CEDEC 2016の基調講演:画像を調理する: 面白く、役に立ち、ストーリーのある研究開発のすすめで低い解像度の画像を元に高い解像度の画像を推論する方法が紹介されており、その方法が目からウロコだったのでご紹介します。
画像の解像度を上げるのは難しい
左の荒い画像から右の詳細な画像へ解像度を上げる事はできるのでしょうか?
普通に考えるとより情報量の少ない低解像度からより情報量の多い高解像度の画像を得るのはできそうにありません。しかし統計的"幻覚"モデルを使えば可能であると言うのです。
統計的"幻覚"モデル
まずたくさんの画像を用意して高解像度から低解像度へ変換し、ある部分の低解像度同士で似た画像があれば元の高解像度画像を出力するようプログラムします。
似た画像の検索には機械学習を使うそうです。
すると人の顔なら「目」や「鼻」といったパーツ単位であれば自分と非常に良く似た人がいるため、部分的に低解像度から高解像度へ自然に置き換えられるというもの。
このままではパッチワークになってしまうので数学的にスムーズにしているという事で、デモでは低解像度の男性画像から非常に良く似た(しかし細部が少し異なる)高解像度の画像を復元していました。
所感
講演を聞くまでは低い解像度の画像から高い解像度の画像を求める事はできないと考えており、そこで発想が止まっていました。そのためこの発表内容は衝撃でした。最後に参考URLを載せておきます。
超解像技術(ちょうかいぞうぎじゅつ、Super-resolution)とはテレビなどに関わるデジタルでの画像処理技術の一つで、入力信号の解像度を高めて出力信号を作る技術を指し、具体的な製品では入力された動画や静止画の信号を高解像度化して出力したり、高解像度の画像を表示したりするものである。