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絵心ゼロのおっさんがAI(stable diffusion)使って気付けば四コマ漫画を書いてしまった件

Last updated at Posted at 2022-09-04

という(内容はどうでも良い感じの)四コマ漫画を、AIを使って勢いで描いてしまいました・・・
AIが囲碁の世界チャンピオンを倒してしまったレベルの社会にインパクトがある変化が、今まさにおきています。
だって絵心ゼロのこの私?が四コマ漫画を描けてしまったのですから。

対象読者

技術が詳しくない人にもわかるレベルの内容(にしたいです)
(latent diffusionモデル、DDPMって何、実際の動かし方等の解説は行いません。他の記事に譲ります。)

はじめに、背景説明

私は絵心ゼロです。子供のころの美術の成績は2をとりました。絵がかけない、絵を書く可能性とか努力を子供の頃に早々に見切りをつけて無駄な努力と放棄してしまった自分です。そんな自分がまさか忽然と四コマ漫画を書く(正確にはAIを使って四コマ漫画を書く)ことになるとはつい数日前までつゆとも思ってませんでした。
本当に人生何があるかわかりません。

今回、2022/8/22にフリーで公開され(Stable Diffusion Public Release — Stability.Ai)て誰でも使えるようになったStable DiffusionというAIを使い、コンテ画のようなラフな構図と、どのような絵を描いてほしいというのを入力するといい感じに絵を書いてくれるAIを使って四コマ漫画を描いてみます。

Stable Diffusion とは

  • 20億を超える画像を学習している画像生成の汎用AIモデル
  • Google等の大きな会社だけがモデル非公開で使えていて、今までは課金しないと使えなかったが、フリーで使えるようになった
  • 会社のような大きな組織でしか事実上使えないような超高価な専用マシンではなく、現在のスタンダードなスペックのGPUマシンで誰でもおうちのPCで動かすことが出来る(20億を超える画像を学習しているスーパーAIなのにそのモデルのファイルサイズはなんと4Gbyte!)
  • おうちのPCじゃなくても無料のレンタルサーバ(レンタルサーバは表現が適切ではないと思いますがGoogleのColabratory)でも動かすことが出来る

Stable Diffusionの凄さはやばすぎるAI画像生成サービス「Stable Diffusion」始まる。 【簡単解説 & 応用 & Prompt付生成事例集】|やまかず|noteさんの記事で詳しく書かれています。

今回はStable Diffusionのimg2imgという機能を使います

実際にやったこと

まず当たり前なのですが4コマのストーリーラインを考えます。これで飯を食っていくわけでもないので、ざっくり起承点結になっていれば良いと思います。

起: 「AIで絵が描けるようになったのか。今日から絵師だな!」
承: カツカツカツ・・・
転: 「出来た!四コマ漫画!これは簡単だな・・・」
結: 「よっしゃー明日会社辞めて、2ちゃんねるまとめ四コマアフィカス王に、なるぞっ!」

ストーリーラインが出来たら、キャラクターをどうするか決めます。
今回のキャラクターは、版権フリー(個人がお金をとらずに使う分に関して)の初音ミクさんです。ありがとうございます。神です。
ミッ〇ーさんとか選ぶと違法です。特徴的な耳書いたらいいだけなので、ミ〇キーさん、むっちゃいいんですけどね。
著作権に関してはAIでの学習は現状しても良いけど、そのAIを使って生成したものに関しては議論があるみたいです。Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権 | STORIA法律事務所さんの記事に詳しく書かれています。

キャラクターが決まったら、ラフのコンテ画を描きます。
初音ミクさんと認識させるためツインテ書いとけばいいでしょう(雑)。windowsのペイントで書きました!
(見よ!この幼稚園レベル以下の絵心のない落書きを!幼稚園なめたらあかん、もっとましな絵を書きます)

before

先に結論を書くとAIに入力すると上の絵がこうなります。AIすごいです。(小並感)
after

次に、AIにこういう絵を書いてという指示(promptと言います)を考えます。
考えるのは、状況の指示と、四コマ通して統一して強制させたい絵柄の指示です。

状況として与えるprompt
起: hatsune miku staring computer screen, back view, in her room
承: 同上
転: hatsune miku looking back with a determined face, in her room
結: hatsune miku appering, Close Up Shot

