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GoogleフォームからApps Scriptを呼び出す方法は2つある

Last updated at Posted at 2022-12-18

Googleフォームって便利ですよね。「何をどう回答すればよいか」が一目で分かるので、回答する人が迷わず入力できます。

ただ、フォームに回答があったことの通知はとてもお粗末です。フォームの設定からメールで通知できるのですが、メール本文には「回答がありました」という一言と回答結果へのリンクが掲載されているだけ。どんな回答があったのかを知るためには、リンクをわざわざクリックしなければなりません。

そこでよくやるのが、Apps Scriptを使った通知のカスタマイズです。フォーム送信イベントをトリガーにしてApps Scriptを起動し、通知内容をいい感じに整えたり、通知先をSlackやGoogle Chatに変更します。

このフォーム送信イベントですが、回答を保存する場所に応じて、Googleフォームのイベントと、Googleスプレッドシートのイベントの2種類があります。この記事では、それぞれのイベントについて解説します。また、Apps Scriptのテストを楽にする方法も追記します。

回答を保存する場所に応じて2種類あるフォーム送信イベント

Googleフォームへの回答は、もちろん、Googleフォームに保存されます。さらに、Googleスプレッドシートを紐づけて、そちらにも保存することもできます。スプレッドシートへの紐づけは、フォームの回答タブの右上にあるスプレッドシートアイコンをクリックすると実行できます。

Screenshot 2022-12-18 08.00.21.png

回答を保存する場所に応じて、フォーム送信イベントがそれぞれ準備されています。イベントを処理するApps Scriptも、それぞれフォームもしくはスプレッドシートのスクリプトエディターで記述します。

回答をGoogleフォームに保存 回答をGoogleスプレッドシートに保存
フォーム送信イベント https://developers.google.com/apps-script/guides/triggers/events#form-submit_1 https://developers.google.com/apps-script/guides/triggers/events#form-submit
イベントオブジェクトの属性 authMode, response, source, triggerUid authMode, namedValues, range, triggerUid, values
回答へのアクセス方法 FormResponseクラスのresponse属性。このコードでJSON形式に変換できる JSON形式のnamedValues、もしくは、配列のvalues
処理するApps Scriptが記述するスクリプトディター Googleフォームから起動 Googleスプレッドシートから起動
メリット 回答を編集するURLなど、Googleフォームで管理する情報を参照できる 回答データを簡単に参照できる
デメリット 回答データを参照するのにひと手間かかる Googleフォームで管理する情報を参照できない

Googleフォームのフォーム送信イベント

回答のデータにアクセスするためにひと手間かける必要がありますが、回答を編集するためのURLなど、Googleフォームで管理しているすべての情報にアクセスすることができます。

利用するためには、Googleフォームからスクリプトエディターを起動します。

Screenshot 2022-12-18 08.10.42.png

フォーム送信イベントを受け取るために、スクリプトエディターでトリガーを設定します。「イベントのソースを選択」は「フォームから」にします。

image.png

フォーム送信イベントから回答データを参照するには、FormResponseクラスresponse属性にアクセスします。ただ、フォームの種別ごとにクラスが分かれていて、公式ドキュメントをいちいち調べる必要があります。そこで、FormResponseクラスをJSON形式に変換するコードを作りました。クラスが分かれているよりはずっと使いやすいと思います。よろしければご活用ください。

フォームの種別ごとに、以下のようなJSON形式の回答データに変換されます:

{
  "記述式は?": "記述式です。",
  "段落は?": "段落です。",
  "ラジオボタンは?": "ラジオボタン1",
  "チェックボックスは?": [
    "チェックボックス1"
  ],
  "プルダウンは?": "プルダウン1",
  "均等目盛は?": "1",
  "選択式(グリッド)は?": {
    "行1": "列1",
    "行2": null
  },
  "チェックボックス(グリッド)は?": {
    "行1": [
      "列1"
    ],
    "行2": null
  },
  "日付は?": "2022-02-03",
  "時刻は?": "22:00"
}

