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ESP32でIoT機器を作成してみた(温度ロガー)

Last updated at Posted at 2023-07-03

はじめに

ESP32とは、Wi-FiとBluetoothを内蔵する低コスト、低消費電力なマイコンです。
お値段は、だいたい1,000円~2,000円くらいでしょうか。
このESP32に自由にモジュールを配線しプログラミングすることで、お手軽にIoTを開発することが可能です。

ということで、今回はマイコンの定番である温度ロガーを作成してみました。
ESP32に温湿度センサーを取り付け、計測した温湿度をWi-Fi経由で定期的にクラウド上のDBに登録します。

準備するもの

ESP32-DevKitC WROOM-32E(Espressif Systems)

マイコン本体です。
ネットで簡単に買えます。
秋月電子通商さんのネット通販サイトから購入しました。
1,600円くらいでした。

ESP32-DevKitC.png

DHT11(Aosong Guangzhou Electronics Co., Ltd.)

温湿度センサーモジュールです。
秋月電子通商さんのネット通販サイトから購入しました。
500円くらいでした。
DHT11.png

ブレッドボード(サンハヤト SAD-101)

ESP32と各種モジュールを直接ハンダで配線することも可能だと思いますが、ブレッドボードであればピンを刺すだけで配線できるため、ブレッドボードがあると便利でしょう。
Amazonで500円くらいでした。
※!!注意!!※
 よく知らずにEIC-801のブレッドボードを買ったら、ESP32-DevKitCが大きすぎて配線できませんでした。
 SAD-101なら無事配線できたので、こちらをおすすめします。

ブレッドボード SAD-101.png

ジャンパーワイヤ(オス-オス)セット 10cmセット

ブレッドボード上で電気回路間をつなぐ電線です。
秋月電子通商さんのネット通販サイトから購入しました。
180円くらいでした。

ジャンパーワイヤ.png

USBケーブル 2.0 A-microB

ESP32の電源用と、ESP32とPCを繋いで開発を行います。
充電専用のケーブルではデータ通信できないので、データ通信に対応したケーブルを購入しましょう。
Amazonで250円くらいでした。

image.png

開発環境

Arduino(Windows)

Arduino IDEを使用してESP32の開発を行います。
環境構築は下記サイトを参考に行いました。
https://interface.cqpub.co.jp/esp32-arduino-ide-2/

データベース

Azure SQL Databaseを使用。
下記のテーブル「temperatures」を用意し、そこに測定した温度湿度を記録していきます。

Column Name Data Type 備考
id bigint ID
chipid nvarchar(50) ESP32デバイス識別用
temperature float 気温
humidity float 湿度
create_at datetime 計測した日時

データベース操作用API

Azure Functionsを使用。
REST APIで作成し、Json形式の温度、湿度のデータをPUTメソッドでアップロード。
なぜPUTかというと、頻繁にデータをアップして10分間の平均値としてデータを更新する仕様にしたためです。
また、GETメソッドで温度、湿度のデータを取得するAPIです。
メインテーマじゃないため詳細は割愛。

温度グラフ表示用サイト

React react-chartjs-2を使用。
上記APIから取得した温度湿度のデータをグラフ表示させます。
メインテーマじゃないため詳細は割愛。

配線

こんな感じで配線しました。
image.png

  • DHT11の1番ピンとESP32の3V3(電源)を接続。
  • DHT11の2番ピンがデータI/O用のピンなので、ESP32の4番ピンと接続。
  • DHT11の3番ピンはEmptyなので使用しない。
  • DHT11の4番ピンとESP32のGNDを接続。

赤のワイヤーが電源。
黒のワイヤーがGND。
緑のワイヤーがデータI/O。

20230703_021220000_iOS.jpg

ESP32にUSBを接続すると、電源LEDが赤く光ります。
photo.jpg

Arduino IDEで実装

ESP32をWi-Fiにつなぎ、DHT11から取得した温度湿度をHTTPでデータをPUTするプログラムです。

Arduino IDEにDHT11ライブラリをインストール

Auduino IDEのライブラリマネージャにて、「DHT」と検索して、「DHT-sensor-library」をインストールします。
このライブラリを利用して、DHT11から計測数値を取得します。

