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最新の電車は昔の電車より揺れないか調査したら衝撃の結果が!

Last updated at Posted at 2021-12-26

本当に揺れないのか?

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みなさん電車の揺れ、気になりませんか?最近はコロナ禍の影響でつり革に掴まるのも躊躇するご時世ですから、気になりますよね!

総武快速線には、26年ぶりに新しい車両E235系が投入されました。前世代のE217系と比べて、車内は明るいし、車体も綺麗!新車のにおいがして、乗っていてとてもいい気分です。

私がE235系に乗ったときの第一印象は「揺れない」でした。しかし、本当に揺れないのでしょうか?新車の雰囲気に騙されていているのではないでしょうか?そこで、今回は科学技術の力(おおげさw)で本当に揺れないのか調べてみました。

身近な機器で測定する

調査にはiphoneを使います。iphoneには加速度センサーが搭載されているので、振動を簡単に拾うこと事ができます。採取した振動はアプリでテキストデータ化できるのであとはExcelで処理できます。

問題はなにを「振動」とみなすかですが、今回は加速度の変化量を振動とみなしました。

定義を簡単に説明します。まず、電車の停車時、加速度センサーは重力のみ影響を受けます。この時zが-1.0で、xとyは0です。

2.jpg

電車が加速すると、y方向がマイナスになります。停車から加速に際して、加速度が変化したことになります。この変化を振動とみなします。

$$振動u_{i}= \sqrt{(x_{i+1} - x_{i})^2+(y_{i+1} - y_{i})^2+(z_{i+1} - z_{i})^2}$$

$$ただしx_k,y_k,z_kは時間kにおけるそれぞれの軸の加速度$$

3_1.jpg

この「振動」を決められた駅から駅までの区間で全て足し合わせたものを「揺れ」として、「揺れ」がどのくらい発生するか比較します。

$$揺れ=\sum_{i=1}^{n-1} u_{i}$$

測定環境

完全に同じ条件で217系とE235系の揺れを比較するのは不可能です。そこで、なるべく同じ条件で複数回それぞれの揺れを観測して、比較評価することとします。同じ日時同じ時間帯で同じ区間、同じ車両内の場所で測定をします。以下が測定環境です。

項目 内容
日時 2021年12月23日
時間帯 10時~15時
区間 船橋駅→稲毛駅
測定箇所 9号車千葉方から2番目山側のドア前
測定回数 E217系、E235系でそれぞれ3回ずつ

iphoneの設置条件は、x軸が枕木方向、y軸が線路方向、z軸が天地方向となるようにしました。ただし厳密測って設置したわけではなく、目測レベルです。紙袋に入れて風の影響を受けないようにしました。椅子に置かなかったのは椅子のクッションの性能差が混入してしまう可能性を排除するためです。
7.jpg

測定

計6回も同じ区間で測定するので、半日かけて測定を行いました(結構大変でした)。下図はE253系で測定したy軸の加速度です。y軸は進行方向がプラスなので、加速の時はマイナス、減速の時はプラスの値をとります。
4_2.jpg
今度は下図はE253系で測定したz軸の加速度です。z軸は天頂方向がプラス、地面方向がマイナスなので、常時重力の影響を受けます。
5_2.jpg

結果

さあデータが全て揃ったので評価しましょう。果たして「揺れ」に差は出るのでしょうか。結果は以下のようになりました!

車種 回次 「揺れ」
E235系 1回目 85.61
E235系 2回目 78.59
E235系 3回目 79.68
E217系 1回目 85.35
E217系 2回目 83.41
E217系 3回目 90.69

6_2.jpg
なんと、E235系ほうがE217系に比べて「揺れ」が小さいという結果になりました!

このE217系とE235系の数値をどう捉えるかかですが、同じ路盤をほぼ同じ加減速で走っていても数字に差が現れるという事は、本当にE235系のほうが揺れが小さいということだと思います。ただ乗っている人間が明らかに違いが分かるかといえば、それほどでもないというぐらいの差だと思います。

最新車両は本当に揺れなかった!

いかがでしたか?最新車両は本当に揺れないことがわかりました。正直、これほど数値として差がでるとは思いませんでした!正直数字には表れないと思っていたので、とても嬉しいです。体感って結構あてになるんですね。そして、技術の進歩というのは、我々の知らないところでしっかりと進んでいるのですね。

この調査の限界

E217系とE235系で複数回測定したとはいえ、それぞれの測定で電車のダイヤが異なる可能性があります。できればサンプル数を3回でなく10回ぐらいにしたいところではあります。また今回は区間が船橋駅→稲毛駅と比較的まっすぐな線形でしたが、カーブの多い区間で測定するとまた結果が変わるかもしれません。

今後の課題

加速度についてx軸方向、y軸方向で独立して解析すれば、また違ったことがわかるかもしれません。x軸方向なら横揺れの多さ、y軸方向なら加減速のスムーズさがわかると思います。それはおいおい解析してみたいと思います。他路線で調査するのも面白いかもしれません。2021年12月現在、相模線では205系とE131系が混在して走っていますので、ねらい目だと思います。

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