はじめに
NVR700W をはじめとするネットボランチシリーズには、NTTのフレッツルーターのようにIP電話やVoIPアダプタを子機としてぶら下げる機能がありません。
電話機やFAXをルーターから離れた場所に置きたい場合、電話だけならコードレス対応のアナログ親子機を使うことで対処できますが、FAXプリンタを別の部屋に置きたい場合は割と頭を悩ませてくれる相棒です。。
SIPが無ければカスケードを使えばいいじゃない
SIPサーバとなることは出来ませんが、NVR700W には「カスケード接続」機能が搭載されています。
カスケード接続を使用することでLAN内に複数あるルーターのうちの 1 台が他のルーターのTELポートおよびアナログ回線 / ISDN回線のアナログ通話を一括管理することができます。
別のルーターを電話子機扱いできるので、これを使うことで子機1台あたりアナログポートを2つ増設したように見せられます。
カスケード接続は、親機となる管理ルーターを含めて9台以内とする必要がありますので、子機として使えるルーターは最大8台となります。組み合わせるルーターはネットボランチシリーズに限定されますが、RT57i / RT58i / NVR500 / NVR510 / NVR700W 等の比較的古いモデルから最新のモデルまでカスケード接続することが出来ます。
※RT58i / NVR500 / NVR700W の組合せでカスケード接続できることを確認。
RT58i あたりはネットオークションで比較的安価に入手できるので、LANポートにギガが欲しい等のこだわりがなければカスケード子機用として調達してみるのも良いと思います。押入で休眠させている人はぜひ引っ張り出してみてください。
NVR700W をカスケード親機にする
NVR700W をカスケード接続の親機にします。
ダッシュボード>詳細設定>IP電話>カスケード接続 と設定画面を開いて「カスケード接続モードの設定」へ進み、接続モードを「アナログ親機モード」とします。
既にカスケード子機として設定されたルーターがLAN内にあれば、「カスケード接続している機器の一覧」に表示されてくるはずです。
※子機の設定後、必要に応じて子機毎の内線番号と外線発信のプレフィックスを設定してください。
ネットボランチシリーズのルーターを子機にする
NVR500 を子機として設定してみます。
RT58i でも設定画面は似たり寄ったりなので、手順はほぼ同じです。
NVR500のトップ画面から、電話の設定>TELの共通設定>カスケード接続の設定 と設定画面を開き、次の設定を行ってください。
- 機器間アナログ通話モードの設定を「アナログ子機」に
- 通信可能なアナログ親機としてNVR700WのIPアドレスを
アナログ親機は通常「自動」の設定でIPアドレスが検出されますが、うまく検出されない場合は手動で設定してください。親機側で「カスケード接続している機器の一覧」に表示されるようになれば、動作可能な状態になっているはずです。
子機側への外線番号割り当て、外線から子機側への着信などは親機側で別途設定を行ってください(ひかり電話など)。
子機側のルーターからntpやアップデートサイトにアクセスできるようにしたければ、各ルーターにデフォルトゲート等のルーティングを追加してください。RIPプロトコルを有効にすることで解決できるかもしれませんが、当方環境だとRIPを有効にした状態でカスケード接続していると外線発着信のおかしくなることが度々あったので(親機再起動で直るがしばらくするとまた再発するような状況)RIPを使わずルーティング追加で対応しています。