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RPGツクールMVでRPGツクールXPのマップチップを使えるようにする方法

Last updated at Posted at 2019-03-20

概要

RPGツクールXPのマップチップ(タイルセット)を、RPGツクールMVで使えるようにする方法について書きます。キャラチップ(歩行グラフィック・ホコグラ)の移行方法についても書きます。
基本的には、MVのマップをまるまるXPのグラフィックに置き換えることを想定しています。いい感じに組み合わせて使うことは想定していません。でも各手法のサイズ感がわかるように、スクリーンショットにMVのキャラクターも置いておくので、参考にはなるかもしれません。

自分が以前、個人的に調べたことなので、他にも方法があるかもしれませんし、多少間違いがあるかもしれません。見つけたら指摘してくださるとありがたいです。
あと、記事を書くのは初めてなので、いろいろよくないことが書いてあったらご指摘いただけると幸いです。

目次

  1. とりあえずXPのRTPを即MVで使ってみる
  2. 32×32のタイルサイズを使えるようにするプラグインChangeTileSize.js
  3. XP向けの素材屋様の素材・自作素材を新しくMVに入れる
  4. 綺麗に画像を1.5倍するRyanBramさんのスケーリングツール
  5. ツール『Tileset Converter MV』一長一短だが再配置を自動で行う
  6. XPのキャラチップをMVに移行
  7. おわりに

1. とりあえずXPのRTPを即MVで使ってみる

1マスあたりのタイルサイズは、XPが32×32なのに対して、MVは48×48です。つまり、画像を1.5倍すれば1マスのサイズは合います。
しかし、それだけでは使用できません。MVの形式に合わせてXPのタイルを配置し直す必要があります。全タイルセット分を考えると、とても面倒ですね。さらに、単純に1.5倍しただけでは、画像が粗くなってしまいます。

しかしなんと、

RTPを再配置+綺麗に拡大した後の神素材が配布されています

1マス48×48
「RPG Maker XP Graphics for RPG Maker MV (Tilesets and Characters) | RPG Maker Forums」
https://forums.rpgmakerweb.com/index.php?threads/rpg-maker-xp-graphics-for-rpg-maker-mv-tilesets-and-characters.73430/

1マス32×32
「RPG Maker XP Graphics for RPG Maker VX Ace (Tilesets and Characters)| RPG Maker Forums」
https://forums.rpgmakerweb.com/index.php?threads/rpg-maker-xp-graphics-for-rpg-maker-vx-ace-tilesets-and-characters.73432/

「MVは48×48なのに、なぜ32×32まで紹介するの?VX Aceって書いてあるけど?」
32×32で実装する方法もあるんです。後述します。

ともかく、この48×48の素材をMVに入れれば即使えます。神。

利用規約

以下を表記すればいいそうです(2019/03/17現在)。

  • RPGツクールXPのタイルセットを使っていること(ツクールXPを購入している必要があります。)
  • RyanBramさんのスケーリングツールを使っていること(48×48の方のみ)
  • 加工者のLadyBaskervilleさん(任意)

RyanBramさんのスケーリングツールについては、RTP以外の素材のスケーリングにも使えるため、詳細を後述します。

影部分の注意

このRTP素材は影が半透明になっていないです。
筆者は選択範囲を色域指定できるツールで影を一気に選択して、ペンツールの不透明度を127にしてからDelete押しました。ツールによってやり方は違うかと思いますが。

彩度の注意

ツクールMVとXPのマップチップでは、彩度に違いがあります(明度も?)。同じマップで両方を使う場合、そのままでも使えますが、調整して統一したほうがいいかと思います。

2. 32×32のタイルサイズを使えるようにするプラグインChangeTileSize.js

ChangeTileSizeはMVで使用するタイルのサイズを変更するプラグインです。
RPGツクールMVを購入した際に、無料でダウンロードできるプラグイン集の中に入っています。

MVのデフォルトのタイルサイズは48×48です。しかし、公式プラグインChangeTileSize.jsを利用することで、XPと同じタイルサイズの32×32でも使うことができます。

