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QRadar uDSM(標準外のログ)取り込み

Last updated at Posted at 2024-04-12

QRadarでのサポートされているログ

QRadarが標準でサポートしているログ種別は、DSM(Device Support Module)が対応します。
Google検索等で[Qradar supported DSM]と検索すると、ログ取り込みする際に開発いらずでパーシングされるログタイプ(製品名、ソフトウェアバージョン、プロトコル、ログフォーマット等)が確認できます。
https://www.ibm.com/docs/ja/dsm?topic=configuration-qradar-supported-dsms 
の一覧に含まれている場合には、QRadar側で何もせずともログ取り込み、ログ正規化、QRadarでのフィールドマッピング、ルールでの利用ができます。
しかし、リストに無いログに関してはuDSM開発が必要となります。
uDSMとは、universal Device Support Moduleの略であり、QRadarが標準でサポートしているログ種別以外を取り込みパーシングするために利用されます。

サンプルログをQRadarに取り込む

サンプルログ

QRadarにSSHログインして、以下の4行のログをPhysicalAccess.syslogという名前で保存する。

15/sep/2020:11:56:11	Location:HDQ	ID:046	Name:Susan Cameron	Entrance:Cafeteria	Access:Granted	Direction:In
15/sep/2020:12:02:31	Location:HDQ	ID:112	Name:Anthony Pease	Entrance:Main Entrance	Access:Granted	Direction:In
15/sep/2020:12:07:45	Location:HDQ	ID:828	Name:Eric Williams	Entrance:Back Door	Access:Denied	Direction:In
15/sep/2020:12:11:13	Location:HDQ	ID:046	Name:Susan Cameron	Entrance:Alley Garage	Access:Granted	Direction:Out 

サンプルログをQRadarに取り込む

/opt/qradar/binディレクトリに存在しているlogrun.plを使ってログをQRadar自身に流す。
Note:
PhysicalAccess.syslogファイルの中身のログを上から下に対して読み込んでログを投げる。
元の時間を表すタイムスタンプの他にQRadarが現在の時間をヘッダーにつける

/opt/qradar/bin/logrun.pl -f PhysicalAccess.syslog -l -u 10.0.120.12 2


More information about the logrun.pl utility:

logrun.pl [-d <host>] [-p <port>] [-f filename] [-u <IP>] [-l] [-t] [-b] [-n NAME] [-v] <messages per second>

Options:
-d : destination syslog host (default 127.0.0.1)
-p : destination port (default 514)
-f : filename to read (default readme.syslog)
-b : burst the same message for 20% of the delay time
-t : use TCP instead of UDP for sending syslogs
-v : verbose, display lines read in from file
-n : use NAME for object name in syslog header
-l : loop indefinately
-u : use this IP as spoofed sender (default is NOT to send IP header)

ログの確認

QRadarのWebUIで[ログ・アクティビティ]をクリックする。
以下スクリーンショットのように[イベント名:Unknown log event]が発生するので右の赤枠のボタンを押してポーズする。対象のイベントをダブルクリックする。

image.png

以下のようにイベントの中身を確認することができる。
[Payload Information]は、送信した生ログ

image.png

DSM Editorを使ったログソースタイプの作成

WebUIから[管理]->[DSM Editor]とクリックする。

image.png

[Create New]をクリックする
ファイル名

[Log Source Type Name]に"Physical Access"と入力して[Save]をクリックする。
ファイル名

[Cancel]で画面を閉じる。
ファイル名

[Cancel]ボタンをクリックしてDSM Editorを閉じる。
image.png

ログソースの追加

WebUIから[管理]->[Log Sources]とクリックする。
image.png

[Log Sources]をクリックする。
ファイル名

[+New Log Source]をクリックする。
image.png

[Single Log Source]をクリックする。
ファイル名

[Physical Access]を選び[Step2: Select Protocol Type]をクリックする。
ファイル名

[Syslog]を選び[Step 3: Configure Log Source Parameters]をクリックする。
ファイル名

[Name]に"Physical Access Headquarter"と入力、[Description]に"Physical Access Control System"と入力する。
image.png

一番下までスクロールして、[Coalescing Events]をOffにする。[Step4: Configure Protocol Parameters]をクリックする。
image.png

[Log Source Identifier*]に"10.0.120.12"と入力して、[Finish]ボタンをクリックする。
image.png

以下のようにログソースが作成されたことを確認する。IDは自動採番される。
image.png

[管理]に戻ると、黄色で[There are undeployed changes..]というメッセージが出るので、[Deploy Changes]をクリックする。
image.png

