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とりあえずEC2上でCGI連携のnginx+React+Laravelアプリを動かしてみよう

Last updated at Posted at 2023-11-30

1. 概要

こんな記事のタイトルにしてみましたが、要はCGIでアプリを動かしてみましょうという記事です。
ですので、「CGIなんて知っているよ〜(笑)」というエンジニアの皆さんは、そっと「閉じる」ボタンを押してください。多分、初歩的なことしか書いていないので、、、

で、この記事を読んで、「勉強になった」と思ってもらう想定する読者層は、

  • 開発はしたことあるけど、リリースまではしたことないエンジニア

かなと思っています。

2. 記事作成のきっかけ

開発を中心に対応していた私は「CGI」のことを知らなかったので、
「え、、、フロント側ってnpm serveとかで動いてないの!?」
「Laravelってphp artisan serveで動いてないの!?」みたいな感じでした。

もしかしたら同じ思考のエンジニアの方々がいれば、何かの助けになるかと考え、
このテーマで記事を書いてみようと思いました。

ただ、この記事のタイトル通り「とりあえず動かしてみよう」のレベルで、実際に手を動かして、とりあえず大枠を把握しようというお話です。

ですので、機能や仕組みの詳細は書いていません、、、(強々さん、お願いします:bow_tone1:)。

色々と詳しく知りたいエンジニアの皆さんも、ここでそっと「閉じる」ボタンを押してください。

3. CGIとは?

CGI (Common Gateway Interface)とは、クライアントからのリクエストに応じて、Webサーバが外部のプログラムを起動し、処理結果をクライアントに返す仕組みのことです(...多分)。
まぁ、これは下記リンク先を参考にしてください:bow_tone1:

参考:「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典|CGIとは

そして、その処理速度を高速化および負荷軽減したした仕組みをFastCGIといいます。
これもまた下記リンク先を参考にしてください:bow_tone1:

参考:「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典|FastCGIとは

今回の構成では、FastCGIのPHP版としてphp-fpmというサーバを使います。

4. 構成

この記事で実際に手を動かして作る構成は、AWSのEC2上でnginxサーバを起動させ、Webサーバ側との通信を想定しています。
一応、EC2の起動からアプリ作成、リリースまでをざっくり記載していますので、セキュリティや非機能要件などは考慮していないです。とりあえず動かすことが優先ですので、実際の開発時では気をつけてください。

下記が今回の技術スタックです。

  • React v18.2
  • Laravel v10.33
  • nginx v1.24
  • php-fpm v8.2

次に構成ですが、下図のような感じを想定しています。

image.png

そして、インフラはAWSで下図のような簡単な構成を想定しています。

image.png

OSはAmazon Linux 2023です。

業務でよく使っていた技術スタックなので、この構成にしましたが、
他の技術スタックでも同じことはできるので、
気になる方は色々と試してみてください。

5. 実践

まず前提ですが、下記の通りとなります。

  • AWSのアカウントは取得済み
  • Reactの開発環境は構築済み
  • Laravelの開発環境は構築済み
  • 開発端末はApple M2 Pro
  • ターミナル上の操作(Vim含む)は問題ないこと

5-1. AWSにてインフラ構築

5-1-1. キーペアの作成
  1. 「EC2」→「ネットワーク&セキュリティ」→「キーペア」のフローで「キーペアを作成」画面に移動する
  2. キーペアを作成する
5-1-2. VPCの作成
  1. 「VPC」→「VPCを作成」画面に移動する
  2. 「作成するリソース」は「VPCなど」を選択する
  3. 「名前タグの自動生成」は任意で値を入力する
  4. 「IPv4 CIDR ブロック」は使用するアドレスを入力する
  5. 「IPv6 CIDR ブロック」は「IPv6 CIDR ブロックなし」を選択する
  6. 「アベイラビリティゾーン (AZ) の数」は「1」を選択する
  7. 「パブリックサブネットの数」は「1」を選択する
  8. 「プライベートサブネットの数」は「0」を選択する
  9. 「NAT ゲートウェイ ($)」は「なし」を選択する
  10. 「VPC エンドポイント」は「なし」を選択する
  11. 「DNS オプション」のチェックは、そのままにする
  12. 「VPC」を作成をクリックする

