How to Build a Granular Multi-touch Attribution Model - The Databricks Blogの翻訳です。
あらゆる商品の成長の陰には、ファンとなっているユーザーベースの獲得および維持があります。顧客を獲得する際、可能な限りコスト効率が高い方法で質の高いユーザーを引き付けることがゴールとなります。様々なタッチポイント、キャンペーン、チャネル、クリエイティブに対するマーケティング予算の効果を継続することは困難です。言い換えると、どこに予算を割り当てるのが最適なのかを知ることは難しいということです。ここで、マルチタッチアトリビューションが役立ちます。
Databricksによるソリューションアクセラレータ:マルチタッチアトリビューションのご紹介
あらゆる業界における世界的なブランドとともに働くことで得られたベストプラクティスに基づき、我々は一般的な分析や機械学習ユースケースのためのソリューションアクセラレータを開発しました。これにより皆様のデータエンジニア、データサイエンティストたちが開発に費やすであろう数週間、数ヶ月を節約することができます。
マーケターや広告代理店は、以下のことについて責任を持ちます。
- マーケティング費用の投資に対するリターンを説明する
- 売上を向上させるために費やすマーケティングチャネルを最適化する
このソリューションアクセラレータは、マルチタッチアトリビューションを用いて、マーケティングチャネルに対する予算を正確に割り当て、マーケティング予算の最適化を支援することで、我々のSales Forecasting & Ad Attribution Solution Acceleratorを補完するものとなります。
広告に対するインプレッションとコンバージョンから構成される合成データセットを用いて、このソリューションアクセラレーターで以下のことを行います。
- 複数の顧客チャンネルに費やされる広告費を最適化するために用いられる一連の方法とともに、新たなマルチタッチアトリビューションモデルを紹介します。
- ファーストタッチアトリビューションモデル、ラストタッチアトリビューションモデルのようなヒューリスティックベースのアトリビューションモデル、マルコフ連鎖のようなデータドリブンの方法との比較を行います。
- ファーストタッチ、ラストタッチ、マルコフ連鎖アトリビューションモデルを実装します。
- お使いのDatabricksレイクハウス上でマルチタッチアトリビューションを実運用する際に必要となるステップをウォークスルーします。
- マーケターが様々なチャネルにおける費用を最適化する際に使用できるダッシュボードを作成します。
Databricks上でこのユースケースをデプロイすることで、バッチ・ストリーミング、生のデータ、整理されたデータなどあらゆるタイプのデータを容易に取り込むことができ、お好きなBIツールを通じて結果を可視化することができます。
図1: マルチタッチアトリビューションのリファレンスアーキテクチャ
アトリビューションモデリングに関して
顧客は買い物をする前にブランドと数多くのインタラクションを行なっています。このシナリオにおいては、我々はシンプルに顧客がコンバートする広告に予算を費やすべきでしょうか、あるいは、それぞれのインタラクションに対してある程度の割合を割り当てるべきでしょうか。後者の場合、それぞれのインタラクションに対して、どれだけの予算を費やしたら良いのかを決定できるのでしょうか?
これがアトリビューションモデルが解決する問題となります。
アトリビューションモデリングは、コンバージョンに至るパスにおける様々なタッチポイントに予算を割り当てるためのアプローチです。これによって、マーケターはカスタマージャーニーやトレンド、そして、見込み顧客がセールスサイクルをどの様に移動するのかを可視化し、理解できる様になります。ハイレベルにおいては、予算の割り当ては、2つの方法、ヒューリスティックあるいはデータドリブンのうちの一つを用いて行われることが典型的です。ヒューリスティックな方法はルールベースであり、データドリブンな方法では予算を割り当てるために確率と統計を用います。
一般的に用いられるヒューリステックな方法には以下のものが含まれます。
- ファーストタッチアトリビューションモデルは、コンバージョンに至る前に顧客が最初に使用したチャネルにすべての予算を割り当てるシングルタッチの方法です。
- ラストタッチアトリビューションモデルは、コンバージョンに至る前に顧客が最後に使用したチャネルにすべての予算を割り当てるシングルタッチの方法です。
- 線形アトリビューションモデルは、すべてのチャネルに均等に予算を割り当てるマルチタッチの方法です。
- 時間減衰モデルは、コンバージョンのイベントに近いチャネルに対して大きな予算を割り当てるマルチタッチの方法です。
ヒューリステックな方法は実装が比較的容易ですが、データドリブンの方法より精度は低くなります。マーケティング費用が重要である場合、データドリブンの方法を用いることを強くお勧めします。
一般的に使用されるデータドリブンの方法には以下のものがあります。
- マルコフ連鎖: このアプローチにおいては、それぞれのカスタマージャーニーを順序含めて考慮することで、すべてのマーケティングチャネル間の確率的グラフを生成します。確率的グラフが生成されると、それぞれのチャンネルの「除去効果」を計算することで、予算を割り当てます。
- Shapley: このアプローチでも、それぞれのカスタマージャーニーを考慮しますが、インタラクションが発生する順序は無視されます。
マルチタッチアトリビューションを実運用で活用する
マルチタッチアトリビューションの完全なる価値を理解するためには、現在進行形でマーケティング費用がどのように費やされているのかをガイドする様にアウトプットが活用されることが重要です。例えば、5つの異なるマーケティングチャネルに均等に費用を割り当ててキャンペーンをスタートしたとします。キャンペーン開始後、ある程度の時間が経過しあたとで、あるアフィリエイトのチャネルが極端に効率的であり、たった総予算の20%で、アトリビューションの39%を占めていることに気づきます。この洞察を得ることで、適切に予算の割り当てを調整し、より高い広告費用対効果(ROAS:return on ad spend)を達成することができます。
図2: データドリブンの予算割り当て
使い始めてみる
このソリューションアクセラレータの目的は、マルチタッチアトリビューションを用いてコンバージョンの金額をマーケティングチャネルに割り当てる方法をデモするというものです。お使いのDatabricksワークスペースにソリューションアクセラレータをインポートして試してみてください。