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Raspberry PiでpHを測定する方法(AtlasScientific)

Last updated at Posted at 2019-02-13

はじめに

pH測定に関する記事が少なかったので、記事にします。

pHセンサ

pHの測定には、AtlasScientific社のpH Kitを使用します。

キットには
校正溶液(10.00 7.00 4.00 pH)、電極用の保存液、ガラス電極、BNCコネクター、pH測定器(かなり優秀)
の5つが含まれます。

秋月電子では、安価なpHメータが売っています。
しかしながら、このセンサーの出力はアナログ値なので、直接Raspberry Piでは扱うことは出来ません。
A/D変換器を使って無理やり扱うことも出来ますが、部品点数は増えてナンセンスです。

準備

詳細は以下のURLを参照してください。
https://atlas-scientific.com/files/pi_sample_code.pdf
https://www.atlas-scientific.com/_files/_datasheets/_circuit/pH_EZO_Datasheet.pdf

UARTモードからI2Cモードに変更

初期状態ではUARTモードになってます。今回はI2Cを使いたいので以下の手順で変更します。

TX端子とPGND端子を接続します。
この状態で、測定器にVCCとGNDを接続します。

LEDが青色に発光すればI2Cモードになります。

I2Cを有効にする

この記事を参考にしてRapberry PiのI2C通信を有効にします。

Raspberry PiとpH測定器の接続

以下のように接続します。

Raspberry pi側のプルアップ抵抗を使用している為、外部でプルアップは行っていません。

Raspberry Piの準備

Raspberry Piのアップデートとアップグレード

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

ホームディレクトリに移動して、サンプルコードをダウンロードします。

cd ~
git clone https://github.com/AtlasScientific/Raspberry-Pi-sample-code.git

必要なパッケージをインストールします。

sudo apt install python3-smbus python-smbus i2c-tools

以下のコマンドで接続を確認します。

sudo i2cdetect -y 1

以下のように、63と表示されれば大丈夫です。

pi@raspberrypi:~ $ sudo i2cdetect -y 1
     0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  a  b  c  d  e  f
00:          -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
20: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
40: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
50: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
60: -- -- -- 63 -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
70: -- -- -- -- -- -- -- --   

pHの測定

プログラムを起動します。

cd ~/Raspberry-Pi-sample-code
sudo python3 i2c.py

以下のコンソールが立ち上がります

pi@raspberry:~/Raspberry-Pi-sample-code $ python3 i2c.py 
>> Atlas Scientific sample code
>> Any commands entered are passed to the board via I2C except:
>>   List_addr lists the available I2C addresses.
>>   Address,xx changes the I2C address the Raspberry Pi communicates with.
>>   Poll,xx.x command continuously polls the board every xx.x seconds
 where xx.x is longer than the 1.50 second timeout.
>> Pressing ctrl-c will stop the polling
Enter command:

アドレスをセットします。
Enter command:に続いてAddress,99を入力しEnterを押します。

Enter command: Address,99 
I2C address set to 99

pHを測定します。
Enter command:に続いてRを入力しEnterを押します。

Enter command: R
Command succeeded 3.884

校正(キャリブレーション)

pHの測定は、基準値(校正溶液のpH)に対する相対値測定です。その為、複数の校正溶液を用いて調整する必要があります。
連続測定の場合であっても、経年劣化や汚れ付着により電極の電気特性が変わり、誤差が次第に大きくなっていきます。したがって、正しいpHの測定には定期的に校正が必要です。

事前に、測定したいサンプルのpHが酸性側・アルカリ性側なのか分かっていれば、
中性と酸性・アルカリ性の校正溶液の2点校正で十分です。
しかし、測定したいサンプルのpHが予測できない場合は、3点校正を行う必要があります。

校正

*pHの測定の続きです。また中性での校正を前提に記事を書きます。適宜読み替えて下さい。

  • 酸性:Cal,low,4.00
  • 中性:Cal,mid,7.00
  • アルカリ性:Cal,high,10.00

校正溶液にガラス電極を浸け、Cal,mid,7.00と入力して校正を行います。

Enter command: Cal,mid,7.00

また、Cal,clearで校正データを初期化することが出来ます。

Cal,clear

おわりに

7万円のpH測定器を比較しましたが、そこそこの精度でpHで測定できることを確認しました。

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