ソースコード

#include "DHT.h"
#include <WiFi.h>
#include <HTTPClient.h>
#include "ArduinoJson.h"

// APIのURL
#define API_URL "https://???.azurewebsites.net/api/tempratures"

#define DHTPIN 4        // DHT11の通信ピンを繋いだピン番号
#define DHTTYPE DHT11   // DHT 11

// DHTセンサーの初期化
DHT dht(DHTPIN, DHTTYPE);

// Wi-Fi接続情報を入力(IPアドレス自動取得)
const char* ssid = "****";
const char* password = "****";

uint64_t chipid;  // ESP32固有のチップID保管用

void setup() {
  // シリアル通信のデータレート設定
  Serial.begin(9600);
  Serial.println(F("DHTxx test!"));

  // センサー初期化
  dht.begin();

  // チップID取得
  chipid = ESP.getEfuseMac();
  Serial.println(F("getEfuseMac"));
  Serial.println(chipid);

  // Wi-FiのモードをSTAに設定
  WiFi.mode(WIFI_STA);
}

void loop() {
  // 10秒待つ
  delay(10000);

  // 温度の読み込みに250ミリ秒 ~ 2秒かかるらしい
  float h = dht.readHumidity();      // 湿度の取得
  float t = dht.readTemperature();   // 温度の取得

  // データチェック
  if (isnan(h) || isnan(t)) {
    Serial.println(F("Failed to read from DHT sensor!"));
    return;
  }

  Serial.println(F("read from DHT sensor!!"));

  // APIの仕様にあわせてJsonデータを作成
  StaticJsonDocument<200> doc;
  doc["chipid"] = chipid;
  doc["temprature"] = t;
  doc["humidity"] = h;

  String json;
  serializeJson(doc, json);

  // APIをコールしてJsonデータをアップロード
  HTTPClient http;
  if( !http.begin(API_URL) ) {
    Serial.println(F("Failed HTTPClient begin!"));
    return;
  }
  http.addHeader("Content-Type", "text/plain");

  // Wi-fiが切れやすいので、毎回接続を試みる
  int retry_count = 0;
  int httpResponseCode = -1;
  while(httpResponseCode < 0 && retry_count++ < 50) {
    wifi_connect(false);
    // データをPUTする
    httpResponseCode = http.PUT(json);
    if( httpResponseCode < 0 ) {
      Serial.println(F("PUT Failed"));
      Serial.println(httpResponseCode);
      wifi_connect(true);
    }
    delay(500);
  }
  Serial.println(httpResponseCode);
  Serial.println(WiFi.status());
}

void wifi_connect(bool reconnect) {
  if( !reconnect && WiFi.status() == WL_CONNECTED ) {
    Serial.println(F("wifi already connected"));
    return;
  }

  if( reconnect ) {
    WiFi.disconnect();
    delay(500);
    Serial.println(F("wifi reconnect"));
    WiFi.reconnect();
  }
  else {
    Serial.println(F("wifi connect"));
    WiFi.begin(ssid, password);
  }

  while (WiFi.status() != WL_CONNECTED) {
    delay(500);
    Serial.print(".");
  }
  // 取得したローカルIPアドレスをシリアルに出力
  Serial.println(F(""));
  Serial.println(F("WiFi connected."));
  Serial.println(F("IP address: "));
  Serial.println(WiFi.localIP());
}

Arduino IDEからESP32に書き込み

IDEの左上のボタンから書き込みを行います。
image.png
コンパイルに少し時間がかかります。
image.png
エラーなく書き込みが終わると、コードが実行されます。
Serial.printで出力した文字がシリアルモニタに表示されたら成功です。
image.png
Wi-FiにつながるとローカルIPが表示されます。
image.png

データも無事に書き込まれました。
image.png

ということで、DBのデータをreact-chartjs-2でグラフ表示してみました。
※created_atがUTCのため、グラフは日本時間表記です。
image.png

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