タイルサイズ48×48と32×32の比較

48×48
48×48.png

32×32
32×32.png

48×48に比べて、実装が少し手間ですが、XPと同じサイズ感が再現できます。さらにその分画面を広く使うことができます。
また、MV向け素材の見た目に違いが出ます。48×48は、サイズ感はともかくMV素材もそのまま使えます。一方32×32で実装していると、MV向けの素材は48×48のため、縮小して表示されます。そのため画像が粗く見えることがあります。

手順

手順の説明はこちらのサイト様が詳しいです。
「タイルを48×48から32×32に変更・音楽素材をMP3からoggに変換」
http://www.brambling.net/onihime/tkool/mv2.html

だいたいの流れだけ書いておきます。

  1. プラグインを入れて設定する(初回のみ)
  2. XPサイズのタイルセットを入れるフォルダを用意(初回のみ)
  3. ツクールXPのタイルセットをMV用に再配置(RTPなら上記の32×32の配布素材でOK)、手順2のフォルダに入れる
  4. 1.5倍したタイルセット(RTPなら上記の48×48の配布素材でOK)を通常のタイルセットフォルダに入れる
  5. (対応した32×32と48×48のファイル名が違う場合)ファイル名を一致させる。

48×48のタイルセットも必要です。実行画面では32×32になるのですが、ツクールMVのエディタ上では48×48のままなのです。で、自動で1.5倍してくれるわけでもないため、エディタ上でちゃんと見れるようにするためには48×48タイルも用意しておく必要があります。
なお、ここで用意する48×48タイルはエディタ上でしか使わず、プレイヤーには見えないため、単純に1.5倍しただけの粗い画像でもOKです。

プラグインが挟まるので最初は面倒に思えますが、再配置以外は割と簡単に実装できます。再配置も上記のRTP素材を使うのであれば必要ないですし。32×32のサイズ感のほうが好きだなーと思うのなら、全然試してみていいと思います。

3. XP向けの素材屋様の素材・自作素材を新しくMVに入れる

上記のような、MVに合わせてある素材ではなく、XP用のタイルセットをMV用に自分で再配置する例と注意点を書きます。

ツクールMVのタイルセットの仕様についてはこちら。
「RPGツクールMV マップタイルの仕組み」
http://tkool.jp/mv/guide/002_004.html
実際のMVのタイルセットを眺めながら読むと理解しやすいと思います。

見本マップの例

上記の見本マップを作るのに必要最低限なXPの素材は、このファイルです(右下のファイルには使っていないタイルも含まれていますが)。
1-5a.png

左上の水オートタイルを「A1」、左下の道オートタイルを「A2」、右上の草タイルを「A5」、右下のその他タイルを「D」(B以降ならどこでも)に設定しています。

問題児①オートタイル

通常タイルは普通に配置を変更すれば大丈夫です。問題はオートタイルです。XPとMVではオートタイルの画像の仕様が微妙かつ致命的に違います。配置だけでなく、画像そのものをいじらないといけません。真ん中のタイルを詰めればいいわけですが、作業量が通常タイルよりさらに多いです。
waterAuto.jpg
左がXPのオートタイル、右がMVで使用できる配置のオートタイルです(1タイルのサイズはまだ32×32です。Aceって書いてありますがプラグインを入れればMVで使えます)。
簡単に変換する方法のひとつとして、ツール『Tileset Converter MV』を後で紹介します。

問題児②画像拡大

あとは画像を32×32から48×48へ、1.5倍に拡大する方法です。
しかしこれも曲者です。画像を2倍にするならまだしも、1.5倍となると、2ドット分になる部分と1ドット分のままの部分が出てしまいます。そのため汚く見え、せっかくのXPの綺麗なグラフィックが崩れてしまいます。
綺麗さを優先して補間ありで拡大すると、色数が増えてサイズが膨大したり、輪郭のあたりに半透明なドットができたりして、あんまりよくないんじゃないかなーという気がします。よくわからないけどドッターの人に怒られそうです。
32×32でツクるなら拡大版は汚くてもいいんですけどね。
しかし、そこでまた神のツールが。

