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Systemi(株式会社システムアイ)Advent Calendar 2023

Day 4

KeycloakのAPIでユーザー登録からアクセストークン取得までやってみる

Last updated at Posted at 2023-12-03

概要

2023年アドベントカレンダーへ2回目の投稿です。
カレンダーに空きがあり、所属している会社の「いいね」の合計の足しになればと思い、Keycloakについて投稿してみました。
なぜKeycloakかというと、認証・認可系の情報を読んでいるとKeycloakの名前がよく出てきていて、アップデートも頻繁にあることから、そろそろ業務でも使われそうな気がするので、このテーマにしました。
現状、Keycloakの記事は仕様や技術面など説明が多いので、この記事ではハンズオン形式で、とりあえず動かそうという感じです。
認証・認可は難しいので、広い心で読んでもらえるとありがたいです:bow_tone1:

Keycloakとは?

Keycloakとは、ID管理やアクセス管理のオープンソースソフトウェアで、認証認可サーバとして使うことができます。
同じようなサービスとしてAuth0やAmazon Cognitoがありますが、KeycloakはOSSですので費用の発生がなくコストパフォーマンスに期待でき、より柔軟なカスタマイズが可能ですが、冗長構成など非機能要件への対応や管理面は考慮が必要そうです。

詳細は、下記リンク先の公式ページを参考にして下さい。
https://www.keycloak.org/

ハンズオン

目標

この記事を実践すると下記の項目ができるようになります。

  • Keycloakの起動
  • KeycloakのAPIでユーザー登録
  • KeycloakのAPIでユーザーのアクセストークンの取得

ざっくりとユーザー登録と認証までという感じです。

前提

  • コンテナ実行環境(今回はDocker)は構築済み
  • APIテスター(今回はPostman)の使い方は問題ないこと

今回はコンテナ上でKeycloakを起動させますが、
Javaの実行環境が整っていればローカルでも起動できますので、
できそうなところで試してください。

あと設定などセキュリティ等へ考慮はしていませんので、
プロジェクトに導入する際は、その辺の対応はお願いいたします。

実践

1. Keycloakの起動

  1. docker-compose.ymlファイルを作成し、下記を記載する
    version: '3'
    services:
      keycloak:
        image: quay.io/keycloak/keycloak
        container_name: keycloak
        tty: true
        stdin_open: true
        ports:
          - "8080:8080"
        volumes:
          - ./data/keycloak:/opt/keycloak/data
        environment:
          KEYCLOAK_ADMIN: admin
          KEYCLOAK_ADMIN_PASSWORD: password
        command:
          - start-dev
    
  2. docker-compose up -d --buildコマンドでコンテナを起動させます
  3. ブラウザでhttp://localhost:8080に移動し、下図と同じ表示か確認します
    スクリーンショット 2023-12-03 1.37.08.png

    これでKeycloakが起動しました。
    ちなみにDBは、デフォルトでH2 Databaseですので、フレームワークはSpring Bootかなと。docker-compose.ymlvolumesのマウント先は、H2 Databaseのファイルですので、保存した内容を確認できます。

2. Realmの作成

  1. 上図のAdministration Consoleを押下すると下図のログイン画面に遷移するので、docker-compose.ymlにてKEYCLOAK_ADMINの値をUsernameに、KEYCLOAK_ADMIN_PASSWORDの値をPasswordに入力してサインインを押下する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.05.58.png

  2. サイドバーの「master」から「create reaml」ボタンを押下し、Reamlの登録ページに遷移する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.14.53.png

  3. Reamlの名前に「test-reaml」と入力し、「Create」を押下する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.19.15.png

これでReamlが作成されます。
そもそもReamlとは、「部門」のような意味でReaml毎にユーザーやロールを管理しています。

3. Clientsの作成

  1. サイドバーの「Clients」からClients一覧画面に遷移し、「Create Client」ボタンを押下し、「Create Client」画面に遷移する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.37.49.png

  2. 「Client ID」の値に「test-client」を入力し、「Next」を押下する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.42.52.png

  3. 「Client authentication」と「Authorization」をONにし、下図の設定であることを確認し、「Next」を押下する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.45.18.png

  4. 今回は試行レベルなので、下図のように特に値を入力せず「Save」を押下し、一覧に「test-client」が作成されていることを確認する
    スクリーンショット 2023-12-03 6.48.02.png

  5. 「test-client」の詳細にて「Credentials」ページ内の「Client Secret」の値を控えておく(リクエスト時に必要なので)
    スクリーンショット 2023-12-03 6.53.06.png

そもそも、「Client」とは、公式ドキュメントに

Keycloakにユーザーの認証を要求できるエンティティーです。

と記載されていますが、、、ざっくりとしていて分かりにくい。認証時に必要な設定をあれこれできるところかなと思っています(違っていたら教えてください:bow_tone1:

3. ユーザー登録(Postman使用)

  1.  下図を参考に、下記設定のリクエストでアクセストークンを取得し、その値を控えておく

スクリーンショット 2023-12-03 7.06.03.png
2. 下記設定のリクエストでユーザーを登録し、Usersにて「test-user」の存在を確認する

スクリーンショット 2023-12-03 7.21.50.png

{
    "credentials": [
        {
            "temporary": false,
            "type": "password",
            "value": "test-password"
        }
    ],
    "username": "test-user",
    "firstName": "test",
    "lastName": "user",
    "email": "test-user@test.com",
    "emailVerified": false,
    "enabled": true
}

スクリーンショット 2023-12-03 7.25.29.png

とりあえずユーザーの登録はできていますね〜

4. 登録したユーザーのアクセストークンを取得(Postman使用)

  1. 下図を参考に、下記設定のリクエストでアクセストークンを取得する

スクリーンショット 2023-12-03 7.32.16.png

アクセストークンを取得できていますね。
とりあえず、こんな感じかなと。

最後に

まだまだKeycloakについての情報は少なく、「なぜ」に対しての追求がまだまだできていませんが、この記事では「リクエストを投げたら値がちゃんと返ってきた〜」という風に楽しんでもらえればなぁと思います。

それにしても認証認可は本当に難しい、、、実務で認証認可の実装をしたことがありますが、ライブラリやフレームワークに頼っている箇所が多く、「本当に仕組みを理解しているか」と言われると全然です。バリエーションも多く進化も早いので、置いていかれないように頑張って勉強ですね。

この記事についてご指摘がありましたら、コメントにてお願いいたします:bow_tone1:

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