前書き
『「運」という不確実なものについて、世の先人たちが語る「運」には、ある種の共通項があるのではないか?』
毎日続けている読書感想文「1日1話」の記事の読書の中で、何度か「運」について語る先人たちの記事を読んできた私は、「運」について語る記事について「運シリーズ」というタグを振る感想文をQiitaの中でも書くことを始めた。
先人たちが語る「共通項」について考察し、エンジニアとして、人間として生きるためのヒントを掴もうというためである。
今日読んだ記事、致知出版社『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』の【12月19日】目。
大和證券グループ本社のトップが語る「運」である。
本題【12月19日】 実力より評判だよ 鈴木茂晴 大和証券グループ本社社長
鈴木茂晴。実業家。大学卒業後、大和證券に入社しトップに上り詰めた。日本証券業協会長、東京都顧問も務めた。
1947年生まれ。御年、今年で75歳。
鈴木が語るのは「運」。おや、「運」シリーズだ。この記事は2010年の雑誌「致知」の対談記事。
Wikiによると、前年の2009年、「2億2700万の役員報酬を受ける」とある。
日本の証券業界のリーディングカンパニーのトップが語る「運」とは?
私は決して一番ではなかったんです。
私より優れたセールスマン、頭のいい社員は山ほどいましたが、そういう人たちが必ずしも上に立ったわけではない。
若い人たちのために何か参考になるとしたら、自分の上に立つ人のすることをよく見たほうがいいと思います。
例えば営業員の場合、年次や役職によって目標が課せられます。その時、自分の目標だけを追いかけてもまず達成できません。
上司の目標以上はやろうと思わないと、自分の目標は果たせないんです。
それから目標数字を果たすために、あらゆるお客様の所を苦しんで駆けずり回るでしょう。
そうやって必死に頑張って達成すると、次の月はとても楽なんですね。多くの人に会って、見込みもいっぱいできているわけですから。
ところが、お客様を回ってもいないのに、たまたま大きな契約が取れて、その月の目標は達成したとする。
そうすると、次の月にとても苦しむことになります。
ですから、運というのは闇雲に下りてくるものではありませんね。
見る目を持って一所懸命努力している人のところにしか訪れてこないということです。
何もしていない人のところにはやってこない。
これははっきりしています。運は実力そのものなんです。
ほう。「運も実力のうち」とはよく言うけど、『運は実力そのもの』と言い切るか。
自分は人一倍努力してきたんだぞ、っていう自負心が見え隠れするが、まあ、実際そうなのであろう。
もう一つは、運は人が持ってきてくれるんですね。
だから、人との関係はとても大切にしておかねばならないと思います。
私はよく「実力より評判だよ」と言うのですが、いくら実力があっても評判が立たなくては運はつきません。
反対に実力はそれほどでなくても、評判が立ったら自分がそれに追いつかざるを得ない。
そうして皆の期待に応えようと努力していく中で運をつかんでいくわけです。
一方でこういう見方もできるのではないですか。
ついている人の周りにはついている人しか集まってこない、と。
幸いなことに、私の周りには運の悪い人がいないんですね。
だいたい世の中で社長と呼ばれている人に「あなたは運がいいですか」と聞いてみると、ほとんどが「運がいい」と答えると思います。
日本の証券業界のトップが語る「運」。
それは 『見る目を持って一所懸命努力している人のところにしか訪れてこない』 ということ。
このことは、この本に登場する他の先人たちの語る「運」と共通しているな、と思った。
違和感を覚えたところは、先にも触れた『運は実力そのもの』という発言と、世の中の社長と呼ばれている人たちのほとんどが「運がいい」と答えると思うだろうと発言しているということ。
鈴木さんが考える「運がいい」とは、どういう状態をいうのだろうか?
「人より金持ち」なことが「運がいい」というように感じた。
引用はしないが、鈴木さんは日経新聞のコラム『私の履歴書』で連載をしていた。
その中で自分の体験した昔話として、当時の証券業界の今なら完全アウトな話を語っている。
私の履歴書の記事を読んで思った。
鈴木さんはそのような証券業界の修羅場を潜ってきて、トップまで昇りつめたた兵(つわもの)なんだなーと。
(参考)
後書き
以上、「運シリーズ」第8弾、日本の証券業界のトップが語る「運」とはっ! でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よろしければ、過去の「運シリーズ」も読んでいただければ幸いです。