4. 綺麗に画像を1.5倍するRyanBramさんのスケーリングツール

単純に画像を1.5倍すると生じる「2ドット分になる部分と1ドット分のままの部分」をいい感じに改善してくれるツールです。
上記でLadyBaskervilleさんが配布しているXPのRTP素材も、このツールを使って拡大されています。

ダウンロード

このフォーラムの2ページ目の下の方にあるRyanBramさんの投稿からダウンロードできます。Oct 16, 2015の投稿で、ダウンロードリンクのある投稿です。
「Resizing Assets for MV | RPG Maker Forums」
https://forums.rpgmakerweb.com/index.php?threads/resizing-assets-for-mv.45737/page-2

ダウンロードして展開すると、以下のものが入っています。

  • binフォルダ
  • [RPG Maker Scaler].bat
  • 002-Woods01.png

このツールはバッチファイル(.bat)です。

scaler.jpg

使用手順

  1. [RPG Maker Scaler].batに変換したいファイルをドラッグ&ドロップ
  2. 「Method : 」と出るので、使う変換方法を入力(上記XPのRTPは「Fast」)
  3. 「続行するには何かキーを押してください」と表示されたら適当にキーを押せば終了

これで元画像と同じフォルダに、1.5倍で拡大された画像が生成されます。簡単。
変換には少し時間がかかるかもしれません。「続行するには何かキーを押してください」が表示されるまで待ってあげてください。
変換は1ファイルずつしかできません。

そういえばツールの名前は?

このツールの名前はよくわかりません。フォルダ名は「RTP Scaler」ですが、バッチファイル名は「RPG Maker Scaler」です。投稿にも名前は書いてませんし、LadyBaskervilleさんも「RyanBram for the scaling tool」としか言っていません。

ともかく、これでXP向けのマップチップ素材は一通りMVで使用できるかと思います。

5. ツール『Tileset Converter MV』一長一短だが再配置を自動で行う

面倒だった再配置を自動で行うツールも出てきてしまいました。
『Tileset Converter MV』はHermes Passer さんが制作したツールです。
オートタイルの自動変換までしてくれます。

ただし、32×32サイズのタイルを作る想定はしていないようです。
さらにこのツール、サイズ合わせは単純1.5倍拡大のため、綺麗さを気にするとなんでもかんでも自動配置とはいかず、使いどころは限られる気がします。

ですが筆者も少し触った程度の知識のため、使い込んだらもっと違うかもしれません。

tilecon.jpg

ダウンロード

「Tileset Converter MV ・ Gládio Cítrico」
https://hermespasser.github.io/p/tilecon/

こんな人にオススメ

  • 48×48で実装する。オートタイルの変換が面倒だから自動変換して。オートタイルの見た目が少し変わっても許す。
  • 48×48実装だけど、オートタイルに限らずXPの解像度はそのままで使いたい(ツールの仕様的に助けにはなりそう?)。

特徴

1. 通常タイルセットの再配置
  • 〇 再配置を自動で行ってくれる。
  • 〇 一部のタイルはXPのサイズ(解像度)を保ったまま48×48にできる(余白ができる)。
  • ✕ 拡大しないと使えないタイルがあるが、拡大方法は単純な1.5倍(粗い)。
2. オートタイルの変換
  • 〇 XPのオートタイルをMV仕様に自動で変換してくれる。
  • 〇 1.5倍しなくても48×48で使える。
  • ✕ 拡大せずに変換するため、ツクールXPのときと見た目が少し違う。
  • ✕ 1ファイルずつしか変換できない。複数のタイルを1ファイルにまとめる機能はない。

3項目めの「拡大せずに変換するため、ツクールXPのときと見た目が少し違う」というのはこういう見た目です。水オートタイルに注目してください。なんとなーく崖っぽい部分が小さい印象。
48convert.png

比較用に上記RTPの画像をもう一度貼っておきます。
48×48.png

3. 使用方法

まず、おことわり。筆者はネット上からこういった制作ツールをダウンロードして使ったことがあまりないため、すごく遠回りなやり方をしているかもしれません。記事冒頭でも言いましたが、間違っていたらすみません。

