2024年7月12日
価格を変更しました
トレーニング:$2,400 -> $2,500
試験:$400 -> $500
こちらの記事には資格試験の問題解説は記載しておりません。
Elastic Certified Engineerを取る意味
ベンダ資格は皆さん取得されるでしょうか?
学習目的や業務で必要だから取得される方もいらっしゃれば、取得しなくても使う分には問題ない、という方もいらっしゃるでしょう。
恐らくは多くの方が資格を取ることなくKibanaのインタフェースを利用して日々Dashboardを使い、Discoverからログの検索などを行うことに不自由しておらず、そこまで必要性は感じていないかもしれません。特に学習コストをかけることなく使えるように作られているので当然ではあります。
ではElastic Certified Engineerを取得するのは何故でしょうか?
Kibanaで操作をすると殆どの場合裏でQuery DSLというクエリをElasticsearchに対して発行しています。例えば以下のように売上を1日単位で棒グラフで表すことはよく行われる可視化かと思いますが、実際には右図のようなAggregationというクエリを発行しています(長いので一部だけ表示)
Elasticsearchには非常に多くの機能があるため、その全てをKibanaインタフェースに実装しているわけではありません。「ここをちょっといじりたいのにな・・・」と思った時に裏で行われていることを理解していれば、別の方法を思い付いたりクエリの一部を直接指定したりすることもできるようになります。
是非Elastic Certified Engineerを取得してElasticsearchの機能をより深く効率的に使ってみてください
Elastic Certified Engineerとは
概要
Elastic Certified Engineerは2022年4月現在3つあるElasticsearch社の資格の1つで、特に「Search」部分に焦点をあてた資格です。
https://www.elastic.co/training/certification
準備
お勧めはバーチャルトレーニングを受けていただくことです。
以下のサイトからスケジュールを確認してください
https://www.elastic.co/jp/training/schedule?language=Japanese
というか、普段からガリガリQuery DSLを使用しています、というのでなければこのトレーニングを受けないとかなり厳しいと思われます。
1社である程度人数が纏まる場合には、上記のスケジュール以外で1社専用のトレーニングを開催することも可能です。
どうしても時間が取れないと言う方には、全編英語になってしまいますがOn-Demand版もご用意しております。こちらはいつでも好きな時間に進めることができます。
バーチャル・On-Demand共に価格は$2,500です(2024年7月現在)
どんな試験??
実際のElasticsearchの環境が用意され、実際のデータに対してクエリを実行したりします。かなり実践的な内容ですのでドキュメントを眺めるぐらいでは合格はおぼつきません
こちらの17分過ぎから実際の試験画面が出てきます(Task2で何故かMapを作る問題がありますが、これは間違いです。この問題は範囲外です)
https://www.youtube.com/watch?v=9UpB-s_ZfNE
2問ほど表示されるのでどの程度の問題なのかなんとなく推測できます。例えばこれですね。
"cluster1上のstock-priceというIndexに対して、各月で最もvolumeの多いstockを返すがdocumentは返してはいけない"という問題です。
試験中にドキュメントを全て参照することができますので、細かい書式などを覚える必要はありません。ですが、いくらドキュメントを検索できても何を使うのか検討がつかなければ検索できません。この問題だと、Aggregationを2段で使う、というぐらいは何となく推測できないと検索のしようもありません。
大事なことは検索できるようにしておくことです。
勉強方法
上記トレーニングではHands-onラボが試験内容に即した内容になっています。解答が隠されているので、このラボの内容を解答を見ずに出来るようになることをまず目指しましょう。
わからなくてもすぐに解答を見ずにドキュメントを検索しましょう。そうすることで試験中に素早く検索できるようになります。
Elastic Cloudに無料でデプロイメントを作成してラボの内容を異なるデータセットで試してみるのも良いでしょう。Elastic Cloudの利用方法はこちらの記事を参照してください。
Elastic Cloud について 〜実際にデプロイメントを作ってみよう〜
繰り返しますが、ドキュメントの検索を素早く行えるようにしましょう。この画面を見飽きるほどに。
試験範囲
こちらに記載があります。対象は7.13です。
https://www.elastic.co/training/elastic-certified-engineer-exam
大まかには以下の通りです。
- お題を満たすQuery DSLを書く
純粋に検索だけ、Aggregation、データの整形(Ingest PipelineやMapping)などかなり多岐にわたる - 各種設定
- ILM(Information Lifecycle Management)
