本の情報
タイトル
プロの思考整理術
著者
和仁 達也
概要
著者がコンサルタント経験の中で考えた、相手の思考を整える「プロの思考整理術」についての本。
「プロの思考整理術」では、「タイトルを決める」「現状を知る」「理想を描く」「条件を探す」の4ステップを行うことで、相手の思考をスッキリさせることができる。
加えて、思考整理を促進するツールとして「着眼点」「事例ストーリー」「図解」が紹介されている。
印象に残った点
仮置きして進める
思考整理を行う際は、各ステップで仮置きしながら進めていくことがポイントとなる。
-
タイトルを決める
→何について話しているのか を始めに決めておく必要があるが、とっさに考えるのは難しいこともある。
そういった場合は、仮置きという前提で一度タイトルを決めて次のステップに進む。
最初は悩みが何なのか分かっておらずタイトルが変わることも多いので、最初のタイトルは仮置きという意識を持っておくと思考整理が進めやすい。 -
現状を知る
→タイトルを踏まえて、疑問や気になった点を掘り下げていく。
その際に、思考の流れを止める原因になっていそうな箇所(「したいけどできない」のような言葉)がでてきたら、そこが原因と仮置きして深堀りしていくと気づきが得られる可能性がある。 -
理想を描く
→一度理想をイメージすることで、思考が上向きになってできる方法を考えられるようになる。
そのために、「自分にはできない」「こういう条件があって難しい」という枠を外して「今言ったことは何でもかなう状態」を仮置きして考えると理想を描きやすい。
また、理想が出てこない場合は「仮に、こうなっていたら良いのでは?」という形で相手に示してみるのも有効。 -
条件を探す
→理想を描けたら、どのように実行に移すかを決めることで行動できるようになる。
「能力」「行動」「環境」の3つの視点から、理想と現状のギャップを埋める方法を仮で考えて実践する。
アドバイスをしない
問題解決をする際に解決方法のアドバイスをすることは、あまり得策ではない。
仮に相手がその通りに実行したとしても、結果はアドバイスした側の責任になってしまい、当人の解決力の向上にはならない。
また、相手が実行しなかった場合は、アドバイスしたのに実行しなかったという結果から、気まずさを生んでしまう。
→人は、基本的にはアドバイスされるのが好きではない。
悩みの答えは相手の中にあるが、それは本人には見えない盲点に隠れているため、相手が自分で解決策を出さない限り、相手がすっきりすることはない。
所感
仮置きして進める
一度決めたことを無条件に信じてしまう傾向があり、必要になった際に方針転換ができないことは自身の問題の一つであると感じていました。
その点において、仮置きをして進めるという考え方は対策の一つになる印象を受けました。
アドバイスをしない
仕事とは関連しない部分もありますが、余計なことを言いがちな自覚があるため、言ってしまう側 / 言われた側双方の掘り下げがあったことにより、納得感をもって理解ができました。
アドバイス自体が不要 ということではないため、相手にとって本当に必要なのか / アドバイスをすることでどんな利益があるのか を念頭に置くようにします。
まとめ
著者が、コンサルタントとして相手の問題解決を行う際に行っている思考整理の方法についてまとめられた本でした。
対象が相手という点で求めている内容とは異なる部分もありましたが、本文でも述べられていた通り、この思考整理法自体は自分にも適用できる部分がある内容でした。
今の自分に適用できるところを探しつつ、立場が変わった際にまた読み直したいと思います。