追記(2024年6月4日)
この記事は、2023年9月時点の情報です。
当時と比較すると、ここ最近はLLMを取り巻く状況が大きく変化しました。
GPT-4oの登場によってより人間に近いチャットが出来るようになったり、Geminiに新しいモデルが追加されてGPT-4に負けず劣らずの精度が出せるようになったり、その陰でClaude3が着実に成長していたり。
LLMの競争は2023年よりも激しくなり、各社モデルの成長スピードも上がっていると感じています。
サブスクリプションプランを契約することによるメリットが、執筆当時よりも大きくなっていますし、選択肢も大幅に増えました。下記の無償版のチャットを試して、AIチャットの感覚がつかめてきたら、サブスクリプションを契約するのもアリだと考えています。
もちろん、無償版のAIチャットでも、Copilot(記事内ではBingと表記しています)であればGPT-4が利用できますので、日々の業務などに活かすことができる思います。
改めて、以下の内容は2023年9月時点の情報ですので、少々古くなっている場合がある点をご留意ください。
はじめに
こんなタイトルをしていますが、私はChatGPTを悪く言う意図は全くありません。ChatGPTは非常に優れた製品ですし、実際に、世界はChatGPTによって大きく変わりました。LLMを大きく普及させた先駆者として、とても偉大な存在です。
今回は、利用料金に焦点を当てた話になります。
Chat GPT Plusを使いたいけど(もしくは、使っているけど)、ちょっと金額が高いな・・・と感じている方に向けた記事になりますので、ご理解いただけると嬉しいです。
ChatGPT、ちょっと高い・・・!
GPT-4、精度が高くていいですよね!
僕もプログラムを書くときや、採用するプロダクトを決めるときなんかによく使っています!
でも、ChatGPTのGPT-4を使うには、月額3,000円(※)を払う必要がります。
会社が払ってくれるのなら全く問題ないのですが、個人で使うとなると、正直ちょっと高いって思っちゃいませんか?
※厳密には20ドル。1ドル150円レートで計算すると、3,000円です。
無料でGPT-4使おうぜ
GPT-4を使いたい!でも月額3,000円はちょっと高い!!
そんな時は、無料でGPT-4を使いましょう!!
3,000円払わずにGPT-4が使えるのかと。
そんなおいしい話があるのかと。
そんなおいしい話、実はあるんです。
Bingって言うんですけど
Bing検索って聞いたことありませんか? Microsoftの検索エンジンです。
https://www.bing.com/search?q=Bing+AI&showconv=1&FORM=hpcodx
Bing検索では「チャット」という機能があり、これはChatGPTとまったく同じことが出来て、さらにGPT-4が利用できます。
「より厳密に」を選択することで、より正確な(AIが参照した情報ソースに沿った)回答が得られます。
個人アカウントでログインしている場合はUIが少し異なり、「GPT-4を使用する」というスイッチをONにすることでGPT-4が利用できます。
私はここ2週間ほど、Bing Chatを使ってプログラムを書いてもらったり、調べものをしたりしました。感想としては、ChatGPTのGPT-4(月額3,000円のプラン)と同等のことが出来ました。
まず、GPT-4だけあって、提示してくるコードがかなり正確です。
趣味でGo言語の勉強がてら、Webプログラムを書いていたのすが、コピペだけでしっかり動作しました。
無料版のChatGPT(GPT-3.5)では、多少の手直しが必要になる場面が多かったので、さすがはGPT-4といったところ。
唯一の欠点
Microsoftのよくあるやり口ではあるんですが、Bing Chatを利用するには、Microsoft Edgeブラウザが必要です。
Edgeブラウザからでないと、Bing chatが利用できませんので、ご注意ください。
Fu○k Microsoft!
2023年9月4日 追記
Google ChromeでもBing Chatが使えるようになっていました。ありがとうMicrosoft!
