この記事は リンク情報システム の「2020新春アドベントカレンダー TechConnect!」のリレー記事です。
TechConnect! は勝手に始めるアドベントカレンダーとして、engineer.hanzomon という勝手に作ったグループによってリレーされます。
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#【メニュー】
この記事は、「ローマ字入力以外のキーボード入力ってどんなんか」を
蛇口君が実践し、感想をまとめてくれた実践編と
それを踏まえて対談した対談編で構成されています。
タイピングでご飯食べている蛇口君だからこそ持っている観点はなるほどの連続ですし
**「お仕事で使えそうか」「使っている人はいるのか」**など
数字では表せない気になっているところを話しましたので
今すぐ導入を考えている方はもちろん
ふらっと来てみた方でも楽しめるような内容になっています。
(※対談では少し脱線もします:小学校のコンピューター室で見た懐かしいアレの話とか)
早速、実践編に移る前に、実践編で使用される日本語タイプ
「かなタイプ」と「親指シフト」について
特に親指シフトはご存じない方も多いかと思いますので
簡単にどんな入力方法か、ご紹介します。
かなタイプは、市販のローマ字入力のキーボードのキーに書いてあるひらがなを押すタイピング方法です。
かな入力とも呼ばれます。また、ひらがなの配置はJISキーボードと呼ばれます。
親指シフトは、親指シフトキー左と親指シフトキー右を使って入力する入力方法です。
文字のキーにはそれぞれ2文字のひらがなが
かなタイプとは全く異なる配列で割り当てられています。
親指シフトキーを使うことで、2文字のうちのどちらを入力するか
また、濁点半濁点を付けて入力するかを制御できます。
この文字の割り当てはNICOLA配列とも呼ばれます。
どちらも、文字の打ちやすさの研究から生まれたものですが
実際の使い心地はどうなのでしょうか。
実践編、対談編、続けてどうぞ。
#【実践編】
こんにちは。蛇口です。
ここでは日本語タイプの方法「かなタイプ」と「親指シフト」を使った実践記録を紹介します。
本来は1ヶ月間くらい試用期間をとりました
…といいたいところですが、今回は2週間といったところです。
今回はローマ字入力で10秒で済む文章を
異なる2つの打ち方を練習したうえで入力し、その雑感を記すことにしました…。
各評価項目のイメージ
・打鍵数
文章を入力するとき叩いたキー入力回数
打鍵数比など
・必要なキーの数(範囲)
日本語入力のために必要なキーの数
あるいは手を使う範囲
・スピード
現状での入力速度
・汎用性
どのくらい世間一般で普及しているか
あるいはノウハウを得やすいか
※用途の幅広さのことではない
・合理性
入力における動きが省かれているか
環境:Windows 10 pro
キーボード:ペリックス PERIBOARD-106W JP
##実践 かなタイプ
###使用するキーボードの範囲
###導入方法
かなタイプは設定さえ変更すれば、すぐに使うことができます。
①「windowsメニュー」→「設定」→「時刻と言語」
②「言語」→「日本語」→「オプション」
③「Microsoft IME」→「オプション」
④「ハードウェア」の「かな入力」を「オン」にする
⑤Alt+かな キー(「変換」キーの右)を押す
###かなタイプの感想
打鍵数★★★★☆
ローマ字比較で40%減
30文字 240秒
必要なキーの数(範囲)★★☆☆☆
主にタイプするキーは48個。
4列のキー配列を記憶して入力する。
スピード★★☆☆☆
小学生のとき使っていたけど
小学生のときよりも遅い気がする。
汎用性★★★☆☆
同世代では少ないが50代以上の方々にはたまに使用している人がいる。
合理性★★☆☆☆
動かす手の範囲が広い。
濁点や半濁点は追加入力が必要。
記号などはF9などで別途対応しないといけない。
##実践 親指シフト
###使用するキーボードの範囲
