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Google Analytics 4 (GA4) のデータ探索を最大限に活かすためのガイド

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1. はじめに

背景

Webサイトやアプリのパフォーマンスを正確に把握し、改善するためには、信頼性の高いデータ分析が欠かせません。私自身、実際にGA4のデータ探索を活用して様々な分析を行う中で、その必要性を実感しました。しかし、データ探索を行うなかで、いくつかの「疑問」や「理解が曖昧な点」が多々ありました。なので、こうした経験から、GA4のデータ探索についての理解を深め、その有用性や具体的な活用方法を共有することで、同じようにデータ分析に取り組む方々の助けになればと思い、本記事を書くことにしました。

本記事では、GA4のデータ探索を中心に、その活用方法や分析手法について解説します。具体的には、データ探索を通じて何ができるのか、どのような知識が必要なのかを明らかにし、いくつかの実践的な活用方法を紹介します。これにより、読者の皆様がデータ探索を効果的に活用できる手助けとなることを願っています。

GA4を導入する目的

GA4を導入する主な目的は、データに基づいてWebサイトやアプリのパフォーマンスを改善することです。具体的には、以下のような目標指標を設定し、これらを分析することで、効果的な改善を行うことが可能になります。

  • KGI (Key Goal Indicator)
    重要目標達成指標といい、Webサイトやアプリにおける最終的な目標を示す指標です。
    例えば、ECサイトの場合、商品の売上向上を目的としているため売上額がKGIに該当します。

  • KPI (Key Performance Indicator)
    重要業績評価指標といい、KGI達成に向けた進捗状況を測るための具体的な指標です。KPIを設定することで、最終目標に向けた進捗過程を詳細に分析することが可能になります。また、KPIは以下の3つの条件を満たすように設定されます。

    1. KGIとの相関関係を保持(KPIが改善されればKGIも改善される)
    2. 数値として表現可能
    3. 自分で制御可能

KGIとKPIの設定についてECサイトを例に説明していきます。ECサイトであれば先ほど記述したように、商品の売上向上が最終目標となるためKGI=売上額になります。続いてKPIについてですが結論から言うとKPI=ユニークユーザー数、コンバージョン率、購入単価となります。なぜかといいますと、売上額に関して「売上額=ユニークユーザー数×コンバージョン率×購入単価」と定義できるため、KPIとして先ほど示した3つの要素は売上額の因数となっていることが分かります。そのため相関関係を保持していることが分かります。また、3つの因数はそれぞれ数値で表現することができ、さらに、Webサイトやアプリの改善や設定の変更によってユニークユーザー数などの値を関節的に増加させることが可能になります。以上のことからKPI=ユニークユーザー数、コンバージョン率、購入単価は3つの条件を満たす最適なKPIとなっていることが分かります。

2. データ探索とは

データ探索とは、収集したデータを詳しく分析し、パターンやトレンド、異常値を発見する機能です。具体的には、データ(ユーザーの行動データ等)の収集、分析、可視化を行い、データの全体像を理解して、問題点や改善点を特定することが可能になります。また、データを理解することで、思いがけない需要を見つけ出し、新しいサービスの開発に繋げることができます。また、異常値の検出やトレンドの変化を早期に分析して対処することでWebサイトやアプリの運営における安定性を確保することが可能になります。

3.知っておきたい重要語句

以下の表に知っておきたい重要語句についてまとめています。他にもたくさんの重要語句が存在しますが、以下の語句を理解しておけば以降の説明は理解できると思います。

語句 意味
コンバージョン Webサイトの運営側がユーザーに起こして欲しいアクションのこと。例)購入、会員登録、資料請求など
イベント ユーザー行動ごとの種類。ユーザーの特定の行動をトラッキングするためのもの。例)クリック、スクロール、動画再生などの行動ごとの種類
パラメータ イベントに付与される詳細な属性で、イベントの具体的な情報を提供。例)ボタンのID、スクロールの深さなど
指標 データの定量的な測定値。例)セッション数、ページビュー数、コンバージョン率など
ディメンション データの分類基準や属性を示し、分析の軸となるカテゴリ。例)地域、デバイス、ブラウザ、ユーザータイプ(新規/リピーター)など
セグメント Webサイト全体に対して「一部のデータ」を指す概念

