この記事はマイネット Advent Calendar 2016 10日目に寄稿しています。
どうも、どん斉藤という名のクラウドインフラが好きなエンジニアです。
はじめてQiitaに書いてみました。Markdownとか御洒落すぎて慣れてないので
bashで書きたい気分ですが頑張って書いてみます。
#!/bin/bash
echo "億万長者になりたい。" > /dev/null
echo "肉が食べたい" | wall
yum update 俺
shutdown -r now
今年もAWS最大のイベント re:Invent がラスベガスでありました。
参加している日本の方も年々増えているようで、
私のタイムラインもre:Inventだらけとなっておりました。
毎晩お祭り騒ぎで、カジノで遊んでいるんだろうなって思うと羨ましくて。
さて、今年も面白そうなサービスが色々と発表されましたが、
その中で今回の記事ではLightsailに注目してみました。
ところで、Lightsailのプランやスペックを見てどっかで見た事あるなーと思った方、結構居るのではないでしょうか。
少なくとも私は、あれ?これってどっかで見たなと思った1人です。
##1.Lightsailはt2ファミリーと違うのか確認してみた
Lightsailのスペックですが、何処かで見た思い出があります。
インスタンスタイプ一覧を見て納得。EC2のt2ファミリーと同じなんですよね。
で、で、t2ファミリーじゃないかという仮説を元に調べてみました。
インフラ環境をdmidecode
で比較してみました。
「表1:インフラ環境」
名前 | 環境 | CPU |
---|---|---|
LightSail | Vendor: Xen /Product Name: HVM domU | Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2676 v3 @ 2.40GHz |
t2ファミリー | Vendor: Xen /Product Name: HVM domU | Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2676 v3 @ 2.40GHz |
うーん。一緒のようです。
次にhdparm -Tt device
とdd if=/dev/zero of=./test count=1000000 bs=1024
で
Disk性能を比較してみました。(10回実行し、2回目以降の最高値を記録)
名前 | Read | Write |
---|---|---|
LightSail($80) | cached reads: 10428.31 MB/sec / buffered disk reads: 161.85 MB/sec | 1GB書き込み 127 MB/sec |
t2.large | cached reads: 10310.62 MB/sec / buffered disk reads: 162.52 MB/sec | 1GB書き込み 127 MB/sec |
ほぼ一致しています。I/O制限のかかりっぷりといい、性能面ではt2相当です。
EC2はElasticで自由な設計が可能ですが、LightsailにはEC2ほどの自由度はありません。
例えばDiskサイズを増やしたりという事は出来ないようです。(2016/12/09現在)
ただし、自由度は少ないですがEC2よりも安い金額設定は魅力です。
EC2はトラフィックが課金されますが、Lightsailは各プラン毎に無料転送が付属しています。
例えば$5プランであれば、1TB分の転送量は課金されません。
1TBを超えたらOUTトラフィック(Globalへの通信)に対して$0.09/1GBが課金されます。
それぞれのプランに合った転送量が付属されている為、よほど転送量が大きなコンテンツ以外は、
為替リスク以外で大きな料金の変動は無いかと思います。
それ以外にも
- GlobalのIPもStaticで1つ無料で付与する事が可能。
- 簡単インストール機能?もついており、Wordpressをはじめ主要CMSは予めインストールされた状態で、VPSを起動することも出来る。
- 予め必要な設定も施されているので、EC2で色々と設定しなければならない事は気にしないで運営可能。
という訳でレンタルサーバーでCMS運用していてマルチドメインでまとめたい方など、
Web/DBを1つのサーバで運用するようなコンテンツには、マッチングすると思います。
まとめると「EC2から小難しい事を取っ払って簡単にサーバー作れるけど、拡張性は少ないt2インスタンス。」という。
EC2とLightsailでは使用する目的用途が違うというイメージになりました。
##2.DigitalOceanと比較してみた
プランを見たときに驚いた人も多いのではないでしょうか。
**DigitalOceanと丸被りやん!**という話ですね。
ちなみに知らない方も居るかもなのでプランを貼っておきますが。
DigitalOceanのプラン一覧
Lightsailのプラン一覧
ここまで同じなら比較してみたくなるのがエンジニア。
という訳で似たところでVultrも追加して比較してみました。
比較は面倒くさかったので時間が無かったのでDiskスピードで見てみました。
名前 | Read | Write |
---|---|---|
LightSail($80) | cached reads: 10428.31 MB/sec / buffered disk reads: 161.85 MB/sec | 1GB書き込み 127 MB/sec |
DigitalOcean($80) | cached reads: 7664.30 MB/sec / buffered disk reads: 908.94 MB/sec | 1GB書き込み 286 MB/sec |
Vultr($80) | cached reads: 9877.87 MB/sec / buffered disk reads: 448.98 MB/sec | 1GB書き込み 360 MB/sec |
こう比べてしまうと、やはりt2ファミリーの弱みが見えてしまいました。
とはいえ、LightsailはAWSサービス群やVPCpeeringなども使えるので目的用途で使い分ければ良いと思います。
まとめ
というわけでだらだらと書いてきましたがまとめに入りたいと思います。
Lightsailを使ってみて一番驚いたのはコントロールパネル。
マネージメントコンソールがユーザーフレンドリーとは言い辛いので、
Lightsailのコンパネはとても良く見えます。
とにかくシンプルで、しかもページ遷移がめちゃくちゃ速いです。
このストレスって意外に大きかったりするので結構感動します。
レンタルサーバーからの移設やCMSをちょろっと触って検証したい時など、
利用出来るシーンは沢山ありますので触る機会は結構ありそうです。
ただし、EC2感覚で設計したりすると色々と制限がありますのでご注意を。
IDCFクラウドは、やっぱり速い
あ、速いは正義で思い出しましたが、日本で速いクラウドといえばIDCFクラウドがあります。
実は私、IDCFクラウドのアンバサダープログラムにも参加していまして。
IDCFクラウドも500円で20GBという訳でVPSではないですが、ついでに比較してみました。
1 | 2 | 3 |
---|---|---|
LightSail($80) | cached reads: 10428.31 MB/sec / buffered disk reads: 161.85 MB/sec | 1GB書き込み 127 MB/sec |
DigitalOcean($80) | cached reads: 7664.30 MB/sec / buffered disk reads: 908.94 MB/sec | 1GB書き込み 286 MB/sec |
Vultr($80) | cached reads: 9877.87 MB/sec / buffered disk reads: 448.98 MB/sec | 1GB書き込み 360 MB/sec |
IDCFクラウド(Light.S1) | cached reads: 9925.70 MB/sec / buffered disk reads: 947.10 MB/sec | 1GB書き込み 508 MB/sec |
さすが速さにこだわるIDCFクラウド。爆速ですね。
旅だったらゆったりのんびりでも良いんですけどねー。
インフラだったら、まぁやっぱり速いほうが良いですね。
という訳で、miki-yさんにバトンを渡そうと思います。
尚、今回の比較結果は実行する時間によって変化します。参考までに受け取って頂ければ幸いです。
それでは皆さん、よいクラウド構築を。
logout