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NECソリューションイノベータAdvent Calendar 2024

Day 5

リスボンで行われたWebSummit2024へ行ってみた

Last updated at Posted at 2024-12-04

本記事はNECソリューションイノベータ Advent Calendar 2024の12/5の記事です。

ポルトガルのリスボンで行われたWebSummit2024に参加してきたので、簡単なレポートです。

イベント概要

「Web Summit」は、ポルトガルの首都リスボンに150を超える国々から7万人以上が集結する欧州最大級のテックカンファレンスです。
今年は参加するスタートアップの数は3,000以上、参加する投資家の数は1000を超え、世界でも有数のテックカンファレンスとして認知されています。

開催期間

2024/11/11〜14

開催場所

ポルトガル・リスボン

トラック

2024年のトラックは以下15種類。

  1. AI Summit
  2. Commerce Summit
  3. Corporate Innovation Summit
  4. Creative Summit
  5. Developer Summit
  6. Fintech Summit
  7. Government Summit
  8. Growth Summit
  9. Marketing Summit
  10. New Energy Summit
  11. New Media Summit
  12. New Venture Summit
  13. People Summit
  14. SaaS Summit
  15. Startup Summit

主要な技術トレンド

カンファレンス全体を通じて、私自身が見られた範囲で以下の技術トレンドが特に注目されていたように感じました。

AI

  • AIの進化とその社会への影響について、EUでの開催の影響もあると思うが、哲学や倫理観や法律などの観点でのディスカッションが目立った
  • AIが様々な業態の企業活動にどのように統合されているか(統合されていくか)というセッションが多数あり、特に製造業やサービス業、業務としてはマーケティング領域での応用例が多かった印象
  • IT系の企業では、センターを作ってAIノウハウの蓄積をするだけでなく、企業内ガバナンスを働かせる取り組みも見られた
  • AI Agentが多く、個人や自社のデータを活用して業務などを支援するAIソリューション(LLM)が多くみられ、特に営業系(Sales&Marketing)、人事系(採用)、法務などスタッフ系業務のAI Agent化がトレンドにあった

サステナビリティとグリーンテクノロジー

  • 初日の開催イベントでは、CO2からジェット燃料生成する技術など、最新の技術動向が紹介された
  • センターステージでのパネルディスカッションにおいて、都市計画におけるサステナビリティの重要性とテクノロジーが果たす役割についてのディスカッションがいくつか行われていた

フィンテックとデジタル通貨

  • 暗号通貨やブロックチェーン技術の進展による金融業界への影響が取り上げられていた
  • テクノロジーを活用し銀行がない地域や低銀行化地域(人口減少による銀行が近隣になくなる状態)に対して、金融サービスへのアクセス拡大にディスカッションがあり、銀行が少ない地域課題に対するスタートアップもいくつか展示されていた

ヘルステックとバイオテクノロジー

  • 欧州でもヘルス、ウェルビーイングのトレンドがあり、多くのスタートアップが健康アプリを提供して、エクササイズや教育コンテンツを提供をしている。AI-PoweredやPersonalizedというのもトレンドワードとして多く使われていた
  • 健康アプリプロバーダーの差別化要素として、肥満向け、子供向け、女性向けなど特定のターゲットに絞ることが多い
  • 多くのヘルスケアスタートアップのビジネスモデルはSaaS型で、B2B(医療機関、企業向け)とB2Cの両方をやっていることろが多かった
  • 企業向けの場合は、社員の健康による生産性向上やバーンアウト回避などが購入理由であるとのこと

スタートアップの動向

生成AIの進化と活用

多くのスタートアップが生成AIを利用し、課題解決に役立つプロダクトを開発している印象です。

マーケティングの領域や、パーソナライズされたユーザ体験、教育分野への適用など様々な分野で対応されてきていました。

中小企業向けソリューションの増加

生成AIにより、特化した業務であっても割と容易に課題解決が実現できるようになってきたからなのか、製造業などの中小企業のデジタル化になかなか踏み込めなかった課題や、教育事業など今までは高い利益をあげられなかった領域の課題まで解決するソリューションが増加してきてる印象でした。

ニッチ市場へのアプローチ

船舶用スマートアンカーやスポーツリクルーティングなど、特定のニッチ市場を狙ったソリューションが目立ってました。

まとめと所感

EUのイベントだけあって、テクノロジーの未来の話だけでなく、倫理観や法律も含めた未来の話を聞くことができ、技術戦略においてはその視点も重要であることを再認識することができました。

その中でもAGI(汎用人工知能)の必要性についてのディスカッションがあり、人間の価値観を逸脱したAGIが発生するリスクがある中で

  • 本当にAGIが必要なのか?
  • やはり仕事は人間がやるべきでAIはあくまで人間の仕事をサポートをするレベルでいいじゃないか

という提言もあり、テクノロジーは進化をすればいいだけじゃないということに気付かされました。

また、AIと人間の関係性について、とあるスピーカーが「テクノロジーの変化に対応するのも人間がすること」という表現をしていたのが印象に残っています。

実際に現地に行って直接スタートアップの人と会話をしたり、どんなことにみんなが集まって話を聞いているのかを直接見ることで、今の市場がどういう方向に向かっているのか、何にみんなは熱量があるのかを肌で感じることができ、また来年もできたらWebSummitに参加できたらなと強く思いました。

#本記事の内容は個人的な所感や感想であり、組織の公式見解ではありません。

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