はじめに
私はここ2年ほど生成AIに携わっていますが、これまで別領域の仕事をしていたこともあり、生成AI関連の知識がいまいちストックできていないような感覚がありました。
これに対し、参考資料をリンク集としてまとめ、その内容を、部署内チャットで定期投稿することで、自身の知識の蓄積・整理ならびに同僚への共有ができたため、どんなことをしたのかまとめてみようと思います。
やったこと
スケジュール
インプットは5月ごろから始めて個人的にメモをまとめていました。
アウトプットは9月から平日毎日投稿を始めました。9月、10月は毎日投稿できましたが、11月はネタ切れして投稿できず、それ以降は隔月での毎日投稿に切り替えました。
インプット編
記事の収集
自己研鑽の一環として、X(旧Twitter)のアカウントを作成し、LLM関連の情報を発信しているユーザーをフォローしました。流れてくる投稿の中で気になるものばブックマークしておき、空き時間に読んでメモしました。また、業務中に調べた記事も同様にメモを残しました。
記事の読解
記事を読んだら、記事の概要あるいは感想を書くようにしました。文字数は特に気にしていませんでしたが、大体100~300文字程度でした。いまいち理解が出来なかった記事や、必要になった際に再度読みたい記事は、リンクをメモするだけに留めました。
論文については、論文解説記事を読んで、元の論文も読めそうなら読むようにしています。英語論文はHTML形式だとブラウザ翻訳が使えるため(英語が読めない人間としては)スキミングしやすいです。Arxivの論文はHTML(experimental)形式で閲覧できるものもあり、それを利用しています。HTML形式が利用できない場合は、ar5ivを使用するなどしました。
リンクのまとめ方
最初は日報にメモをしていました。リンクとコメントをカテゴリ分けして追加し、整理にあまりこだわらず記載しました。
最終的には、Microsoft Listに移行しました。テーブル形式でまとめられてタグ付けやフィルタ、検索が可能であり、他の人と共有するうえでよさそうだったので採用しました。
アウトプット編
記事に対するコメントとリンクを部署内のSlackのrandomチャンネルに投稿しました。randomチャンネルに参加している部署のメンバーは46名で、うちAIチームのメンバーは11名です。
部署内のSlackにしたのはすでに何でも投稿できる場所として存在していたため障壁が少なかったことと、AIチーム以外にも生成AIに興味を持っている人がいることが観測できていたためです。
時間は予約投稿で12:00に投稿するようにしました。リモートワークが主体の部署なので、時報的な役割と気が向いたらご飯食べながら眺める人もいそうかなという期待からこの時間に設定しました。
結果
チャットでの投稿について、一部の同僚から「興味深く見させてもらっている」、「案件に関係する内容が流れてきて参考になった」というフィードバックを頂きました。
一応集計した結果も載せておきます。投稿の3回に1回は誰かしら反応1を示してくれているようです。
項目 | 値 |
---|---|
投稿反応率 (反応があった投稿1/全投稿) |
30% (23/80) |
メンバー反応率 (投稿に反応したメンバー数/randomに参加しているメンバー数) |
28% (13/46) |
アクティブメンバー反応率 (投稿に反応したメンバー数/アクティブメンバー数2) |
57% (13/23) |
反応AIチームメンバー率 (AIチームメンバー/投稿にリアクションしたメンバー数) |
38% (5/13) |
感想
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目標と難易度の設計
月に何回投稿みたいな件数ベースの目標ではなく、毎日投稿という目標にしたことで先送りせずに実施できたように思います。また予め投稿できる内容をメモとしてまとめていたのでスタートダッシュで躓かず続けられました。 -
予約投稿の利点
randomチャンネルは何でも投稿できる場所ですが、繊細な人間からすると、全体メッセージを送信するのに若干躊躇することがあります。しかし、予約投稿ではボタンを押す瞬間と実際に投稿される瞬間が異なるため、心理的抵抗が下がって良かったです。また予約投稿の内容が一覧表示できるので、毎日投稿する際のリスト管理としても便利でした。 -
投稿を続けることによる発見
投稿を続けていると、思ってもない投稿に思ってもない人から反応が付いたりして、自分の想像と他の人の興味の差に新たな発見があり面白かったです。 -
投稿の周期と時間
毎日投稿する場合、毎月は続けるのはネタ切れになり無理で、インプットする月とアウトプットのする月の隔月周期で限界かなという感想です。また内容に目を通して理解して自分の言葉でコメント書こうとすると、何度か読み返したりして意外と時間が掛かってしまいました。
おわりに
今回の取り組みを通じて、生成AIに関する知識をチーム内で共有することができました。投稿を続けることで、自分自身の知識も深まり、同僚からのフィードバックを得ることができました。
インプットとアウトプットのモチベーションになったものの、ややインプット過多になってしまったかなと思うので、投稿した記事のリストをもとに、適切なタイミングで咀嚼してアウトプットできる方法を模索したいと思います。