VPCとパブリックサブネットに関連するリソースが一括で作成されます。

5-1-3. EC2インスタンスの作成
  1. 「EC2」→「インスタントを起動」画面に移動する
  2. 「名前」に任意で値を入力する
  3. 「Amazon マシンイメージ (AMI)」は「Amazon Linux 2023 AMI」を選択する
  4. 「インスタンスタイプ」は「t2.micro」を選択する
  5. 「キーペア」は既存もキーペアを選択する
  6. 「VPC」は上記で作成したVPCを選択する
  7. 「サブネット」は上記で作成されたサブネットを選択する
  8. 「パブリック IP の自動割り当て」は「有効化」を選択する
  9. 「セキュリティグループを作成」を選択します
  10. 「セキュリティグループ名」を記入します
  11. 「説明」を記入します
  12. 「インバウンドセキュリティグループのルール」は「ssh」と「HTTP」の2つを作成し、「ソース」は両方とも「0.0.0.0/0」を入力しておく
  13. 「インスタンスを起動する」をクリックする

EC2インスタンスが起動されます。

5-2. Reactにてフロントエンド側の作成(ローカル環境)

  1. npx create-react-app アプリ名コマンドを叩く
  2. cd アプリ名コマンドを叩く
  3. npm install axiosコマンドを叩く
  4. App.jsファイルの内容を下記に変更する
    import axios from "axios"
    import React, { useEffect, useState } from "react"
    
    function App() {
      const [greeting, setGreeting] = useState("")
    
      useEffect(() => {
        (async() => {
          try {
            const response = await axios.get("http://xx.xx.xx.xx/api/greeting")
            setGreeting(response.data.greeting)
          } catch (error) {
            console.error(error)
          }
        })()
      }, [])
    
      return (
        <div className="App">
          <p>{greeting}</p>
        </div>
      )
    }
    
    export default App;
    
    
  5. 10行目のxx.xx.xx.xxは、EC2インスタンス作成時に割り当てられたグローバルIPアドレスを記載する
  6. npm run buildコマンドを叩く
  7. /アプリ名/build/配下にビルドされたhtmlやcssファイルが配置されていることを確認する

/api/greetingにリクエストを送り、レスポンスを展開する簡単な実装です。

5-3. Laravelにてバックエンド側の作成(ローカル環境)

  1. laravel new アプリ名コマンドを叩く
  2. cd アプリ名コマンドを叩く
  3. sudo chmod 777 storage/コマンドを叩き、storage配下のファイルの権限を変更する
  4. /アプリ名/routes/api.phpファイルを下記に変更する
    <?php
    
    use Illuminate\Http\Request;
    use Illuminate\Support\Facades\Route;
    use App\Http\Controllers\GreetingController;
    
    Route::get('/greeting', 
    [GreetingController::class, 'index']);
    
    
  5. php artisan make:controller GreetingControllerコマンドを叩き、/app/Http/Controllers/GreetingControllerファイルを作成する
  6. /アプリ名/app/Http/Controllers/GreetingControllerファイルを下記に変更する
    <?php
    
    namespace App\Http\Controllers;
    
    class GreetingController extends Controller
    {
        public function index()
        {
        return response()->json(['greeting' => 'Hello SystemI']);
        }
    }
    

/api/greetingのリクエストに対する受け口を作り、{ 'greeting': 'SystemI' }というレスポンスを返す簡単な実装です。

5-4. サーバ構築作業

5-4-1. nginxの導入
  1. 上記で作成したEC2インスタンスにSSH接続でログインする
  2. sudo yum updateコマンドを叩き、アップデートを実行する
  3. sudo yum install nginxコマンドを叩き、nginxをインストールする
  4. sudo vim /etc/nginx/nginx.confコマンドを叩き、serverディレクティブ内にlocation /apiのディレクティブを追記して保存する
     server {
         listen       80;
         listen       [::]:80;
         server_name  _;
         root         /usr/share/nginx/html;
    
