Power BIとTableauは、BIツールとして広く使用されていますが、それぞれの機能や利点には異なる側面があります。以下では、それぞれのツールの主な機能を比較しています。
目次
データ前処理
データ可視化
データの共有と配信
ライセンスの違い
おわりに
データ前処理
どちらのツールもデータ可視化の前段階であるデータ前処理を簡単に行える機能が備わっていますが、それぞれ特徴があります。
Power BI:
PowerBIでは、Power Queryと呼ばれるデータ変換ツールを使用し、データソースからのデータ取得、クリーニング、変換、結合などの操作を行います。
PowerQueryではタブによる直観的な操作とM言語と呼ばれる独自の言語を用いて前処理を行います。M言語は独特?癖のある言語なので慣れるまでは不便に感じるかもしれません。
M言語に加え、DAX言語と呼ばれるExcelの関数に似たものを使用して、計算列やメジャー(集計値)を作成することができます。ExcelユーザーにとってはDAX言語のほうが理解しやすいかもしれません。
Tableau:
Tableauでは、Tableau Prepと呼ばれるデータプレパレーションツールを使用して、直感的にデータの結合、変換、クリーニング、フィルタリングなどの操作を行うことができます。
Tableau Prepではデータの変換や操作を行うために、計算フィールドを使用します。計算フィールドを使用すると、データソースから取得したデータに対してカスタム計算を適用することができます。計算フィールドは、データソースへの変更を加えずにデータを操作するために使用されます。
個人的にフローでデータ加工を直感的に理解できるのはかなり便利だと感じました。
まとめ:
データの前処理(データ収集、集計、統合、加工)のやり易さ重視であればTableau、M言語やDAXに慣れているユーザーであればPowerQueryでも柔軟に前処理を行えると思います。
データ可視化
PowerBIではPower BI Desktop、TableauはTableau Desktopというアプリケーションを用いてダッシュボードを作成します。
どちらのツールも直感的なドラッグ&ドロップでビジュアルを作成することができますが、表現方法やカスタマイズ性などに若干の違いがあります。
Power BI Desktop:
Power BI Desktopでは、ダッシュボード(一つのシート)上でビジュアルを作成します。あらかじめチャートタイプを選択してデータを当てはめてビジュアル作成する性質上、表現の柔軟性はTableauに劣ると感じます。
とはいえ、イメージに合致したチャートが見つかれば簡単にビジュアル作成できるので、ある程度標準化されたビジュアルをうまく使ってダッシュボードを作るイメージになります。
また、PowerBIの強みとして、同じMicrosoft製品であるExcelとGUIが似ているため、日頃からExcelを使用しているユーザーにとっては直感的な操作が可能です。
Tableau Desktop:
Tableau Desktopでは、ワークシートで各ビジュアルを作成し、作成したビジュアルをダッシュボードにまとめて可視化するという流れです。
ビジュアルの機能が豊富でカスタマイズしやすく、ユーザーの高いレベルの要求に合ったダッシュボードを作ることができるため、PowerBIよりもビジュアル作成において柔軟性が高いと感じます。
まとめ:
PowerBIはMicrosoft製品とのシームレスな連携が強みで、Microsoft製品を使い慣れているユーザーには直感的な操作が可能です。
一方Tableauはビジュアル作成において高い柔軟性と豊富なビジュアルオプションを誇っており、カスタマイズ性に優れています。
データの共有と配信
Power BI:
Power BIでは、Power BI Serviceを介してデータの共有や配信を行うことができます。クラウドベースのサービスであり、データのセキュリティやアクセス制御を管理し、チームや組織内でのダッシュボードの閲覧、編集を容易に行うことができます。
Tableau:
Tableauでは、Tableau ServerやTableau Onlineを使用してデータの共有や配信を行うことができます。Tableauのセキュアなデータ共有機能は、ビジネスニーズに合わせて柔軟に設定することが可能です。
まとめ:
どちらのツールもダッシュボードの共有においては大きな違いは無いと感じます。
ライセンスの違い
一般的にPower BIの価格はTableauより低く、低コストな導入が可能といわれています。一方で、Tableauの価格は高度な機能やエンタープライズレベルのニーズに合わせて設定されています。
使用する機能やユーザー数によってもコストは変わってくるためそれぞれのライセンスを理解する必要があります。
Power BI:
PowerBIのライセンスにはPower BI Pro、Power BI Premiumがあります。
Power BI Proは個々のユーザーごとに購入する有償ライセンスで、高度な機能やコラボレーション機能を提供します。(1ユーザーあたりの月額料金は約1千円程度 ※代理店や市況によって変動する)
一方、Power BI Premiumは組織全体で利用するためのエンタープライズ向けライセンスで、サーバー容量に応じた料金体系が設定されています。
Tableau:
Tableau Desktopは個々のユーザーごとに購入する必要があるデスクトップアプリケーションであり、データの視覚化や分析を提供します。一方、Tableau Serverはデータ共有とコラボレーションのためのプラットフォームであり、サーバーのインスタンスごとにライセンスを購入する必要があります。どちらもオンプレミスまたはクラウド上に構築可能です。
まとめ:
導入コストを重視するのであればPower BI、ライセンスの安さ重視でなければTableauの利便性などのメリットも鑑み、判断しましょう。
参考までに、Power BI Proは1ユーザーあたり1千円/月(Power BI Desktopのみであれば無料)、Tableau Creatorは1ユーザーあたり8千円/月です。
おわりに
PowerBIとTableau、どちらも優れたBIツールであることは間違いありませんが、柔軟性という点においてはTableauに軍配が上がると思います。
ただ、PowerBIも他Microsoft製品との親和性や低価格のライセンスなどのメリットがるため、現場環境や使用している他ツールの状況などを総合的に判断してどちらを導入するべきか決める必要があると感じます。
P.S.
足りない知識で書いた稚拙な文章に最後までお付き合いいただきありがとうございまました。
私自身もまだまだ勉強の身なので当記事に関しても随時ブラッシュアップしていければと思っています。