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Node.jsのStream APIの概要

Last updated at Posted at 2015-12-20

Streamとはファイルの読み書きやSocketでの通信など、主にI/Oにおけるデータの流れを制御するAPIです。
Streamは0,1,2,3のバージョンがありますが、Node.js v0.12からは3が使われているのでそれについて書きます。

公式ドキュメントNode.js v5.2.0 Documentation Streamがわかりやすいですが、特に重要だと思った部分だけ大雑把にまとめてみました。(ドキュメントの日本語訳はv0.11.11のものがあります。多少異なりますが参考までに)
##利用する側

ReadableStream

例えばReadableStreamによるファイル読み込み処理は次のように書きます。
全てのまとまったデータが一度に取れるのではなく'data'イベントで少しずつデータが流れてくるのが特徴的です。

var readableStream = fs.createReadStream('filename');
readableStream.on('data', function(data) {
  console.log(data);
});
readableStream.on('end', function() {
  console.log('end');
});

また、read([size])メソッドを使い

  var chunk;
  while (null !== (chunk = readable.read())) {
    console.log(chunk);
  }

のようにsizeバイトを指定(任意)して直接データを取得することもできます。

WritableStream

WritableStreamに対してはwrite(chunk[,encoding][,callback])を使いデータを書き込むことができます。

  • chunk {String | Buffer} 書き込まれるデータ
  • encoding {String} もし chunk が文字列なら、そのエンコーディング
  • callback {Function} データが掃き出された時に呼び出されるコールバック
  • Returns: {Boolean} データが完全に処理された場合は true。

このメソッドはデータを下層のシステムに書き込み、データが完全に処理されると 与えられたコールバックを一度だけ呼び出します。

戻り値は書き込みをすぐに続けていいかどうかを示します。 もしデータが内部にバッファリングされなければならないなら false を返します。 そうでなければ true を返します。

この戻り値は完全にアドバイス的です。 もしこれが false を返しても、あなたは書き込みを続けることが「できます」。 しかしながら、書き込まれたデータはメモリにバッファリングされるため、 これを過剰にしないことが最善です。 代わりに、より多くのデータを書く前に 'drain' イベントを待機してください。

次のコードは100万回dataを書き込む関数の例です。

function writeOneMillionTimes(writer, data, encoding, callback) {
  var i = 1000000;
  write();
  function write() {
    var ok = true;
    do {
      i -= 1;
      if (i === 0) {
        // last time!
        writer.write(data, encoding, callback);
      } else {
        ok = writer.write(data, encoding);
      }
    } while (i > 0 && ok);
    if (i > 0) {
      // 書き込みを再開してもよい適切なタイミングでdrainが発行される。
      writer.once('drain', write);
    }
  }
}

readable.pipe()

Readableから流れてくるデータをそのままWritableに書き込みたい場合はpipeを使うことができます。
例えばHTTPで受け取ったレスポンスをファイルに書き込みたい場合はrequest(url).pipe(fs.createWriteStream(fileName))というように書けます。

ストリーム、特に pipe() メソッドの目的は、データのバッファリングを 許容できるレベルに制限することです。そのため、様々な速度の入力元と出力先で、 利用可能なメモリを圧迫しません。

上の例で言えば、受信するスピードが書き込むスピードより非常に早かったとしてもpipeを使えばメモリを圧迫せずよしなにデータの流れを制御してくれます。
内部的には、上述の100万回書き込みのようにwriteの返り値や'drain'を監視しながら、Readableの流れを止めたり再開したりしています。

他のストリーム

Writable, Readableの他にDuplex, Transformがあります。

DuplexはWritableとReadableの両方の機能を持つストリームです。TCPのソケットやHTTPではクライアント側にしてもサーバ側にしても受信、送信ができるわけなので実装にはDuplexがよく使われています。

TransformはDuplexの子クラスで、データを変形して次に渡すストリームです。例えば、gzipの圧縮はTransformStreamであるgzipを使えば次のように出来ます。

var inp = fs.createReadStream('file.txt');
var gzip = zlib.createGzip();
var out = fs.createWriteStream('file.txt.gz');
inp.pipe(gzip).pipe(out);

##実装する側
Streamのクラスを作りたい場合は、各クラスを継承し必要なメソッドを実装しなければなりません。
(参考:Node.js v5.2.0 Documentation Stream#API for Stream Implementors)

継承するクラス 実装しなければならないメソッド
Readable _read
Writable _write
Duplex _read, _write
Transform _transform

これらのメソッドは子クラスが実装し、Streamの内部から良い感じのタイミングで呼び出されるもので、クラスの利用者や実装者が直接呼んではいけません。

ReadableStream

_read(size)は次のデータが読み込まれる時に呼ばれます。return chunkのように返り値にしてデータを渡したり、this.emit('data', chunk)のようにイベントを発行してデータを渡したり するのではなくthis.push(chunk)として内部で管理されているキューにプッシュします。こうすることで内部実装が良い感じのタイミングに'data'イベントを発行してくれたり、read([size])の返り値として適切にデータを返してくれます。

WritableStream

データが渡されてきたときに_write(chunk, encoding, callback)が呼ばれます。
chunkにはBufferかStringで書き込まれるチャンクが渡されます。
encodingはStringで、chunkがStringである場合にエンコーディング方式が指定されます。
callbackは、書き込みの処理が終わった時に呼ばなければならない関数です。

DuplexStream

_read, _writeの各メソッドをReadable, Writableと同じように実装します。

TransformStream

データが渡されてきたときに_transform(chunk, encoding, callback)が呼ばれるので、この入力チャンクを処理したものをpush(outputChunk)として出力し、処理が完了したときにcallbackを呼びます。

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