このエントリーもいずれ古くなります。可能な限り公式ドキュメント1を直接参照してください。
**「Raspberry Pi アップデート」と検索して上位に表示されるサイトの多くが間違ったことを書いています。**くれぐれもその通りに実行しないでください。これについては後述します。
アップデート手順
1. システムのパッケージリストを更新
$ sudo apt update
2. インストール済みパッケージ全てを最新版にアップグレード
$ sudo apt full-upgrade
以上で更新は終わりです。カーネルおよびファームウェアは Debian のパッケージとしてインストールされているため、上述の手順に伴い更新されます。
(オプション) パッケージのキャッシュを削除
$ sudo apt clean
インストール時にダウンロードされる .deb ファイルのキャッシュが数100 MB に及んでいることがあります。ストレージ容量が不足している場合には削除しておくと安心です。
技術系の情報を日本語で検索するリスク
Raspberry Pi をアップデートする方法は検索すればいくらでも出てきます。しかし、その多くが公式ドキュメントで推奨されていない危険な方法を紹介しています。
2020年7月時点での「raspberry pi アップデート」によるGoogle検索結果です。ここに表示されている上位3件のページ全てで間違った方法を紹介していました。
間違っている点は複数ありますが、とりわけ危険なのはこれら全てで
sudo rpi-update
を手順に含んでいることです。
公式ドキュメント2には以下のように記述されています。
rpi-update
is a command line application that will update your Raspberry Pi OS kernel and VideoCore firmware to the latest pre-release versions.
WARNING: Pre-release versions of software are not guaranteed to work. You should not use
rpi-update
on any system unless recommended to do so by a Raspberry Pi engineer. It may leave your system unreliable or even completely broken. It should not be used as part of any regular update process.
rpi-update
はカーネルとファームウェアを最新のプレリリース版にアップデートするコマンドです。プレリリース版は動作保証されておらず、 Raspberry Pi のエンジニアにより推奨された場合をのぞいて実行すべきでないと警告されています。
技術系の分野において、一次情報はほとんどの場合英語です。日本語による検索結果はしばしば情報が古かったり、伝言ゲームで間違った情報が記載されていることがあります。
可能な限り、英語の公式ドキュメントを最初に当たりましょう。また、それでも日本語で検索してしまった人のために、このエントリーが上位に表示されるよう、LGTMなどで支援していただけると非常に助かります。