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お題は不問!Qiita Engineer Festa 2023で記事投稿!

PHPの正規表現のuフラグっていつ使うの?

Last updated at Posted at 2023-07-21

PHPのpreg_*系関数で使う正規表現は、区切り文字の後ろにいろいろなフラグを付けることができます。
その中で私が用途をすぐ理解できなかったuフラグについて書きます。

tl;dr

  • uフラグなしだと、マルチバイト文字のマッチが思った通りにできない可能性がある
  • uフラグによって\d\wの挙動が変わる

注:以降の記述では、扱う文字列はすべてUTF-8であることを前提とします。

preg正規表現のuフラグ

なにはともあれ公式マニュアルを確認します。

u (PCRE_UTF8)
この修正子は、Perl 非互換な PCRE の機能を有効にします。パターンと対象文字列は、 UTF-8 として処理されます。 無効な対象文字列を preg_* 関数に渡しても、何もマッチしません。 無効なパターンを渡すと、E_WARNING レベルのエラーが発生します。 5オクテットおよび6オクテットの UTF-8 シーケンスは無効とみなされます。

👨「つまりマルチバイト文字を含む正規表現にはuをつけなきゃいけないんだな」
👨「uフラグ完全に理解した」

uフラグがなくても動く??

では実際に動かしてみます。

<?php

function test(string $regexp, string $subject)
{
    preg_match($regexp, $subject, $match);
    var_dump($match[0]);
}

test('/^あ/', 'あいう'); // uなし、マッチしない?
test('/^あ/u', 'あいう'); // uあり、マッチするはず

実行結果

string(3) "あ"
string(3) "あ"

👨「???」
👨「uフラグなんもわからん」

正しく動かないパターン

uフラグはあってもなくても一緒?と思うのはまだ早いです。

test('/^[あい]/', 'あいう');
test('/^[あい]/u', 'あいう');

実行結果

string(1) ""
string(3) "あ"

解説

PHPの文字列というのは、実際には文字列というよりバイト列です。
なので、バイナリファイルもfile_get_contentsでそのまま文字列(バイト列)として読み込むことができます。

"あ"という文字列は、PHPインタプリタでは"\xE3\x81\x82"というバイト列として認識します。
/^[あい]/という正規表現は実際には/^[\xE3\x81\x82\xE3\x81\x84]/、つまり先頭にある\xE3,\x81,\x82,\x84いずれかのバイトにマッチします。
実行結果のstring(1) ""の正体は、文字列"あいう"の先頭1バイトなのです。

ということで、こんなコードは意図しない動きになります。

$input = 'い';
if (preg_match('/^[あ]/', $input)) {
  echo "マッチしました!";
} else {
  echo "マッチ失敗……";
}

実行結果

マッチしました!

文字クラスだけでなく、繰り返しの+,*なども同じ理由で問題になります。
つまり/あ+/が「あ」の繰り返しではなく、末尾のバイトの繰り返しになってしまいます。
また、.uなしだと1バイトにマッチしてしまいます。

uフラグの注意点(2023/07/23 追記)

@tadsan指摘いただいた内容を追記します)

じゃあ常にuフラグをつければいいか、というとそうとも限りません。

\dが全角数字にもマッチするようになってしまいます。
https://3v4l.org/vBbh0#v8.2.7

同様に、\wも全角数字・全角アルファベットにマッチするようになります。

これを避けるためには、[0-9]のような指定を行う必要があります。

まとめ

  • uフラグがないと、文字単位ではなくバイト単位で処理される
  • ただし、場合によってはuがあってもなくても同じ挙動をするように見えることもある
  • \dなど一部の正規表現の挙動が変わってしまう
  • マルチバイト文字を扱うなら常にuを付ける、と思っておけば良さそう
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