###導入方法
いくつかの方法があるようですが、今回の私は一番簡単な方法を選びました。
通常のキーボードで始めたい場合「やまぶきR」がおすすめです。
https://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se511126.html
###親指シフトの感想
打鍵数★★★★☆
ローマ字比較で40%減。
30文字 400秒
必要なキーの数(範囲)★★★★☆
主にタイプするキーは32個。
手を動かす範囲は3列分のみ。
スピード★☆☆☆☆
法則が分からないので、亀の歩み。
汎用性★☆☆☆☆
使用者をなかなか見かけない。
ノウハウサイトも閉鎖状態に近い。
合理性★★★★☆
日本語入力専用の印象。
無駄な動きをシフトを軸に排斥している。
##実践 まとめ
見ての通り、2週間では全然使いこなせませんでした…。
数字としては、とても残念な結果ですが
スピードを除くと、そうでもありません。
ローマ字、かなタイプ、親指シフトの
バランスを個人のイメージで表すとこんな感じになりました。
ただスピードは個人の資質と練習量で
ずいぶん変わってくると思います。
親指シフトのスピードが将来的に
こうなることだってあるでしょう。
(何のためにスピードの項目を設けたのか…
ただ…見栄えのためです…)
今回の数字のデータでは、ぱっとしませんが
いわゆるWikipediaのデータだと打鍵数の比較が、このように示されています。
ローマ字入力……6474回
親指シフト………3735回
かな入力…………4110回
都内某所。
KIMI-Dの思い付きでキーボード入力を体験した蛇口は
その感想を伝えるために、席に着いたのだった!
KIMI-D…K
蛇口………蛇
##日本語入力なら親指シフト
K)親指シフトのほうが
かなタイプよりも簡単だったということですね。
蛇)(以下、蛇)違います。
K)え? いいよねっていう話だったよね。
しかも、それは日本語のときっていうことを言っていましたね。
蛇)親指シフトがいいよねって思ったのは
あくまで日本語入力をメインにしている人に対してかな。
K)じゃあ、プログラマーとかは?
蛇)微妙だと思う。
親指シフトの特徴上
どうしても、いつもと違う切り替えのキーを押すとか
導入の仕方にもよるかもしれないけれども
絶対に普通のプログラミングとは違う動きの手癖が必要になってくるから
そういうのが、ごっちゃになるんじゃないかと思った。
K)ごっちゃになる…。
日本語を打ちまくる人だったら、ごっちゃにならない?
蛇)プログラミングみたいな、英数字が必要にならないわけだよね。
だから大丈夫。だからどうしてもプログラミングと
ひらがな?日本語入力を同時にしたいなら**「なでしこ」**を!
なでしこ
日本語でソースコードを書く珍しいプログラミング言語
##カナタイプは指を結構動かす
K)そうだ、親指シフトについて、この前に言っていた
「範囲を完璧に守っている」って、これはどういうことなんだろう?
ローマ字のやつも、ある程度、範囲があるじゃん?
人差し指出っ張っているところに置くところがあって。
蛇)それが普通のローマ字打ちの人たちのためのキーボード配列で
「。」とか「・」とかをホームポジションから簡単に打つことができるんだけれども
かなタイプにすると、その配列の場所まで、ひらがなで使われてしまうから
結構ホームポジションから離れた位置に移ってしまっているものを
手を大幅に動かして打ちにいかないといけないわけだね。
K)動きが大きいの?
蛇)そう、大きい。動かす範囲が広い。4列使っている。
K)これ親指シフトの話? あ、かなタイプか。
蛇)親指シフトは逆に3列しか使っていない。
普通のローマ字配列も3列。
K)より少ないんだ、より動かさなくていいんだ。
蛇)突き詰めるのなら親指シフトが一番、日本語入力にいいだろうし
バランスをとるのならローマ字ではと思う。
##アルファベットが打てない?
K)親指シフトでアルファベットって打てないんだっけ?
蛇)打てないんじゃ?