絵柄として与えるprompt
Rough Drawing, Chibi, Pigtail Hair, japanese anime style, Pixiv Illustration, cute, wholesome, fun, cute sketch, 4k, vibrant, vocaloid, anime key visual, perfect face, pretty, beautiful trending on artstation

この二つを単純にpromptとして並べて、各々のラフ画を指定して生成を指示します。
Stable Diffusionは芸術性の高い絵を描けるのですが、そこは捨ててあえてあまり細部まできっちり描きすぎないような弱めの生成にとどめ、なんとか4コマのつながりをたもせます。
また、ラフのコンテ画から一気に最終形の絵を生成するのではなく、AIの処理の強さを弱く指定して、徐々に徐々に4コマの絵柄が近づくように何度も調整をかけて絵を生成しています。
実際に生成される画もかなり幅があり全く四コマとしてつながらなくない絵が大量に生成されるので、100枚~200枚生成して近い絵柄をピックアップして、ペイントで特徴をラフスケッチで書きこんで調整していきます。

  • 調整途中の絵 その1
    顔を塗りつぶして頭にして、画面向いてるようにして再生成指示かけてます
  • 調整途中の絵 その2
    ツインテールの質感と瞳の色を調整
  • 失敗例
    変換強くして最終形まで書かせると、こうなります。絵柄がつながりません。弱く、弱く・・・

絵が生成できたら、私は漫画を書くためのツールはよくわからないので、ビジネスマンでも使えるパワーポイントとかExcelとか、draw.io(ソフトウェアエンジニアがぽんち絵作成でよく使ってるツール)で吹き出しとセリフを追加しました。というわけで完成です。

初めてなので考えながらというのもありますが、ストーリーラインをきめてから四コマが完成するのにかかった時間は2時間ぐらいでした。

やってみてわかった問題点

  • AIが描ける画風は様々だが描けるスタイルが多すぎて狙ったスタイルを出すのが難しい
  • 4コマを別々にAIで書く上での致命的な問題点
    4コマ各々絵を作ると全てのコマの細部の絵柄が違う(衣装、顔のデフォルメ、背景出力)
  • 使えるキャラクターが版権フリーで有名なキャラクターに限られる
  • 版権フリー(個人がお金をとらずに使う分に関して)の初音ミクさんでも、個人が様々な絵柄を書いてて、それをAIが学習しているので、生成される絵柄が全く安定しない

所感、おわりに

4コマの絵柄のつながりのために絵を調整して再生成する作業なんですが、絵師ではないので絵心ゼロの私には辛い作業でした。いくらAI出てきても、絵師さんはいらなくならないなと思いました。AIと人間ってお互いが必要でお互いが補完するものなんだと思います。
そもそも、本職の四コマ漫画さんはオリジナルのキャラクターやその人独特の絵柄でがっちり読者のハートをつかんでますから、とても本職の人にはたちうちできないです。

この記事を見て、img2imgを自分でもちょっとお試しだけしてみたい場合は、こちらの記事が参考になると思います。
簡単なお絵かきとキーワードだけで思い通りの写真やイラストを自動生成する「img2img」モードを「Stable Diffusion」で誰でも試してみることができるサイト - GIGAZINE

参考記事

Stable Diffusion Public Release — Stability.Ai

やばすぎるAI画像生成サービス「Stable Diffusion」始まる。 【簡単解説 & 応用 & Prompt付生成事例集】|やまかず|note

簡単なお絵かきとキーワードだけで思い通りの写真やイラストを自動生成する「img2img」モードを「Stable Diffusion」で誰でも試してみることができるサイト - GIGAZINE

Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権 | STORIA法律事務所

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