筆者はGitHubで公開されていたものをダウンロードして手元の Visual Studio 2017 でビルドして使いました。
MediaFireからダウンロードできるようなことが書いてあるのですが、私がそちらからダウンロードしようとしたら、ブラウザにウィルスを検知したと言われてちょっと怖かったのでやめておきました。セキュリティには詳しくないので、本当にファイルに問題があったのかわかりませんが……。少なくとも手元でビルドしたものは問題なく使えています。

ビルド中にエラーが出たら

ビルドの際、エラーが出ることがあります。
「ファイル Code\Forms\FormXPAuto.resx を処理できませんでした。インターネットまたは制限付きゾーン内にあるか、ファイルに Web のマークがあるためです。これらのファイルを処理するには、Web のマークを削除してください。」
私はこれと似たようなエラーが4つ出ました。

Tilecon-master\Project\Code\Forms
の中の、「.resx」ファイルがすべて引っかかっているようです。

各ファイルを右クリック -> プロパティ -> 「全般」タブ
一番下の「セキュリティ」の「許可する」にチェックを入れて「OK」。
エディタを再起動して実行すれば通りました。

6. XPのキャラチップをMVに移行

$001-Fighter01_PixelScaled.jpg
(画像は.jpgです。)
XPのキャラチップは、一番左側の列を消し、ファイル名の先頭に"$"を付けます。
32×32で実装するならこの時点でもうMVで使えます。
48×48で実装する場合は、単純に1.5倍してもいいですが、RyanBramさんのスケーリングツールに入れるとマップチップ同様いい感じに拡大してくれます。
MVのRTPみたいに1ファイルに複数のキャラを配置してもいいですが、面倒かと思います。

7. おわりに

長々とした記事になってしまいました。読んでくださってありがとうございました。
筆者自身、初めて買ったツクールはXPで、マップに思い入れがあったため、MVで使いたいなーと思っていろいろ調べてこうなりました。XP買うときにはもうVX出てたのにね。

以前Twitterで、ツクールMVでXPの素材を使っている人に、どんな方法を使っているかアンケートを取ったのです。

結果は見事にバラバラで、それぞれ手探りでやっているのかなーと思い、筆者の情報を共有しようと思った次第です。
6票しか入ってないけど。いや正直6票も入ったことに驚いたけど。
あと書いている途中に新しく知ったことも盛り沢山でしたが。

ともかくこの記事が、XPのマップチップ・キャラチップと、MVの機能の狭間で悩むツクラーさんたちのお役に立てればいいなと思います。

参考

RPG Maker XP Graphics for RPG Maker MV (Tilesets and Characters) | RPG Maker Forums
https://forums.rpgmakerweb.com/index.php?threads/rpg-maker-xp-graphics-for-rpg-maker-mv-tilesets-and-characters.73430/

RPG Maker XP Graphics for RPG Maker VX Ace (Tilesets and Characters)| RPG Maker Forums
https://forums.rpgmakerweb.com/index.php?threads/rpg-maker-xp-graphics-for-rpg-maker-vx-ace-tilesets-and-characters.73432/

タイルを48×48から32×32に変更・音楽素材をMP3からoggに変換
http://www.brambling.net/onihime/tkool/mv2.html

RPGツクールMV マップタイルの仕組み
http://tkool.jp/mv/guide/002_004.html

Resizing Assets for MV | RPG Maker Forums
https://forums.rpgmakerweb.com/index.php?threads/resizing-assets-for-mv.45737/page-2

Tileset Converter MV ・ Gládio Cítrico
https://hermespasser.github.io/p/tilecon/

RPGツクールXP 素材規格
https://tkool.jp/products/rpgxp/material

RPGツクールMV 素材規格について
https://tkool.jp/mv/course/04.html

RPGツクールMV マップタイルの仕組み
http://tkool.jp/mv/guide/002_004.html

RPGツクールMV プラグイン無料ダウンロード
https://tkool.jp/mv/special/plugin.html

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