かなタイプも親指シフトも打てないんじゃ?
ただ、ファンクションキーの「F6」とか「F10」を変換代わりに使えば
アルファベットを打つこともできる…はず。
K)すごいっすね。
※親指シフトではひらがなのモードとアルファベットのモードがあり、
切り替える必要があるらしい。
##専用キーボードないとルールを覚えるの大変
K)「合理的」っていうのは?
気になっていたんだけど、濁音、半濁音
同じところのシフトを用いることで
濁音、半濁音を付けられるっていうのがあるじゃん? あれってどうなん?
蛇)どうなん…?
覚えづらいけど、そのルールさえ覚えてしまえば
かなタイプだと、打ってからプラス1打
濁音、半濁音を打ちにいかないといけないけども
親指シフトの場合ならルールを習得すれば、その手間がシフト操作で省ける。
でも、導入で覚えることが多いってことだね。
練習しづらいってことなんじゃないかな、だって配列も書いてないし。
全然かなタイプの場所と違うから。
K)普通のキーボードに
親指シフト用の配列が書いてないは、導入の際の注意事項だよね。
「ちなみに普通のキーボードには
親指シフトの配列は書いてないので大変です」って
専用のキーボードでもいいんじゃないかっていう。
##物書きや弁護士は親指シフトを使っている?
K)物書きや弁護士は
親指シフトを使っているらしいね。
でも、ぶっちゃけ、そんなのは分からないっていう話?
蛇)うん。分からないね。
親指シフト以外にも「IME」の辞書登録を活用する人もいるだろうし
もしかしたら、生放送で使うような1列キーボードを使う人もいるかも。
身の回りの人に聞いた限りでは、分からなかった…。
##僕らの会社で親指シフトを使うのは難しい
蛇)親指シフトなんてものを俺は初めて聞いたから。
K)覚えるのは絶対大変でしょってことだよね。
蛇)そうだし、かなタイプみたいに手軽には使えない。
もしくはキーボードみたいなの買ってきて
またインストールしないと使えないんだと思う。
たいてい日本の会社だと結構厳しいじゃない、それだけで。
得体のしれないものを会社のパソコンに入れるっていうことに対して。
日本の会社はBYODに厳しいイメージがある。
K)確かにお仕事で使うとなるとね。
会社ってちょっと難しいかもしれない。
でも、インストールそのものは秒ですよね。
蛇)家で使うのならできるね。
K)家でなら今すぐでもできるよ。
会社だと結構きついかもしれない。
まず理解してもらえないだろうね。
「なんで、入れるの」っていうね。
「ちょっと遊びです」みたいな、そんな感じだよね。
遊びイベントなんかの時にはいいんじゃないでしょうか。
イロモノ枠として。
蛇)それでも特別なキーボードや打ち方っていうのはあまり普及していないので
それに関するリスクは、読者の方にお任せします!
K)リスクか…
蛇)お任せします!
##家で親指シフトすぐ使える
K)まぁまぁまぁ、そうですね。
ちょっと戻るけど、家でやる分にはすぐにできるっていいね。
蛇)そうだね。
##BYODとは
K)ちなみにさっき言っていたBYODって何?
蛇)ブリング…。
K)Bring your own deviceか。
海外だとできるんじゃ?
蛇)日本は厳しいんだと思うよ。
K)BYOD聞いたことないわ。
BODY(ボディ)かと思った、最初。
##かなタイプ、郷愁
K)蛇口君は小学校の頃はかなタイプをやっていた感じ?
蛇)パソコンの授業で**「一太郎スマイル」**を…。
一太郎スマイル
日本語ワープロソフトの名称。
「手紙や招待状、絵日記などもこれ一つで十分」な学習用ワープロソフトであり
現在は「一太郎2019 スーパープレミアム/プレミアム」が発売中。
K)なんだっけ、それ。
蛇)「一太郎スマイル」してた時はかなタイプだった。
K)すげぇ懐かしい、地域差関係ないんだね。
俺もこれ、コンピューター室のパソコンに入っていたのは覚えている。
(蛇口:西の人、KIMI-D:東の人)
蛇)それが何かは今、分からないけれども
これをしているときはかなタイプで打っていた。
K)懐かしい。
蛇)始まりはかなタイプかもしれない。
その時はローマ字が読めなかった。
##僕らが考える新しいキーボード入力方法
蛇)始まりがあって、そこからどう派生するのか?
