第14回キャチロボバトルコンテスト チーム"体調どう?最高潮!愛総工"活動報告
チームリーダー兼ハード設計の鷹羽です。専攻科では技術継承的な概念が薄く先代が頑張って開拓したものを中身わからず使ったり消えたりやり直したりと無駄が多い(多くなる)と思ったので活動報告を残すことにしました。これがその第一弾です。
初めて書くのでおかしな点があると思いますがご容赦ください。
自分はチーム運営と機械設計、機体自体の案出しなどを行ってたのでその辺や大会関連で自分が困ったことなどまとめます。
機体のCADとかほしかったら連絡ください。
目次
結果
まず結果から話すと本戦第一回戦で敗退しベスト16、審査員特別賞授与という結果になりました。予選は突破できましたが本戦で操縦ミスがあり大きく失点し敗退しました。機体の剛性の低さや作戦の雑さ、完成が遅いことによる練習時間のなさが顕著に出た結果でした。
大会について
簡単に言うとフィールドに置かれたお菓子を破損しないよう集め所定位置に集める競技です。
詳しいルールに関しては大会公式ホームページやyoutubeチャンネルでの動画などをご覧ください。
大会としての特徴としてはマテハン自体に重きを置いた"移動しないロボット"の大会であることでしょうか。(ロボコン歴が浅いからあんま自信を持って言えない)
そのため設計、制御から戦略の面までほかの大会とは大きく異なると思います。
14回は特徴的な要素があり、
- ワークが破損しやすい煎餅であること
- 色分けしてシュートするとボーナス得点があること
- 配置が固定でなくランダムであること
等が挙げられます。
チームについて
私達はそもそも専攻科の先端小型という研究室みたいな場所でロボコン活動を行っています。
チーム人数は6人しかおらずおまけにほぼ全員が全くの未経験の状態からスタートでした。
使用したあれこれについて
CADはsolidworksを使用しました。ボードはコントローラーとの接続にesp32、メインはteensy4.0を使用しました(私はそんなに詳しくない)。
モータはロボマスモータをメインで使い、タミヤのdcも1部使用しました。
機体について
- メインアーム
- シュートアーム
- 横ベルトコンベア
- 倒ベルトコンベア
と呼称しています。
部位を分けて動かすことで操縦者二人をうまく使う+ワーク取得までのストロークを短くするという意図がありました。
以降各部位の説明をしますが得点の流れとかは試合の動画を見てもらえばある程度分かると思います。
メインアーム
こんな感じのエンドエフェクタで瀬戸しおを回収して後述の横ベルトコンベアに送ります。左右の動きはベルト、前後はラックアンドピニオン、上下は紐をアーム後端に着けたモーターで巻き取って行いました。
もともとはアルミフレームを使っていましたが(CAD上ではまだそうなってる)重量制限に引っかかり大会会場で急遽角管に変更しました。
また機体横についている黒いプラダンでできた器具で前方二か所のトレーにワークを直接シュートできます。この機構も大会会場で考案し取り付けました。
シュートアーム
こんな感じのエンドエフェクタでワークを一つ一つピックしシュートします。オリジナルデザインです()
この作戦自体が今回の反省ポイントの一つですね(詳しくは後述します)。
極座標系(正確に言えば円筒座標)のアームで上下、伸縮はラックアンドピニオンで行いました。
カーボンプレートを使ったことなどもあって見た目的には個人的に気に入っています。オリジナルキャラクター()はこのサイトからいただいたstlをもとにファンを埋めこめるよう改造しました。stlをstepにする工程やそれでできたものを使える状態に改造する工程でも思ったより大変だったので大会で触れてもらえたのはうれしかったです。
横ベルトコンベア
いわゆるベルトコンベアといった感じです。幅が広く距離が長いこともあり製作には地味に苦労しました。なんやかんやありましたが最終的には受動側にフレームに対してネジを締めると距離をとれるような機構を用意しテンショナーと平行出しをこの部分で行えるようにしました。
倒ベルトコンベア
メインアームは構造上横ベルトコンベアまでワークを運べないのでその間を中継するとともに中央エリアのワーク回収も担当する部位。
この機体の一番のアイデンティティといってもいい部分。
設計のポイントなど
自分は横ベルトコンベアとメインアームの左右スライド部分から先、シュートアームの上下から先を作りました。
横ベルトに関しては前述のテンション機構が一番大変でした。
こんな感じのパーツを左右対称に配置し行いましたがキャチロボの運営の方に物品支援のプレゼンを行った際にクラウディングプーリなどの話を教えてもらった際には目から鱗でした。やはり機械設計では知識が重要。
また原動側は回転中心にボルトを通していたせいで回すと少しづつ緩むことが最大の反省点です。
メインアームでは前後のスライドが一番こだわったかもしれません。
ベアリングが中心を避けるように配置してあるのは角管でもアルミフレームでもどちらでも使用できるようにという意図があります。モーターがベアリングを介して両持ちの状態になっていますがこれは大会予選でこの部位が破損したために会場で作り直しました。行き当たりばったりが過ぎる
