0.この記事の内容
製造業で特に生産技術の方が、個人単位でどのようにAI/機械学習に取り組むべきかを考えてみました。勉強中のため公開するほどのソースもありませんが、御意見御指摘等頂けたら幸いです。
1.読んでほしい人
・プログラム経験有無にかかわらず製造業に携わる方
・自身の会社がAIに取り組んでおらずオワコンを感じている方
・製造業×AIの達人の方(ご指導頂くため笑)
2.製造業におけるAI導入のジレンマ
企業によってAI開発に力を掛けている企業とかけてない企業に分かれますが、かけてない企業にとっては下記が悩みと思います。
○コスト対効果で即効性が出にくい
・分析手法が確立されきった分野であり、対応方法は人でまかなえている
各項目の相関確認、lot毎のBoxプロットなどマクロ×人で時間をかけて分析している。
・QCDが追及され目先の業務に追われるため、担当がAI導入を検討する時間がない
・SW企業に依頼するにしてもコストが大きく、会社の上の方が理解できず、期間での費用対効果を厳しく求められる
○成功例の共有文化がない
・会社のノウハウに該当するため、情報具体例の共有がしにくい。
だいたいブラックボックス&売り物になる。
⇒会社として力を入れてない企業にとっては参入障壁が高い分野と思います。業務とは別に個人開発をしはじめる事により、他のIT関係の方と共有や意見交流が出来ると考えました。
3.製造業で機械学習を取り入れるには?
三菱UFJ銀行傘下の三菱UFJリサーチ&コンサルティング発表の「ものづくり分野における人工知能技術の活用に関する調査報告書」によると、製造業におけるAI活用は下記のような分野が考えます。
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000119.pdf
このうち、個人単位で一番考えやすい「歩留り」について、ゼロからいかにAIを取り入れるかを考えてみようと思います。
###Q.なぜ歩留り改善なのか?
⇒A.一番データ環境が揃っており入手しやすく導入しやすいから。また自分の業務に一番近い項目だから。
3.ものづくり歩留りにおけるAI活用方法
歩留りとは、製造工程でinputした数に対するoutput(良品数)です。
プロセス工程で製造したものを検査工程で検査し良品のみを出荷します。歩留まりが悪いほど損失を生むため、生産技術の人は歩留まり向上に力を費やします。
今回は検査結果の分析とプロセスへのフィードバックを機械学習を使用する事により、分析時間の短縮を試みるものです。
4.検討内容
###ログ整理⇒不良itemをランダムフォレストで推測⇒重要度の高いパラメータ抽出までを行うアルゴリズムをpythonで作成し使ってみる。
4-1.各工程のlogを入手し取り込む
S/N等で各プロセスと紐づいているデータを出来るだけ一つのテーブルにまとめる。
4-2.空白のデータを除去する。(dropna使用)
4-3.文字列を数値化し分析しやすくする。(OneHotEncoder使用)
4-4.不良が発生しているItemをy、その他のItemをXとし、Xを正規化する。
4-5.機械学習させる。(ランダムフォレスト使用)
4-6.答えと推測値が近いか確認する。
近い⇒重要度の高いパラメータあり。
異なる⇒logに重要度の高いパラメータが無い可能性有
4-7.重要度の高いパラメータを確認する。
パラメータからプロセスのどこが悪いかを推測しフィードバックをかける。
5.個人運用後のメリット
###改善効果見込み:分析にかかる時間▼1‐2日
従来は層別に可視化し人が判断していたため、分析時間に数時間-数日取られていたが準備さえできていれば一瞬で答えがでるため、答えに向かった資料作製のみを準備すればいい事が分かりました。どのくらい役に立ったかの評価はこれからです。課題としては、結び付けられるデータに限りがあることですが、これは地道に活動を進めてデータ紐づけの重要性を多方面に認識してもらうしかないと思います。
個人としてデータ詳細を見る前に、「とりあえず機械学習で分析してあたりをつけてみる」をしばらく習慣化したいと思います。