はじめまして。
開発環境やらツール製作やらネットワーク(クライアント)やらを主食にして生きているタケハラと申します。
好きなネタはVRです。早く物理世界を抜け出して仮想世界の住民になりたいと願っていますが、中々お迎えが来ず辛い現世を精一杯生きています。
このブログでは、雑多にその時興味ある技術記事を書いていこうと思っております。よろしくお願いします。
さて、若干今更感がありますが、はじめての投稿では技術書典6の参加レポートを書いてみようと思います。
主に出展した側の目線で書いていますので、次回参加するか迷っている方の参考になれば幸いです。
はじめに
技術書典は参加者が一万人を超える国内最大級の技術書同人誌オンリーイベントです。
技術書典6 は 2019/4/14 に池袋サンシャインシティで開催されました。
今回私は すらりんラボ さんから「ゼロからはじめる3Dオーディオ入門」という本を頒布させて頂きました。
3D オーディオ及びオーディオ完全初心者向けの入門書籍です。
BOOTH から通販可能&サンプルを閲覧可能ですので、興味のある方は覗いてみてください。
残り数冊あった物理本も先ほど入荷したようなので、今がちゃんす!
まとめ
なんか記事が長くなってしまったのでまとめを最初に書いておきます。
- 技術書を書くのは辛いけどとても楽しいよ
- 新しい知識をインプットするきっかけにもなるよ
- アウトプットすることで知識を整理できるよ
- 売れればお小遣いも入ってくるよ!
- みんなも技術書を書こう!!
書こう!!!
技術書典参加のきっかけ
以下の三点から勢いで参加してみました。
知り合いの すらりん さんが技術書典5に参加してとても楽しそうにしていた
すらりんさんは前回の技術書典5では惨敗したそうですが、それでもとても楽しそうに執筆&参加していたのがとても印象的で、自分もやってみようかな、という気持ちになりました。技術的なインプット/アウトプットが最近不足している気がしていた
社会人になってはや十うん年、近頃若い頃の情熱が失われてきている気がしていました。
昔は MSDN に加入して色々遊んでみたり、 c++ の言語仕様を早めにキャッチアップして勉強会開いてみたり、技術的なインプットを精力的に行っていました。
しかし、最近は家に帰ると酒飲むかゲームするかしかしてません。
これはいかん、と本を書くことにより自分を追い込んでみることにしました。ZOOM H3-VR を勢いで買った
※ZOOM H3-VR は 3D オーディオ録音機材です※
購入した経緯(「ゼロからはじめる3Dオーディオ入門」より抜粋)
元々 3D オーディオに興味があったので、どうせなら知識の薄いオーディオの本を勉強しながら書いてみることにしました。
執筆環境
今回は すらりんラボ さんから参加ということで、全部すらりんさんが用意してくれました!
結果、 Docker on WSL + Re:VIEW + VS Code で快適に執筆できました。
⇒ 参考 : Re:VIEW の環境を Docker on WSL にて構築する
テンプレートまですらりんさんが作成してくれていたのであとは書くだけ。すらりんラボ最高!
(Re:VIEW の製作者の @kmuto さんにも感謝)
ただ、 Re:VIEW はそのまま(LaTeX)だと画像の取り扱いに癖があるので、凝った構成にしたい方は注意が必要です。
私も次回作は LaTeX ベースだと厳しそうなので CSS 組版に挑戦するか、別のツールを使おうと思います。
参加申し込み
全部すらりんさんがやってくれました。まさにすらりん神。
私はほぼ何もせず、大物作家になったような気分を味わうことができました。
締め切り
私は(〆切二カ月前まで)ほぼ何もせず、(原稿を落としそうになる)大物作家になったような気分を味わうことができました。
ものすごく大変だったので、半年前から何を書くか等細かく決めは始めて、四ヶ月くらい前には書き始めているくらいのスケジュール感で進める事をお勧めします。
本の内容を書き終わってからも表紙やら校正やらでかなりの時間を食われるのでご注意を。
宣伝
全部すらりんさんが(
……さすがにしつこいので所感を。
Twitter 等を見ていると SNS の使い方が上手い、積極的なサークルはやはり売上も良い印象があります。
単純に目に映る機会が多いだけでなく、全く知らない人の本を買うよりは少しでも情報発信している人の本の方が安心して購入できる点も影響しているのではないかと思います(この辺りは他の即売会と変わらない印象)。
振り返ってみて、自分の本もすらりんさんの所以外で出した場合はここまで売れなかったのは間違いありません。
そのあたり反省して、まずはこの blog で日々アウトプットに励んでいこうと思います。
当日
サークルの反省点はすらりんさんが書いているので、軽い所感程度で。
私は今回初めて売り子として参加したのですが、見本誌の立ち読み率が非常に高いのにとても驚きました。
割と長時間の立ち読みをしていってくださる買わない方もいて、他の同人誌即売会との差を感じました。
所謂表紙買いができないので、中をちゃんとチェックした上で買う、という方が多いのかな、と思います。
また、コミケや他の即売会だと後半戦入るとまったりした空気になりがちですが、技術書典6では一日中ほぼ途切れることなく会場中が埋まっていたのもとても印象的でした。
そんな訳で、立ち読みする暇がないような大手さんを除くと、
- まず表紙やポップで興味を持って貰う
- 次に立ち読みして貰う
- 最後に内容に満足して購入して貰う
という一連の流れにいかに繋げるかが売り切れを伸ばす一つのポイントかもしれません。
さらに、自分は本の表紙にもしている ZOOM H3-VR という録音機材を本の横に展示していたのですが「なんやこれ」という感じで立ち読みにつながる流れが割とあったので、デバイス系の本を書く場合は実物も見本として置いておくのは効果的だと思います。
売上
最終結果は以下の通りです。
- 物理 : 46
- 電子 : 14
- BOOTH : 9 (2019/4/21 時点)
技術書典は Web 系、特にフロントエンドの本がよく売れている印象です。
今回はオーディオという技術書典的にはニッチな題材で挑むのでかなりの不安がありましたが、完売してホッとしました。
(私が把握している限りだと、技術書典6に出展されていたオーディオ系の本は私の以外で二つのみです……)
買っていただいた方には感謝感謝です。
また、こういったニッチなジャンルの本でも 50 冊以上出るという事が分かったのは、次回以降の目安として大きな収穫でした。
50 冊出れば余程刷る数を間違えない限りは赤字にはなりません。
売れるかどうか微妙なジャンルの技術が持ちネタで出展するか迷っている方も、まずは 50 冊目指して参加してみてはどうでしょうか?
最後に
同人誌レベルですが、「技術書を書く」というのは初めての経験でとても大変でした。
しかし、新しい知識をインプットするきっかけにもなり、アウトプットすることで身に着けた知識の整理にも繋がりました。
ある程度売れたのでお小遣い程度もゲットできましたし、何より、とても楽しかった!
きっかけをくれた すらりん さんには本当に感謝しています。
それでは、この記事を読んで技術書を書くことに少しでも興味を持った人がいたら幸いです。
おまけ
技術書典7にも私は参加するつもりです。
次は方向性をガラリと変えて http/3 本の予定です。
オーディオ本からの流れで 360 度動画入門も良さそうなのですが、あまり書くことがなさそうなのですよね……。
いっそのことこの blog でやろうそうしよう。