮想サーバーを複数管理でき、日本語GUIも用意されています。VMWareでいうvCenterに相当し、後述のハードパーティショニング機能を利用するために必須となります。

Oracle Linux KVMの3つの主要メリット

  1. Oracleライセンス最適化
    • Oracle Linux KVMとOracle Linux Virtualization Managerのハードパーティショニング機能を利用すれば、Oracleライセンスを最適化できます。
    • 「CPUピン留め」のメカニズム: Oracle Linux KVMでは、仮想マシンのvCPUと物理CPUのCoreを1:1に固定できます。これにより、ピン留めされたCoreにのみライセンスを限定できるため、未使用のCPU/Coreに対してライセンスが課金されることがなく、大幅なコスト最適化を実現できます。
    • Oracle社が認めるハードパーティショニングは、Oracle Linux KVM (2019年〜) のみです(Oracle VMは2024年7月サポート終了)。
    • ただし、CPUピン留めを行うと、特定の物理コアに仮想マシンが固定されるため、ライブマイグレーション機能は利用できません
  2. 古いOS、古いDBを稼働させたい課題を解決
    • Oracle Linux KVMは、ゲストOSとしてLinux系、Windows系の様々なバージョンをサポートしています。
    • 新しいサーバーが古いOSをサポートしていない、クラウドへ移行できないといった課題を解決し、ハードウェア更改後も既存の古いOS/DBバージョンを継続して利用できます
  3. 統合仮想環境
    • OLVMによる一元管理、ゼロダウンタイムでのセキュリティ更新(Ksplice)など、運用効率と安定性向上に貢献します。
    • Oracle RAC環境、Oracle SEHA環境、Oracle KVM HA環境といった様々な冗長化環境を構築でき、基幹システムにも対応可能です。

VMwareからのスムーズな移行も可能!

現在VMware環境をお使いの方も、Oracle Linux KVMへの移行はスムーズに行えます。

  • V2V (Virtual to Virtual) 移行: VMwareなどの仮想環境からOracle Linux KVM環境への仮想マシン移行に対応しています。停止した仮想マシンのvhdxファイルを取得し、KVM環境に転送後、qcow2ファイルに変換して仮想マシンを作成する、という手順が基本です。
  • P2V (Physical to Virtual) 移行: 物理環境からOracle Linux KVM仮想環境への移行も可能です。

導入事例から学ぶ、Oracle Linux KVMの実践的活用

インサイトテクノロジーでは、Oracle Linux KVMを活用して、多くのお客様の課題を解決してきました。

  • 事例1:サービス業
    • VMware上で多数稼働していたOracle DB SE1のライセンス問題を解消し、古い環境を最新HCI (SSD) 環境へ移行し安定稼働を実現しました。
  • 事例2:製造業
    • 本社移転に伴うデータセンター移設で、古いWindows/Oracleバージョンにより物理移行が困難だった基幹システムをOracle Linux KVMへ移行し、ライセンス懸念を解消。その他のAP環境はVMwareを継続し、運用最適化を実現しました。
  • 事例3:金融系
    • 基幹システムのハードウェアサポート切れと古いOS/Oracleバージョン問題に対し、Oracle Linux KVMでの稼働によりハードウェア更改を可能に。アプリケーション環境をHCIに統合し、Dbvisit StandbyによるDR環境構築でダウンタイムを極小化しました。

インサイトテクノロジーのOracle Linux KVM導入・移行サービス

インサイトテクノロジーは、Oracle Linux KVMに関する専門知識と豊富な実績でお客様をサポートします。

  • ハードウェア、ソフトウェアと構築作業一式で提供が可能です。
  • 幅広い専門サービスを提供しています。
    • Oracle Linux KVM環境の設計、構築、HA(高可用性)環境構築。
    • Oracle Linux Virtualization Manager(OLVM)の設定、構築。
    • Oracleデータベース環境の移行作業(P2V/V2V移行)。
    • Oracle Databaseのバージョンアップ作業やデータ移行。
    • 冗長化(Oracle RAC、SEHA)環境やDR(Dbvisit Standby)環境の構築。
  • データベース専門知識と高い技術力
  • お客様の環境やご要望に合わせた柔軟かつスピーディな対応が可能です。

まとめ:Oracle Linux KVMでOracleの課題を解決!

Oracle Linux KVMの活用は、Oracle Databaseエンジニアの皆さんが抱える「ライセンス問題」「コスト」「古いシステム移行」といった課題を解決するための強力なソリューションです。

  • ライセンスコスト最適化: Oracle社公認のハードパーティショニング機能(CPUピン留め)により、Oracleライセンスを最小限に抑え、コストを最適化できます。
  • 古いシステムの延命: 古いOSや古いDBバージョンでも、新しいハードウェア上で継続稼働が可能です。
  • 柔軟なインフラ構築と運用: VMwareからのスムーズな移行(V2V/P2V)を支援し、KVMとVMwareの共存も可能です。基幹システムにも対応するDB冗長化(RAC, SEHA, KVM HA)を実現します。

仮想環境でのOracle運用に課題を感じている方は、ぜひ一度、インサイトテクノロジーにご相談ください。無料相談会資料ダウンロードもご用意していますので、お気軽にお問い合わせくださいね。

無料相談会・資料ダウンロードはこちらから!

Webinarのご案内

本記事内容に関連したWebinarも開催予定です。ご興味がある方はぜひそちらもご参加ください。

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