以下の画面で数分待つ。
ファイル名

DSM Editorでのイベントプロパティ設定

QRadar CLIにて再度logrun.plで同じコマンドを実行する。

/opt/qradar/bin/logrun.pl -f PhysicalAccess.syslog -l -u 10.0.120.12 2

QRadarのWebUIの[ログ・アクティビティ]にて今度は、[Event Name]が"Physical Access Messages",[Log Source]が"Physical Access Headquater"に変わったことを確認する。この状態は、[Low Level Category]が"Stored"なのでログ正規化が行われていないと解釈できる。
image.png

右のボタンでログの流れを停止させ、該当ログを選択した後に[Action]->[DSM Editor]ボタンをクリックする。
image.png

以下の画面に遷移することを確認する。
image.png

右のレンチマークをクリックして、[Parsing Status],[Event ID],[Log Source Time],[Username]だけに☑がはいる状態にしてUpdateボタンをクリックする。
(ここに表示されるのはデフォルトでQRadarが定義しているイベントフィールドで、今回のサンプルログで利用するフィルードだけを表示するようにする)
image.png

以下の画面のようになることを確認する。

image.png

ログの正規化において最低でもEventIDがマッピングされている必要がある。
左のパネルから[Event ID]を見つけて▼をクリックし、[Override system behavior]に☑を入れる
image.png

サンプルログの種別として以下の3種類があるためそれらをEventIDとして定義する。

  1. Access:Out:Granted
  2. Access:In:Granted
  3. Access:In:Denied
    Expressonは、正規表現で記述する。Format Stringは、正規表現でマッチしたグループ番号を$で定義する。
    [Expression]に\tAccess:(Granted|Denied)\tDirection:(In|Out)
    [Format String]に$2:$1
    を入れて[OK]ボタンをクリックする。
    image.png

[Parsing Status*]が[Parsing Failed]から[Parsed but Not Mapped]に変わったことを確認する。
image.png

同じ要領で[Username]を次の通り定義するし[OK]ボタンをクリックする。
[Expression]にName:(\w+\s\w+)\s
[Format String]に$1
image.png

以下のように[Username]に文字列が入ることが確認できる。
image.png

同じ要領で[Log Source Time]を次の通り定義するし[OK]ボタンをクリックする。
[Expression]に\s(\d{2}/\w{3}/\d{4}:\d{2}:\d{2}:\d{2})\tLocation:
[Format String]に$1
[Date Format]にdd/MMM/yyyy:HH:mm:ss

image.png

以下のようになることを確認する。
image.png

DSM Editorでのイベントマッピング

ここまでの手順で、ログのフィールドをQRadarが持っているイベントカラムにマッピングすることができた、しかしまだEventIDがQradar上のQIDとマッピングができていないためマッピングを行う。
QIDには、[High Level Category],[Log Level Category],[Severity],[Event Name],[Description]の定義が含まれる

[Event Mappings]をクリックする。
image.png

[+]ボタンをクリックすると小さいウィンドウが立ち上がる。
image.png

[Choose QID...]をクリックする。
ファイル名

QID Recordsで[Search]ボタンをクリックするとQRadarが持っているQID全部を表示できる。対象のログソースが既存のfirewallやwindowsと同じような意味合いのものであれば[Search]して出てきた近しい意味合いのものを選択することができる。今回は、既存のものと違うため新にQIDを作成する。

[Create New QID Record]をクリックする。
image.png

Name:Physical Exit Permitted
Log Source Type: Physical Access
High Level Category: Access
Low Level Category: Access Permitted
Severity:2
[Save]ボタンをクリックする。
image.png

QIDが自動で採番される。[OK]をクリックする。
image.png

[Create]ボタンをクリックする。
ファイル名

[Parsing Status*]が[Parsed and Mapped]に変わることを確認する。
image.png

その他2つのEvent IDは以下の表のとおり同様の手順でイベントMappingする。
image.png

全ての[Parsing Status*]が[Parsed and Mapped]に変わることを確認する。
[Save]ボタンをクリック。[Close]ボタンでDSM Editorを閉じる
image.png

uDSM作成後のログ確認

Unknownだった項目に値が入ることを確認する。
image.png

これまで定義してきた項目(Event Name,Severity,Username,Log Source Time)が正しく表示されることを確認する。
image.png

これまで定義してきた項目(QID,EventID)が正しく表示されることを確認する。
image.png

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