4.「データ探索」の手法

データ探索には以下の表で示す7つの手法が存在しています。しかし、私はこの中でも自由形式の探索レポートに触れたので自由形式のみに絞って説明をしていきます。

手法 概要
自由形式 ディメンションと指標を組み合わせて作成する表形式の探索レポート
目標到達プロセスデータ探索 ステップを設定し、どのステップまでユーザーが到達したのかなどを可視化することができる探索レポート
経路データ探索 ユーザーがどのページを表示し、次にどのページを表示したのかを確認できるサンキーダイアグラムというグラフ形式の探索レポート
セグメントの重複 最大3つのセグメントを作成し、それぞれに属するユーザー数などを確認できるベン図 or 表形式の探索レポート
ユーザーエクスプローラ ユーザーごとに匿名性を維持しつつ、詳細な行動を可視化できる探索レポート
コホートデータ探索 条件を満たしたユーザー群をコホートと称してグループ化し、コホートについて分析可能な探索レポート
ユーザーのライフタイム サイトを訪問したユーザーの累計額を可視化する探索レポート

自由形式の探索レポート

自由形式の探索レポートは、GA4において最も汎用性が高く、利用頻度が高い探索レポートの一つとなっています。また、このレポートは、表形式でデータを出力できるため、様々な分析に対応することが可能です。

表のカスタマイズ

  • 行数の選択: 表の行数は10, 25, 50, 100, 250, 500から選択できます。大量のデータを扱う場合は、行方向にディメンションを設定することをおすすめします。
  • 列数の選択: 列数は5, 10, 15, 20から選択可能です。これにより、必要な指標を効率的に表示できます。

ディメンションと指標の設定

  • ディメンション: 行に設定できるディメンションは最大5つ、列には最大2つまで設定することが可能です。
  • 指標: 指標は最大10つまで設定できます。主要なパフォーマンス指標を同時に表示することで、全体のパフォーマンスを一目で把握することが可能になります。

フィルタの活用

自由形式レポートでは、ディメンションや指標に対してフィルタを適用できます。これにより、特定のデータに絞った分析を可能にします。

セルタイプの選択

表示するセルタイプとしては、以下の3種類から選択できます:

  • 棒グラフ: データの比較に適しており、異なるカテゴリ間の違いを視覚的に把握することができます。
  • 書式なしテキスト: 数値データをシンプルに表示することで数値情報のみを分析できます。
  • ヒートマップ: データの分布や傾向を視覚的に示し、パターンや異常の発見を助けます。

セグメントの作成

セグメントの作成は、ディメンションや指標を対象に条件を指定することが可能です。例えば「地域」というディメンションを基に「東京のみ」のデータを分析したい場合、**東京と完全一致(=)**という条件を設定し、セグメント名(任意)を「東京から訪問したユーザー」と定義します。これにより、東京からの訪問者に限定した分析が可能になります。

  • 複数条件の設定: 複数の条件を設定する際には、AND条件やOR条件を自由に組み合わせることができます。例えば、「東京からの訪問者かつ新規ユーザー」という条件を設定することで、特定のユーザーグループに対する詳細な分析が可能になります。

追加機能

自由形式の探索レポートでは、以下の追加機能も利用可能です:

  • 計算フィールド: カスタム指標を作成し、独自の分析基準を設定できます。
  • エクスポートオプション: レポートをCSVやPDF形式でエクスポートし、共有やプレゼンテーションに活用できます。

効果的な活用方法

自由形式の探索レポートを効果的に活用するためのポイントは以下の通りです:

  1. 目的に応じたディメンションと指標の選定: 分析の目的に合わせて、適切なディメンションと指標を選びます。
  2. フィルタの適用: 必要なデータに絞り込むためにフィルタを活用し、特定のデータを分析します。
  3. 視覚的な表示形式の選択: 棒グラフやヒートマップなど、データの特性に合わせた表示形式を選びます。
  4. セグメントの活用: 特定のユーザーグループに焦点を当てた分析を行い、詳細な分析を可能にします。

5. まとめ

Webサイトやアプリのパフォーマンス向上には、データ探索が欠かせません。
データ探索の中でも自由形式の探索レポートは、柔軟な表形式でデータを分析できるため、様々なニーズに対応できます。 これを用いることで、ユーザーの行動パターンやトレンドを把握し、データに基づいた意思決定をすることで、Webサイトやアプリのパフォーマンスを効果的に改善できるでしょう。

この記事が、GA4のデータ探索を理解し、活用する助けとなれば幸いです。

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