シュートアームに関してはスライドからエンドエフェクタ含めてそう悪くない出来だったかと思ってます。
大会を振り返って
作戦編
まず最初に得点までの流れをあまり考えずわちゃわちゃ手を付けたのがまずかった。4つの部位に分かれたのも行き当たりばったりを繰り返した結果だしシュートアームに関してが一番まずかった。
シュートアームは見ればわかる通り仕分けが難しくエンドエフェクタはワークを狙ってつかみづらくその作業と並行しながらどのトレーに何が何個あるかを考えなければならない。そのうえ上下軸が最後にないせいで自重で高さがずれて定期的にリセットをかけなければならない。この部位にボーナス得点のすべてを任せること自体が明らかな間違いだったと言わざるを得ません。
設計者としてもチームリーダーとしても操縦者に申し訳ない気持ちがあります。
ただメインアームのワーク回収効率はおそらく会場内でもかなり高いほうであったと思いますし複数部位に分けたことも大きかったと感じています。
反省点もありつつ評価できる点もあったというところで作戦に関してはここまで。
設計編
全体的に剛性不足が目立ちました。メインアームは幅があまりあっていないスロットローラーをそのまま使ったことによるたわみがあり、重量が規定に引っかかったせいで機体フレームを雑にいじらなければならず剛性がさらに低下し、シュートアームは締め付けトルクで明らかに高さが変わる始末でした。開発が遅かったことや設計完全素人であったことなど要因は様々ありますが一番は単に剛性を軽視したことが大きいですね。あとは場所ごとに剛性の差が大きく力学の理解が足りていなかったこともあります。
剛性を気にして作ったスライドパーツなどはかなりの剛性があったためほとんど気にしたかしなかったかが大きい印象です。
プログラム編
私が一つたりとも触っていないため何も言えることはありません。
配線編
ここも設計素人がもろに出ましたね。設計時点で配線を一つも考えていなかったためかなり苦労しました。何なら作りが雑すぎて会場でキャリアが大破したりもしました。機体についたピンクの養生は大半がこれの保護です。
配線の構造も雑で配線作業中は空中ではんだ付けをする必要が何度もありました。
ただおかげではんだのスキルは上がりました。
基盤編
部屋に転がってる基盤を組み合わせて使用していて、自作したのは電源とCANの分配ぐらいなのでここもあんまりいえることはないです。先駆者に感謝。
マネジメント編
予定管理表、タスク表などを作成し行いました。人数の少なさや初心者しかおらず扱いきれないと考えたことからガントチャートなどは使用しませんでした。仕事を振ったり進捗の管理、共有は私が行っていましたが完成の遅さから見ても明らかにもっとうまくやれた感がありますね。ただメンバー間での対話を重視していた甲斐もありメンバー同士の中はそれなりに良好であると思います。
スケジュールなど
5月中旬くらいまでは導入のためのロボットを作って機材の使い方とかを学んでました。
アイデア出しなどやって本格的に動き出したのは6月からくらいです。試行錯誤しながら製作を進めなかなか完成しないまま気づけば9月。なんと大会一週間前くらいでもはんだ付けをしていましたしプログラムは出発の前日でも行っていました。会場に行ってから変更した点も多く最終的にどう変わったのか今となってはわかってません。
大会に関して
大会に関してで特に困ったのは物品支援のプレゼンとかアイデアシートですかね。
自分の製作したものをプレゼンするということ自体が初めてですし、資料製作とかもあまり慣れていなかったのであまりいい出来のものは提出できていないと思います。ただロボコン大会ではほぼ必須のスキルなのでしっかりと書いて慣れておくことをお勧めします。でもこれも今までよりかなり簡略化されたっぽいです。例年だと数ページにわたって書く感じでもっと内容も多かったはずなので時間のない身からすると正直助かりました。
自慢したいこと
自分で言うとだいぶ痛い感じですが、完全未経験が4か月くらいでやったにしてはかなりいい結果だったと思ってます。弊学は大学と同じようなシステムっぽいですが全科目が必修なせいで結局高校と大きく変わりがありません。まして就活も一年目からある関係で時間は全くありませんでした。私も大会前日までインターンシップに行っていました。
機体としてもワーク回収能力はかなり高いほうだったと思います。短時間でフィールドのワークをほとんど回収しきることができ、共通エリアも一回の動作で半分を回収できます。剛性とシュートアームさえもっとうまくやれればさらに上も目指せたと思います。
おわりに
反省点が多いせいでネガティブな感じになってしまいましたが全体通して楽しかったですし、技術的な成長もかなりあったと思います。
どんどん人口が増え続けている今熱いロボコンなのでぜひいろんな人に参加してみてほしいです。私は15回大会が最後にはなりますがこれからも大会が盛り上がってくれると嬉しいです。
これから大会に出る人たちや先端小型の新入生にとって少しでも参考になれば幸いです。