         # Load configuration files for the default server block.
         include /etc/nginx/default.d/*.conf;
    
         location /api {
             alias /var/www/laravel/public;       # この後、/var/www配下にlaravelディレクトリを作成する
             fastcgi_pass unix:/var/run/php-fpm/www.sock;
             fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root/index.php;
             include fastcgi_params;
         }
    
         error_page 404 /404.html;
         location = /404.html {
         }
    
         error_page 500 502 503 504 /50x.html;
         location = /50x.html {
         }
     }
    
  5. sudo systemctl status nginxコマンドでnginxの起動が確認できれば、sudo systemctl restart nginxコマンドでnginxを再起動、nginxが起動していなければsudo systemctl start nginxコマンドでnginxを起動する
  6. /usr/share/nginx/html配下のファイルを全て削除し、Reactでbuildしたファイル群を/usr/share/nginx/html配下に配置する
    html   # こんな感じに配置する想定です
      ├── asset-manifest.json
      ├── favicon.ico
      ├── index.html
      ├── logo192.png
      ├── logo512.png
      ├── manifest.json
      ├── robots.txt
      └── static
    
5-4-2. php-fpmの導入
  1. sudo yum install phpコマンドを叩き、php-fpmを含むPHP関連のパッケージを導入する
  2. sudo vim /etc/php-fpm.d/www.confコマンドを叩き、php-fpmの設定を下記のように編集する
    a. user = apacheuser = nginxに変更する
    b. group = apachegroup = nginxに変更する
    c. listen = /run/php-fpm/www.sockがコメントアウトであれば、コメントアウトを外す
    d. listen.owner = nginxがコメントアウトであれば、コメントアウトを外す
    e. listen.group = nginxがコメントアウトであれば、コメントアウトを外す
    f. listen.mode = 0660がコメントアウトであれば、コメントアウトを外す
  3. sudo systemctl status php-fpmコマンドでphp-fpmの起動が確認できれば、sudo systemctl restart php-fpmコマンドでphp-fpmを再起動、php-fpmが起動していなければsudo systemctl start php-fpmコマンドでphp-fpmを起動する
5-4-3. Laravelの構成ファイルの配置
  1. sudo mkdir /var/www/laravelコマンドを叩き、Laravekの構成ファイルの配置場所を作成する
  2. ローカル開発環境のLaravel構成ファイルを/var/www/laravel配下に配置する
    laravel  # こんな感じに配置する想定です
      ├── README.md
      ├── app
      ├── artisan
      ├── bootstrap
      ├── composer.json
      ├── composer.lock
      ├── config
      ├── database
      ├── package.json
      ├── phpunit.xml
      ├── public
      ├── resources
      ├── routes
      ├── storage
      ├── tests
      ├── vendor
      └── vite.config.js
    
  3. sudo chown ec2-user:nginx /var/wwwコマンドを叩き、所有者とグループを変更する
  4. ブラウザでhttp://xx.xx.xx.xxと割り振られたIPアドレスを入力し、下イメージの画面が表示されれば成功です

スクリーンショット 2023-11-26 13.54.44.png

6. 最後に

お疲れ様です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事を読んで、何となくCGI連携の仕組みというか、構築方法が分かってもらえたかなと思います。
ちなみに通信方法には、UNIXソケットを使う方法とTCP/IPソケットを使う方法がありますが、今回は高速で効率的と言われているUNIXソケット通信で構築しています。

まぁ、記事のレベルは高くないので、ぜひぜひ実践を。
何かご指摘などありましたら、コメントでお知らせください。

よろしくお願いいたします:bow_tone1:

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