はじめに
2023年1月24日~26日(JANOG51の会期は1/25~1/27)に行われたJANOG51 NETCONで出題されたLevel4-1の問題解説です。
問題
新しく買ったスイッチ。
ファイバで接続しようとするもどうも様子がオカシイ・・・。リンクが上がったり、切れたり・・・。
設定には問題ないし・・・。
先輩「それ、つなぐときにちゃんとファイバの確認した?」
私「適当にその辺にあったファイバ使いました。」
先輩「そのファイバって先端にキャップついてた?」
私「なんもついてなかったですよ」
先輩「うーーーん、、、」
さて、問題はどこにあったでしょうか?
*端面検査機とファイバークリーナを用意しています。ご自由にお使いください
解説
- 通信速度が遅い場合はそんなに問題になりませんが、通信速度が速くなるにつれて接続に使用する光ファイバの性能が重要になってきます。
- 特に接続面(ファイバの端面)に汚れが付着していると、そこで信号の減衰が大きくなり物理リンクが上がらなくなったりします。
- 光ファイバを接続する時は、端面検査機を使って端面状態を確認し、汚れがある場合はクリーナで清掃してから使用しましょう。新品のケーブルでもたまに端面が汚れていることがあります。
- 端面が汚れたファイバを使ってJJやインターフェイスに挿すと、対向側の端面に汚れが付着することもあるので注意しましょう。
端面検査機に接続して、端面の状態を確認します
今回はEXFO社のFIP-415BとVIAVI社の端面検査機を用意しました。
端面検査機にLCコネクタを差し込みます。
汚れているがわかります。
クリーナに差し込みカチッと音がするまで押し込みます。
今回は、精工技研社のスティック型クリーナを用意しました。
クリーニング後に再度端面検査機で見ると、綺麗になっています。
中心に見える白い部分がコア、その周りの薄い灰色部分がクラッド、黒い部分が保護材となります。
今回はマルチモードファイバなので、コアが太目です。
終わりに
今回の問題は、端面の汚れを検査してクリーニングする問題でした。
レーザは結構強いので、短距離かつ帯域があまり大きくなければ問題になることはあまりありません。
ただ、10G、40G、100G、400Gbpsと帯域が広くなるにつれ、距離が長くなるにつれ汚れ等の影響が大きくなります。
実際に端面の汚れによってリンクアップ・ダウンを繰り返すこともあります。
光ファイバを接続する時は新品でもクリーニングしてから使うようにしましょう。
端面部以外については、OTDRといった測定器を使用して減衰がどこで大きくなっているのかを測定して原因を調査します。