WebSocket でランダム指数バックオフ（エクスポネンシャルバックオフ）の実装

Exponential Backoff（指数バックオフ）とは

Exponential Backoff とはリトライの仕組みの一種で、リトライ間隔を徐々に広げていくアルゴリズムになります。1秒→3秒→9秒→27秒... のように、指数関数的にリトライ間隔を広げることでアプリケーションの信頼性を向上させて、開発者の運用コストを削除します。

アルゴリズム

WebSocket接続処理のソースコード全体（実装例）

const endpoint = 'ws://localhost:8080';

// 指数バックオフ設定値
let initialReconnectDelay = 1000;
let currentReconnectDelay = initialReconnectDelay;
let maxReconnectDelay = 16000;

function wsConnection(endpoint) {
  ws = new WebSocket(endpoint);
  let s = (l) => console.log(l);

  // コネクション確立
  ws.onopen = (m) => {
    s(' CONNECTED');
    currentReconnectDelay = initialReconnectDelay;
  };

  // メッセージ受信
  ws.onmessage = (m) => s(' RECEIVED: ' + JSON.stringify(m.data, null, 3));

  // コネクションエラー
  ws.onerror = (e) => s(' ERROR');

  // コネクションクローズ (クローズしたら再接続)
  ws.onclose = (e) => {
    s(' CONNECTION CLOSED');

    setTimeout(
      function () {
        reconnectToWebsocket();
      }.bind(this),
      currentReconnectDelay + Math.floor(Math.random() * 3000),
    ); // ランダム指数バックオフ
  };

  reconnectToWebsocket = () => {
    if (currentReconnectDelay < maxReconnectDelay) {
      currentReconnectDelay *= 2;
      s(' RECONNECTION...');
      wsConnection(endpoint);
    }
  };
}

wsConnection(endpoint);

バックオフをランダムにする

バックオフをランダムにすることのメリットは 10,000 のクライアントが接続されているときにサーバーがダウンし、すぐに復旧した場合はどうなるでしょうか? そうです、これらのクライアントはすべて、まったく同じ秒で再接続を試みます。これにより、サーバーでスパイクが発生し、最悪の場合はサーバーダウンする可能性があります。

このスパイクを防ぐために、バックオフ アルゴリズムをランダムにします。これにより、すべてのクライアントが同時に再接続するわけではなくなり、サーバーを急上昇させることなく、すべてのクライアントが正常に再接続できるようになります。
（これをジッターというらしい）

参考サイト