Googleスプレッドシートのフォーム送信イベント

Googleスプレッドシートに記録される回答には簡単にアクセスできますが、回答を編集するためのURLなど、Googleフォーム側で管理している情報にアクセスすることが難しい、という特徴があります。

利用するためには、Googleフォームに紐づいたGoogleスプレッドシートからスクリプトエディターを起動します。

Screenshot 2022-12-18 08.14.11.png

フォーム送信イベントを受け取るために、スクリプトエディターでトリガーを設定します。「イベントのソースを選択」は「スプレッドシートから」にします。

Screenshot 2022-12-18 08.15.40.png

フォーム送信イベントから回答データを参照するには、namedValues属性もしくはvalues属性にアクセスします。公式ドキュメントに記載された例は次の通りです:

namedValuesはフォーム送信の質問の名前と値を含むオブジェクトです。値は配列になっています。

namedValues
{
  "First Name": ["Jane"],
  "Timestamp": ["6/7/2015 20:54:13"],
  "Last Name": ["Doe"]
}

valuesはスプレッドシートに表示されるのと同じ順序で値の配列です。

values
["2015/05/04 15:00", "amin@example.com", "Bob", "27", "Bill", "28", "Susan", "25"]

JSON形式のフォーム送信イベントならテストが楽になる

Apps Scriptが正しく動作するかテストする時に、手入力でいちいちフォームに回答するのは大変です。そこで、フォーム送信イベントを予め準備しておき、そのイベントを使ったコードをテストすると便利です。

上記したやり方だとフォーム送信イベントをJSON形式で記述できるので、テストを書くのも楽になります。

以下は、フォームへの回答をSlackやGoogle Chatに送信する例です。

Googleフォームのフォーム送信イベントのテスト

onFormSubmit()でフォーム送信イベントを受信して、handleResponse_()で通知します。onFormSubmit()こちらのコードを使い、フォーム送信イベントをJSON形式に変換しているのがポイントです。

testNotify()はフォーム送信イベントをJSON形式で受信したものとして記述しています。testNotify()を実行するだけでSlackやGoogle Chatへの通知をテストできます。

// SlackやGoogle Chatへ通知
const WEB_HOOK_URL = 'https://chat.googleapis.com/v1/spaces/xxx/messages?key=xxx&token=xxx';
function notify(text) {
  const response = UrlFetchApp.fetch(WEB_HOOK_URL, {
    method: 'post',
    headers: {
      contentType: "application/json; charset=UTF-8"
    },
    payload: JSON.stringify({ text })
  });
  console.log(response);
}

// Googleフォームの送信イベントをJSON形式に変換
// https://qiita.com/takatama/items/d5ae76811ff96f34114b
// トリガーにこの関数を設定する
function onFormSubmit(e) {
  ...
  handleResponse_(items);
}

// フォーム送信イベントを処理(Google Chatに通知)
function handleResponse_(items) {
  const text = JSON.stringify(items, null, 2);
  notify(text);
}

// SlackやGoogle Chatへ通知するテスト
function testNotify() {
  const items = {
    "email": "hogehogefugafuga@example.com",
    "氏名": "ほげほげ ふがふが",
    "種別": "業務開始",
    "時刻": "9:00"
  };
  handleResponse_(items);
}

Googleスプレッドシートのフォーム送信イベントのテスト

前記したコードに対してonFormSubmit(e)だけが異なります。フォーム送信イベントのnamedValuesを参照し、値を配列から文字列に変換しています。他の関数は同じなので省略します。

// トリガーにこの関数を登録する
function onFormSubmit(e) {
  const v = e.namedValues;
  const items = {}
  Object.keys(v).forEach(key => items[key] = v[key].join(','));
  handleResponse_(items);
}

こちらもtestNotify()を実行するだけでSlackやGoogle Chatへの通知をテストできて便利です。

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