ローマ字で終わらなくていい、もっと探していい。
この3つが今回あったけれど、実はもっとあるんじゃないかと思った。
K)何が?
蛇)打ち方が。3つしかないっておかしくない?
K)日本語で?
蛇)日本語で…。日本語だけじゃないかもしれないけど。
プログラマー専用のなにかもあるかもしれないけれど。
そこはプログラマーなら、興味をそそられるところじゃないかなと思うけど…。
親指シフトは日本語入力に特化した打ち方として考案されたものらしい。
だからプログラミングに特化した打ち方とか
それぞれの目的に応じたキーボード入力が、もっと派生していってもいいと思った。
##専用キーボード
蛇)今回、自分は使わなかったんだけれど
キーボードは変な形のものもあるんだよね。
K)親指シフト専用はいろいろあるな。
(ケータイでぐぐりながら)
4万2800円。プレミアだね、これは。
蛇)ぼろぼろに見えるけど。
K)なんか画質が微妙だね。
あ、キー配列の表示を合体させてるのもあるね。
ローマ字と、親指シフトの表記。いいな。
蛇)キーボードは進化しないものかなぁ。入力デバイスは。
K)そんなことないでしょ。
真っ二つに割れているやつとかいろいろあるじゃん。
##ネット上の親指シフトの参考資料が古い
K)「親指な人たち」っていうサイトがあって
親指シフトの練習をする、なんかあるんだよ。
蛇)専門家向きなんだね。
K)ここはかなり深くノウハウが蓄積されている場所ですね。
蛇)親指の部屋…だっけ?
K)「親指な人たち」。でもこれ微妙だね。
蛇)今もサイトは動いている?
K)分からないけど、使えないサイト結構あったよ。
蛇)古いんじゃない?
K)つくり的に古い気がする。
結構リンク切れでしたっていうことも書いていいかな。
それだけ古いよってことで。
だからこそね、こうやってやる価値があるね。
蛇)なるほど。
##▼▼▼リンク集▼▼▼
★親指シフトのインストーラ「やまぶき R」
https://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se511126.html
★親指シフト専用キーボード(富士通)
http://urx.space/Vdlm
★親指シフト×ローマ字入力のキーボード(eee-life)
http://urx.space/ZYVX
★親指な人たち
http://nicola.sunicom.co.jp/link4.html
★一太郎スマイル
https://www.justsystems.com/jp/software/dt/smile_h/
★なでしこ
http://urx.space/TGAr
#【終わりに】
実際打ってみると、かなタイプも親指シフトも、配置を覚えるのに苦労しそうですね。急にタイピング速度が上がるわけではないみたいです。
とはいえ、自宅でやってみるのは簡単にできるので、私は個人的にローマ字入力を忘れない程度に親指シフトをしばらく遊んでみたいと思いました。皆さんは、いかがだったでしょうか。
ぜひかなタイプや親指シフトを使ってみた感想や、皆さんのエピソードなどを聞いてみたいところです。それではこの辺りで。ありがとうございました。(KIMI-D)
蛇口
リンク情報システム社員。生放送字幕制作、字幕制作、社内イベント運営などに精を出す男。
今の会社に入社するまでは、実はキーボード入力が苦手だった。
小学5-6年生のときは、折り紙クラブに在籍。
KIMI-D
リンク情報システム社員で開発業務に従事。
気になることがあったら何かと同期の蛇口を巻き込んで記事にする習性がある。
小学5-6年生の時マンガクラブ在籍。