2023年9月28日 追記
Google Chromeでも利用できるようにはなっていましたが、チャット履歴を5回分しか保持してくれないようです。Microsoft Edgeではチャット履歴を30回分保持してくるので、Edge以外では制約があるようですね・・・。(なお、いずれもMicrosoftアカウントでBingにログインしていることが前提となります。)
実践:実際のアプリ開発に導入してみよう
デバッグするための構成を作ってもらいました!
VS Codeのデバッグ構成って、自分で作るとなると、どうやって書けばいいのかイマイチ分からないんですよね。
なので、Bing chatに丸投げしてみました。
Bing chatが書いたデバッグ構成をコピペして、デバッグを動かしてみました。
すると、人間が手を入れることなく、デバッグが完璧に機能してくれました。
この精度の高さ、さすがGPT-4です。(GPT-3.5だと、微妙に間違ってる箇所があって動かないことがあるんですよね)
スクリプトの言語を変換(移植)してもらいました!
過去に作成されたWindowsバッチファイル(.bat)って、保守性が悪いことが多いんですよね。慣れている人ならいいのですが、高水準言語(PythonやJavaなど)しか経験していない人にとっては、特に苦労してしまいます。最近のWindowsはPowerShellが標準みたいなとろがあるので、どうせならPowerShellに移植して、高水準言語のように扱えるようにして、保守性を高めたいです。
そんなときも、Bing chatを使いましょう。言語の変換(移植)も、一瞬でこなしてくれます。
Bing chatが出力したスクリプトをコピペして、PowerShellスクリプト(.ps1ファイル)を作成しただけで、しっかり動きました。
プログラムを改良してもらいました!
その1:書いたプログラムのリファクタリングをしてもらう。
自分が書いたコードって、本当に最適な形なのか気になりますよね。
しかし、いちいちエキスパートを呼んで、チェックしてもらうわけにもいきません・・・。
そこは、GPT-4にチェックしてもらいましょう!
その2:自分が書いたプログラムにORマッパーを導入してもらう。
プログラムを書いてて、『もうちょっとイイ感じのやり方ないのかな』と思うこと、ありませんか?
そんなときも、GPT-4にイイ感じのやりかたをやってもらいましょう!
今回は、SQLをハードコードするのが嫌なので、ORマッパーを導入することにしました。
ORマッパーを自力で導入するときって、結構学習コストがかかっちゃうんですよね。
でも、GPT-4なら一発です。
さらに親切なことに、候補となるプロダクトと、導入方法まで教えてくれちゃいます。
その3:ライブラリを違う製品に入れ替えたので、プログラムを改修してもらう。
ライブラリを入れ替えたとき、ほとんどの場合は、関数の使い方が変わります。
つまり、プログラムを全面的に見直していかないといけないわけです。
大抵はエラーが出るので、修正が必要な箇所はわかるのですが、『じゃあどうやって書き直せばいいのか?』という部分は、学習コストがかかってしまいます。
テキストを読んで勉強する時間ってもったいないですよね、パパッとやっちゃいたいものです。
自力でテキストを読んで理解することも、もちろん大切なことですが、完成されたコードを先に見た方が、案外が素早く理解できたりします。
特に業務時間内でやる場合は、勉強する時間を与えてくれないことも多いでしょう。
こういったプログラムの改修も、GPT-4なら瞬時にやってくれます。
精度もバツグンで、出力されたコードはコピペだけで期待通りに動いてくれました
その4:長くなったプログラムをいい感じに分割してもらう。
調子に乗って実装していたら、プログラムが長くなっちゃった・・・。
複数のファイルに分割したいけど、どんな感じで分割するのが良いんだろう・・・。
そう思ったことありますよね?
そんなときも、GPT-4に分割してもらいましょう。
イイ感じにやってくれます。
最後に
私は、今までGPT-4を使うために、ChatGPTに毎月3,000円を支払っていたのですが、Bing chatのGPT-4もかなり優秀な事に気が付いてから、趣味開発などのプライベートな用途ではChatGPTへの課金を辞めました。
GPT-4は回答精度が非常に高く、プログラミングとの相性は抜群です。
節約しつつGPT-4を使いたい方は、ぜひBing Chatを使ってみてください!