- Index Template
- CCR (Cross Cluster Replication)
- Snapshot
- Role/User等
試験時間と問題数
3時間で10問解く必要があります。全ての問題は同じ点数です。合格点は公表していません。
試験の進め方とコツ
試験はこのようにブラウザ上で行います。
世の中の「試験」と呼ばれるものにはすべからく当てはまりますが、以下の点に注意しましょう。
- 時間配分
3時間は長いように感じますが、1問ハマるとあっという間に時間が過ぎ去っていきます。目安として20分やって解けなければ次の問題に移りましょう。 - 問題をよく読む
英語で勘違いする可能性もありますから、何を求められているのかがはっきりするまでじっくりよく問題を読みましょう - 部分点
部分点があります。完全に解けていなくてもとりあえず何らか解答しましょう - コピペ
ブラウザ上でCentOSの画面にアクセスして操作します。コピペは多用しますので最初にキー配列を確認しておきましょう - 焦らない
落ち着いてやれば全て解ける問題です(超絶テクニックを要求されるわけではない)。平常心を保ちましょう。YouTubeの説明動画においてdata streamを設定するところでパニクっているところがあります。こうなってはいけないという良い例です。
合否判定
合格でも不合格でも3営業日以内でメールで届きます。合格するとこのような証明書がもらえます。
日本語対応
残念ながら英語のみとなっています
受験方法
こちらの動画に詳しく説明されています(8分付近から)
https://www.youtube.com/watch?v=9UpB-s_ZfNE
受験費用
1回受験するのに$500(2024年7月現在)かかります。下記サイトの右上の"Add to cart”から購入してください。
https://www.elastic.co/training/elastic-certified-engineer-exam
Training SubscriptionのStandard/Professionalをご購入されている場合は受験の権利が付与されています(Standard:2回、Professional:4回)
https://www.elastic.co/training/subscriptions
受験場所
どこかの会場で行うわけではなく、ご自分のPCで受験していただきます。周辺に人が入ってこない場所が必要です。
PCのカメラとマイクを使って遠隔で監視されます。試験の最初にカメラを360度回して周りの確認を遠隔で行いますので、カメラ付きノートPCが良いです。
またZoomでデスクトップも共有します。
会社の会議室が使用できる場合は問題ありませんが、自宅で受験する場合は机の上と周りを片付けておきましょう。
受験までの流れ
Redeem the invitation code
購入すると以下のようなメールが届きますので、Step 1のリンクをクリックします
受験日時決定
その後以下のような流れで受験日時を決めます。1日以上先の日時しか指定できません。スケジュール変更も1日前までですのでご注意ください。
個人情報登録
こちらの手順は初回の受験前に1回行っていただくだけです。2回目以降は必要ありません。
上記キャプチャの"EXAMITY"をクリックして必要な情報を登録します。受験当日にすると大変なので、事前に行っておきましょう。
EXAMITYのDashboardからMy Profileをクリックします
"Exam Requirements"にあるものを設定する必要があります。
- Time Zone
Account InformationをEditします。これをきちんと設定しないと試験の開始時間などがずれますので注意してください - examiSHOW
Photo IDの事です。 - examiKNOW
秘密の質問です。3つのうち一つを受験当日に入力します - examiKEY
受験当日に入力する必要があります
受験当日
試験開始までに以下のことを確認しましょう。
- 安定したネットワーク
- PCのカメラとマイクを使える状態にする
- 自宅で受験する場合は家族に部屋に入らないように厳重注意
- ブラウザのポップアップブロックを外す
- Zoomのバーチャル背景を外す
- 登録したPhoto IDを手元に準備
- 普段Multi Displayを使用している場合はディスプレイを一つにしておく
- 携帯電話OFF
準備ができたらEXAMITYのDashboardからStart Examをクリックします。試験開始15分前から開始できますが、試験官が割り当てられなくて待つ場合もあります。
ここから試験官と英語でやり取りをする必要が出てきます。Zoomでの画面共有、PCを360度まわして周囲を確認、注意事項の読み上げ、などです。特に問題がなければ試験が開始されます。
試験終了
時間が来たらReview Assessment -> Complete Assessmentとクリックしてください。お疲れ様でした。
まとめ
合格するのはそんなに楽ではありませんが、合格するだけの知識を身につければElastic製品をより広く深く利用できるようになることは間違いありません。
またこの資格に合格する実力があれば残りの2つ(Observability / Analyst)も簡単に合格できますので、より多くの方に是非とも挑戦いただければと思います。