はじめに
SAP Analytics Cloud(以下SAC)には通貨換算テーブルというものが存在します。項目に元通貨と目標通貨、換算レート情報があるので、通貨換算ができるのだろうなぁとは思っていたのですが、具体的な設定方法は不明だったので実際に設定してみました。以下はその結果をまとめたものです。
設定手順
1.通貨換算テーブルの追加
2.モデル側の設定
通貨換算テーブルの追加
通貨換算テーブルとは換算する通貨のペアや換算レート、レートの摘要条件を管理するテーブルです。
※モデルとは独立して定義されます。その為、一つのレートテーブルを複数のモデルで参照可能です。
<設定方法>
①モデラ ⇒ 通貨換算 ⇒ 通貨換算テーブル を選択します。
②任意の名前・説明を入力します。
③各項目を入力して「保存」ボタンをクリックして完了です。
(補足)Excelファイルをアップロードして更新も可能です。
※事前に換算テーブルを作成しておきます。
※逆換算が可能であるため、USD⇒JPYのレートがあれば、JPY⇒USDのレートを持つ必要はありません。もし、JPY⇒USDのレートが存在する場合、設定している「 JPY⇒USD 」の換算レートが優先して使用されます。
モデル側の設定
インポート後のモデル内容です。(インポート手順は割愛します。)
<設定方法>
①通貨換算の有効化
モデル推奨設定から通貨を選択し、有効化に切り替えます。切り替える事で「通貨レートテーブル」と「日付ディメンション」の選択が可能となります。
②単位タイプと通貨の設定
通貨換算を行うメジャー項目を選択し、単位タイプを「通貨」に設定します。
③元通貨のディメンション設定
前述の②について通貨を固定ではなく既存のディメンションに設定するための設定です。元通貨とするディメンションを選択(今回は「通貨」を選択)し、「ディメンションテーブルの作成」を選択します。
④ディメンションテーブルの編集画面を開き、「プロパティの作成」をクリックします。
⑦「単位と通貨」の設定でディメンションが設定可能となります。
⑧通貨換算メジャーの設定
前述の①で「通貨換算の有効化」をすることで後述の「通貨換算のメジャー」を追加することが可能となります。「通貨換算メジャー」はメジャーを参照して通貨換算を行った結果を返すことができます。
モデル側の設定は以上となります。
<ストーリーの表示イメージ>
売上高が換算前のメジャーで売上高(通貨換算後)が通貨換算メジャーで設定したメジャー項目です。
レートテーブルの換算レートで計算されている事が分かります。
おわりに
SACに備わっている通貨換算テーブルを利用する事で比較的簡単に通貨換算する事が出来ました。今回はExcelファイルからレート情報をインポートしましたが他のデータソース(SAP BPC、SAP BW、Googleドライブの3つのみ)と連携する事もできる様なので環境があれば活用してみてはいかがでしょうか。