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「自分のリズム」を作る。

Last updated at Posted at 2021-11-03

前書き

リモートワークを続けて2年近く経ったが、「自分のリズムを作る」効能というか有効性をひしひしと感じている。
いままで、出勤していたときは周りの影響もありリズムは何となく出来ていた。だがしかし、家で一人でリモートワークとなると、これまでと勝手が違った。
そんな中で、自分の集中力を高め、パフォーマンスを出すための取り組みを、あれやこれや試行錯誤してきた。
そうして、今、自分なりの「自分のリズム」が作れている。

「輝さん、仕事をするときは一所懸命やるんだよ。必死でやるんだよ。だけど疲れたら休むんだよ。そしてまた一所懸命仕事をする。そういう自分のリズムを作りなさい。」

今日読んだ致知出版社『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』の一節で、作家・宮本輝さんにアドバイスした方のコトバに共感した話である。
日々、物事に集中できないとか、仕事のパフォーマンスを上げたいとか悩んでいる人がいたら参考になるかもしれないと思って書いてみる。

本題 【7月11日】 足下を掘れ、そこに泉あり 宮本 輝 作家

宮本輝。作家。小説家。デビュー作「泥の河」で太宰治賞。翌年「螢川」で芥川賞を獲得し小説家としての名声を得た。
後に発表する「道頓堀川」と併せて、「川三部作」と言うらしい。映画化もされているらしい。
私はこれまで縁が無くどれも読んだことはない。
宮本輝と言えば、「上質を知る人の ネスカフェ ゴールドブレンド」のCMだ。私にとっては。
1947年生まれ。御年74歳。

この記事は2012年。宮本が63歳の時のインタビュー記事。

『とにかく八十五歳まで小説を書きたいんですね。だからあと二十年。年を取ってだんだんスタミナもなくなっていくだろうけれど、
 もし八十五歳まで健康で小説を書き続けられたら、僕は百篇の長編小説を残すことになる。
 これも昔、三十五歳の時にある人に言われた事なんです。「輝さん、あと五十年小説書けよ」って。「はい」と返事はしたものの、
 五十年っていったら八十五歳でしょう。でも、その人は「輝さんならできるよ」って。
 「輝さん、仕事をするときは一所懸命やるんだよ。必死でやるんだよ。だけど疲れたら休むんだよ。そしてまた一所懸命仕事をする。
  そういう自分のリズムを作りなさい。そうして年に二本ずつ五十年書いていけば、宮本輝は生涯で百篇の長編小説を書ける。
  純文学で百篇の長編小説を書いた作家は世界にいないよ」
 この言葉を聞いて、「よし、やろう」と思った。質はともかく、量で世界一になろうと。
 そのためにはまず八十五歳まで生きないかん。でも、できると思う。頑張って生きて百篇の長編小説を書いて死にたいです。
 「みなさん、ありがとう、ありがとう」と言いながら。
 やっぱり自分の仕事を最後まで手を抜かずにやることですね。みんな与えられた仕事があります。主婦には主婦の仕事があるんです。
 家事をするのも、夫を支えるのもそうでしょう。自分に与えられた仕事、自分に与えられた役割を、手を抜かずやり尽くすことが人生では大切だと思います。
 「足下(そっか)を掘れ、そこに泉あり」という言葉がありますが、皆、自分の足元を掘って行ったら、必ず泉が湧いてくることを忘れているんです。
 あっちに行ったら水が出ないか、向こうに行ったら井戸がないかと思っているけれど、実は自分の足元なんです。
 与えられた仕事をコツコツと地道にやり続けた先に、自分にしか到達できない泉がある。
 その豊かな泉を掘り当てるまでのプロセスが「一念、道を拓(ひら)く」ということじゃないかと思います。』

全文を書いてしまった。さすが小説家、文章に隙が無い。
そういえば私の大好きな荒木飛呂彦先生も仕事のリズムはきちんとしていると伺った。規則正しく事務所に出退勤して、週休二日で、きちんと休むという。
「こち亀」の秋元治先生に教わって続けていると聞いた気がする。

漫画家も、小説家も、どちらも個人のクリエイティブな発想をアウトプットしていく職業である。それはゼロイチの世界、常に産みの苦しみを抱える職業だろう。
第一、彼らはサラリーマンじゃあない。個人事業主だ。極端な話、勤務時間とか、三六協定とか、定年とか関係ない世界で生きている。
そして、何十年も第一線で活躍している。

宮本の記事を読んで、尊敬する荒木先生や秋元先生の働き方のエピソードを思い出し、自分のリモートワークと重ね合わせてみて、
コツコツと地道にやり続けることの「強さ」と、そのために「自分のリズム」を作ることの大切さを思い知ったのだった。

さすが、「上質を知る人」だな。「そう・・・・・ひと味・・・違うのね・・・・・・・・・」だ。

(参考)
宮本 輝 -Wiki

ネスカフェ ゴールドブレンドCM

宮本輝公式サイト

後書き

最後に、私がリモートワークを続けるなかで、「自分のリズム」を作るために心がけていることを3つ記します。
人それぞれ、自分にあったやり方があると思いますが参考まで。

1.時間を意識する。

時間。先ずこれを意識することが大事です。規則正しい生活、就業を心がけましょう。休憩や食事も出来るだけ同じ時間に取りましょう。一つの仕事に集中して取り組み、疲れたら休む。疲れてなくても休む。リラックスする時間も計画に入れましょう。ポモドーロ・テクニックなども活用するといいですね。私はいくつかタイマー用のYouTube動画をストックしています。

2. ルーチンワークを取り入れ、続ける。

朝出勤したらメールをチェックとか、スケジュールをチェックとか、皆、何かしら定期的な作業があると思います。
でもそれ、なんとなくやっていませんか? 忙しい日はやらないこともあったり、後回しにして忘れていたりしていませんか?

ルーチンワークの効能はネットで探せばいろいろと載っていますが、大事なことは「続ける」ということだと考えています。
「続ける」ためには、最初は「簡単かつ必要なこと」から始めてみると良いと思います。
マンネリ化したら、マンネリ化しないための工夫も考えて実践してみたら良いと思います。
苦も無く、「呼吸をするように」そのルーチンワークが出来るようになると、もうそれはあなたの「スキル」となっていることでしょう。
そして、「自分のリズム」の一部となっているはずです。
私は、2年間で、結構な数のルーチンワークを自分に課してしまって来た感があるのですが、振り返ればそれらは間違いなく自分の血肉となっている実感があります。

3.とにかくアウトプットする。

最後。とにかくアウトプットすることです。リモートワークとなり、「新しいはたらき方」が浸透する中で、自分の考え・活動・成果について、出来るだけ「アウトプット」しましょう。
それは、出来れば周りの人に見せられるようにするのが望ましいですが、自分ひとりだけ見ることができるアウトプットでもいいと思います。
そうやって、日々積み重ねる自分のアウトプットは、当然に自分の財産として残ります。
インターネットが浸透し、世界中の人と繋がりが持てるようになった時代、そして、リモートワークが浸透し、これまた世界中の人と、会社の人と、お客様と、対面じゃあなくても、非同期でもネットの世界だけでも仕事が出来るようになった時代、その自分が出してきたアウトプットの財産は、今まで以上に自分の役に立っていくことでしょう。
そして、きっと自分の周りの人へも役に立つものがたくさんあることでしょう。

以上、皆様のお役に立てば幸いです。

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