情報の摂り方は「話す」から再び「話す」へ
昨今、生成AIに進化・インパクトが凄まじいですね。
AIのアルゴリズムを理解しようとすると非常に複雑になりますが、「情報をどう受け取るか=インターフェース」という視点に立つと、その変化や影響力の大きさが分かりやすく整理できます。
情報摂取インターフェースの変遷
これまで私たち人類は長い歴史の中で、情報を摂取する方法を進化させてきました。
- 口伝え──声と耳だけで世界は回っていた
- 紙──言葉が時代と空間を越えるようになった
- コマンドライン(テキストUI)──画面に呪文を打ち込むことで計算機にアクセス
- GUI──クリックだけでコンピュータとの協働が実現
- タッチUI──指先で直感的な操作
- 自然言語UI──再び「話す」へ、ただし世界の知識を保有
大昔、人間は情報を口伝えで共有していました。話すこと、聞くことが唯一の情報伝達手段でした。
やがて文字の発明に伴い、情報伝達のインターフェースは「紙」へと変化しました。書籍、手紙、新聞が情報共有の中心となり、情報が蓄積可能かつ広範に伝播するようになりました。
その後、コマンドライン(コンピュータ)が登場します。情報摂取のスピードと範囲は飛躍的に向上しましたが、操作自体はまだ複雑でした。しかしこれらの計算能力のアクセスにより、テレビやインターネットという新たな広がりをもたらしました。
次に現れたのが「GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)」です。複雑な操作を視覚的に分かりやすく整理し、ユーザーはアイコンやウィンドウをクリックするだけで情報hアクセスできるようになりました。
その後、「タッチスクリーン」の登場により、インターフェースはさらに直感的になりました。マウスやキーボードといった外部機器を使う必要がなくなり、スマートフォンの普及により情報摂取はいつでもどこでも可能になりました。
そして現在、情報摂取のインターフェースは再び「自然言語」に戻ってきています。しかし興味深いことに、この自然言語インターフェースはかつての口伝えとは本質的に異なります。その背景にある知識や情報量は、地球規模の知識データベースへと拡張しています。
自然言語インターフェースの影響
自然言語とは、そもそも人間が最も直感的に使えるインターフェースです。この本来的に適したインターフェースを通じて、膨大かつ高度に体系化されたナレッジにアクセスできるようになった現代では、すべてのアプリケーションが大きなアップデートを迫られています。
一般に、新しいテクノロジーは取り扱いが難しいと普及しない、と言われています。しかし、誰にとっても使いやすくなった瞬間に一気に普及する、とも言われています。
過去にスマホが登場したとき、GUIからタッチスクリーンにインターフェースが移行した際、写真の拡大・縮小やスクロールなどの操作が飛躍的に簡単かつ直感的になりました。これにより、アプリケーションの使いやすさやユーザー体験は劇的に向上しました。
これと同様に、自然言語インターフェースの普及により、今後の変化が予測されます。
例えば、複雑なソフトウェアの操作も、「この写真を加工して、SNSに投稿して」というシンプルな指示を伝えるだけで完結するようになります。これによりデジタルリテラシーの壁は一層低くなり、誰もがより簡単に技術を活用できる世界が訪れるでしょう。
人にとって最適解な自然言語インターフェース
人間の情報摂取のあり方は、ついに最も自然なインターフェースである自然言語に再び戻ってきました。一周まわって本来、人間に最も適した形式に戻った点は非常に興味深い点です。
ただしその背後には、かつてとは比べ物にならないほどの巨大な知識体系が存在しています。
これは、人類史上初めて 「話す → 瞬時に地球規模の知見へアクセス → 再び話す」 というサイクルが日常化することを意味します。つまり、次々と質問できる人、が膨大の知識にアクセスし、新たな価値創出を実現してく世界に変わったことを意味します。