今回は、アンケートデータから回答の特徴を調べることができる因子分析について簡単に紹介します。
因子分析は質問への回答の傾向をもとに回答者の「嗜好」や回答の裏にある「動機」をつかみたい時に利用できる統計のアルゴリズムです。
例えば、マーケティング担当者としてどういう嗜好でビールを購入するのかを知りたいとしましょう。
そこで、「ビールを選ぶ時に重要とするものは何ですか?」といったアンケートを実施し、以下の結果を得られたとします。
このデータは1行が1人の回答者を表しており、各列は重要度のスコアを表しています。数値が大きくなるほど、その項目の重要度が高くなります。
回答者の中には、「色」、「アロマ」、「味わい」を重視する人がいたとします。
もしくは、「値段」、「サイズ」、「アルコール」を重視する人もいます。
さらに「評判」を重視する人もいるようです。
このように、各々のグループは、重要と考える項目が異なるわけです。
見方を変えると「ビールを選ぶ時に重要とするもの」に対して、以下を重要に考える嗜好(因子)があるとも言えます。
因子分析では、アンケートの回答の傾向をもとに、背後にあるであろう要因を「因子」として抽出し、各因子と各変数(質問)の相関の強さを「因子負荷量」として、計算します。
因子負荷量は−1から1の間の値をとり、−1または1に近づくほど、各因子がそれぞれの変数に与える影響が強いと言えます。
上記の因子分析での結果をもとに、アンケートの回答者がビールを選ぶ時に重要視する潜在的な要因(因子)は、下記であると考えることができます。
- 因子1: コストを重視していて、安く酔っぱらえるビールがいい
- 因子2: クオリティを重視していて、とにかく美味しいビールがいい
- 因子3: ブランドを重視していて、口コミが高いビールがいい
このように、アンケートの回答の特徴を調べられる因子分析ですが、Exploratoryでは、アナリティクスビューから「因子分析」を簡単に実行することができます。
様々なチャートを使って各因子の特徴や因子間の関係を直感的に理解していくことができます。
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