Emacsを起動した直後に表示される画面をゆっくり見たことはありますか? 私は大好きなので、いままでEmacsを起動したりとか、起動直後になんかする。recentfとかね、みたいなことをやってきました ヾ(〃><)ノ゙
もしかしたら、みなさんこの画面をゆっくり見たことがないかもしれませんので、この機会に説明します。
色
私はEmacs組み込みのカラーテーマではmanoj-dark
が好きなので愛用して居ります。
(load-theme 'manoj-dark t)
上の方
ロゴ
起動時画面(スプラッシュスクリーン)に現れるEmacsロゴはe1fことLuis Fernandesがデザインしたもので、2001年リリースのEmacs 21から取り込まれました。その経緯はThe Design of the Emacs Logoに詳しく、はじめは1995年にGnusのためにデザインされたものでした。
Welcome to...
Welcome to GNU Emacs, one component of the GNU operating system.
Emacsの公式サイトとGNUプロジェクトへのリンクです。 (ただし、EWWで開きます)
GNU(GNU's Not Unix)は、もともとUNIXふうの自由なOSを開発するためのプロジェクトで、Emacsもその一部と位置付けられます。
ところで、このページを表示するために利用されるEWW(Emacs Web Wowser)はEmacs 24.4から本体に同梱されるようになった内蔵Webブラウザで、HTMLなどのWebコンテンツを表示できます。
まんなかの表
Emacs入門ガイド(チュートリアル)
- Emacs Tutorial
- Learn basic keystroke commands (Emacs 入門ガイド)
この入門ガイド(チュートリアル)には、いろんな用語とかコマンドについて日本語で説明があってべんりです。べつに覚えてなくてもどうにかなるんですけど、一度は読んでおいても良いのでは。
このチュートリアルの末尾の謝辞にはひっそりEmacs Ver. 22
とか書いてあって不安に駆られるのですが、Emacsの基本操作は一貫してるので今でもオリジナルの英語版もあまりアップデートされてないので、まあ大丈夫です。
この文書は Emacs Ver. 22 付属の英語版の入門ガイドを日本語に翻訳したものです。その際、Emacs Ver. 20 附属の日本語版入門ガイドをベースにしました。
Emacs Ver. 20 附属の日本語版入門ガイドは、Mule 付属の日本語ガイドを参考にしたもので、その元は SANETO Takanori 氏が日本語 MicroEmacs(kemacs)入門編として翻訳され、それを鈴木裕信氏 <hironobu@sra.co.jp> がNemacs/Mule 用に変更、さらに吉田茂樹氏が修正されたものです。これらの方々に深く感謝します。
一度は読んでおいた方が良いのですが、私は物覚えが悪いので、無理してEmacsのコマンドを覚えようとしなくていいと強く主張してます。僕はカーソルキー(← ↓ ↑ →)とかPageUpとかPageDownとか押しまくるので、C-vやらM-vとか全然押さないですね。餘談でした。
Emacsガイドツアー
- Emacs Guided Tour
- Overview of Emacs features at gnu.org
Emacsの機能紹介です。A guided tour of EmacsがEmacs内蔵ブラウザで開くだけです。
Emacsマニュアル
- View Emacs Manual
- View the Emacs manual using Info
Emacsマニュアルが読めます。HTMLをEWWでむりやり表示するわけではなく、Emacs組み込みの文書ブラウザ機能であるInfoで開きます。
Infoの操作方法は @l3msh0 の意外と知らない?EmacsでのInfoの読み方をお読みください。あと、最近はEmacs日本語マニュアルがあるので、Emacs24.5日本語マニュアル登場!!
info作成方法の通りにすればインストールすることもできます。
原文(英語)も日本語版も、WebとInfoの両方で読めるので、お好きな方で。
無保証であること、再配布の条件
要は、ライセンスです。
- Absence of Warranty
- GNU Emacs comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY
- Copying Conditions
- Conditions for redistributing and changing Emacs
FLOSS(自由ソフトウェア/オープンソース)は、何があっても自己責任が原則です。開く内容としては、 https://www.gnu.org/licenses/gpl-3.0.en.html#section15 の部分へのリンクです。
マニュアルの注文
- Ordering Manuals
- Purchasing printed copies of manuals
印刷されたバージョンはFSF Shopで購入できます。もちろん英語ですけど。
ちなみに1988年に、竹内郁雄先生らによって日本語訳のEmacsマニュアルが出版されたこともありました。これも餘談。
下の方
To start...
- Open a File
- Open Home Directory
- Customize Startup
Open a File
をクリックすると、デフォルト設定では、GUIでいい感じのダイアログが出てきてキーボードなしでファイルを開くことができます。ただ、私は(setq use-dialog-box nil)
とか設定して変なGUIダイアログが飛び出さないようにしちゃってるので、無味乾燥なfind-file
が起動するだけです。むーん。
Open Home Directory
をクリックすると、Dired(Emacs組み込みのファイルブラウザ)でホームディレクトリのファイルが開かれます。Diredに馴染みがない型は、(またまた @l3msh0 の)Emacs標準のファイラdiredの基本的な使い方と便利なTipsいくつかを読むとよいです。
Customize Startup
をクリックすると、カスタマイズインターフェイスが起動します。これは「Lispが書けなくてもEmacsの設定できるよ!」ってスグレモノなのですが… あんまりちゃんと利用されないことが多いですね。そのうち説明記事を書きたい… (って去年のAdventCalendar書いてた時期に思ってた)
To quit...
途中まで打ったコマンドを中断するにはControl-gを押してね、みたいな感じですかね。Emacsだと、何か困ったらC-gを連打するといいです。なんか時間待たされるコマンドを中断できたりすることもありますね。
This is GNU Emacs...
Emacsのバージョン、CPUアーキテクチャ、GUIツールキットの種類、そしてリリース日が書かれてますね。
This is GNU Emacs 25.2.1 (x86_64-apple-darwin15.6.0, NS appkit-1404.47 Version 10.11.6 (Build 15G1217))
of 2017-02-28
Copyright
著作権表示です。
Copyright (C) 2017 Free Software Foundation, Inc.
Auto-save file lists were found...
自動セーブファイルあるけど、どうするかい? みたいなやつです。
なんかの表紙に自動セーブファイルが残っちゃってたら、ここに以下のメッセージが出てきます。
Auto-save file lists were found. If an Emacs session crashed recently,
type M-x recover-session RET to recover the files you were editing.
色の付いた部分をクリックすると自動セーブファイルが存在するディレクトリがDiredで開かれるので、要らなそうだったらまるごと消しちゃってもいいですね。(たぶん)
まとめ
Emacsの起動画面(スプラッシュスクリーン)には、ちゃんと意味のあることが書いてあるので邪険にしないであげてくださいね。
- それでも邪魔だってひとは、GNU Emacs Lisp Reference Manual: Starting Upあたりを読むと制禦できますよ
- 最近はお手軽に、こんなのもあるみたい。
- init-open-recentf.elは、起動後処理とスプラッシュスクリーン表示の両立を実現するよ
- @kiwanami のEmacsの起動画面のカスタマイズについてを読むと、なんだかすごくカッコイイ感じにカスタマイズすることもできます。
それでは、良いEmacsを。 '(〃><)
おまけ
macOSに最初から入ってるEmacs 22.1.1の起動画面です。
古すぎるので、現代においてこのバージョンを利用すべきメリットは全然まったくないです。