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Appleシリコンの世代間の進化を振り返って買い時を吟味する

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Appleシリコン搭載のMacも4世代目が発表され,出荷まで1週間を切ったこのタイミング.そろそろこれまでのチップの進化の傾向が見えて来たのかなということと,個人的には直前の世代からの進化は毎回こんなもんかと少しがっかりするのですが,今回のM4は少し伸びが大きいかもしれないと感じたので,その直感は果たしてあっているのか,最初の世代から4世代かけてどのくらい進化しているのかというのを振り返ってみようという趣旨の記事です.

主なアプローチ

Geekbenchに登録されている結果をもとに,シングルスレッド性能,マルチスレッド性能,Apple Metalのベンチマークスコアをそれぞれ見ていきます.

注として,執筆時点の2024/11/3時点ではM4のMacは出荷前であり,Geekbenchのベンチマーク例も少ないので今後サンプル数が増えた後に変動する可能性があります.あくまでおおまかな進化の傾向と今後の展開を趣味として予測する程度と思ってみてください.

シングルスレッド性能の世代間比較

single_appleM.png

まずはシングルスレッド性能の比較から.横軸にAppleシリコンの世代,縦軸にGeekbenchのシングルスコアをプロットしています.色はUltra, Max, Proなどのグレードで色分けをしています.

前々から感じていたのですが,シングル性能は世代間の制約を強く受けると思っていました.すなわち,同一世代の中では,UltraやProといったハイグレードなCPUであってもシングル性能は無印チップと大差ないということです.それ以上に,世代間での進化の様子がみて取れると思います.

直前の世代同士での比較では,世代更新のたびに大体10-15%くらいの伸びのため,新チップ登場のたびに買い替えるメリットはそこまで大きくないと思って来ました.しかしこうしてみると,毎回コンスタントに性能進化しているため,初代のM1からM4への性能向上は50%程度あるので,これだとタスクによっては優位性を明らかに体感できる可能性があります.

マルチスレッド性能の比較

multi_appleM.png

今度はマルチ性能.横軸は先ほどと変わってCPUコア数,縦軸は変わらずマルチスレッドスコアになっています.世代によって色分けをしています.個人的に驚異的なのが,M4無印がM1 Maxの性能を超えて来たことです.今現在M1 Maxを使用していますが,なんの不自由もなく使えているので,M4無印の性能でも十分なのかなと思ってしまいます.

このグラフ上での傾きは概ねシングルスレッド性能に相当するので,この傾きが世代を経るごとに急になっていくのは前述のシングルスレッド性能の伸びがこのグラフからもみられるということです.厳密には,シングルスレッド性能はおそらく高性能コアの性能を計測しているものと思われますが,高効率コアも同様に進化を重ねていることがこのグラフの傾きの変化からも推測できます.

グラフィック性能(Apple Metalスコア)の比較

metal_appleM.png

最後はグラフィック性能です.マルチ性能のグラフと似たように,横軸にGPUコア数,縦軸にMetalスコアをとっています.色分けも再度世代ごとです.数が多いので細かいチップの種類は書きません.このグラフでわかるのは,M1-M3までの世代は,GPUのコア数だけで性能がほぼ決まり,世代間の進化はあまりないことです.一方M4(紫色)ではその線から少し上にはみ出ており,今回のGPUチップはコアあたりの性能進化を遂げているものと想像できます.邪推ですが,M1-M3までは刷新といってもほぼ同じアーキテクチャだったものが,M4で本格的にメジャーアップデートしたのかもしれません.ただまだGeekbench上のサンプルが少ないので,これから出荷が本価格的に始まってデータ数が揃ってくると状況が変わるかもしれません.今後の動向に注目です.

まとめ

Appleシリコンの性能について,世代間の性能進化をざっくり振り返ってみました.M4の性能進化がこれまでと少し違うかもしれないとうっすら感じていたのを,ある程度裏づける結果になったかなと思います.個人的にはMac miniの最小構成が自宅サブ機として非常に魅力的なので,その判断材料の一つになったかなとおもいますが,もう少し財布と相談したいと思います.

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