イベントレポートです。
プログラムの話じゃないので、ココ(Qiita)に上げるのどーなのよ。という声が聞こえてきそうですが、プログラミングはモノを作る手段のひとつと考えれば、頑張って考えて、いろいろ苦労した人が作ったモノを発表する会的なイベントに参加して刺激をもらうのは、モノづくりに参加している、ということをいろんなシガラミや忙しさのせいですっかり忘れそうになってしまいそうな悲しきプログラマの休日にこそ、必要なことなんじゃないかと思う。
私たちもモノヅクリに参加している一人です!(←いやいやお前は怪しいだろw)
。。。。というわけで、感想中心にまとめ書きます。
この長ったらしい前置きを一言で言うと「趣味なので行ったら面白かったので書きます」という1行で片付けられるw
概要
電子(じゃないのも含めて)楽器(じゃないものもふくめ)、何か音が出る(のに関係がある)ものを作ってる人の発表会の2回目。
2015年2月11日(つまり今日ね)に、東京大学の福武ホールで開催。
登壇者は10名(1つだけチーム)。参加者は50~60名くらい。
簡単に言うと変な人の集まり。
第1部
中西宣人さん
oto asobi主催者の一人中西さんの発表からイベント開始です。
東大大学院とか、いろんなところで活躍されている方です(相変わらずテキトーな紹介w)
サイトで紹介されている作品のうち、B.O.M.Bと、POWDER BOXの紹介と展示がありました。
B.O.M.Bは、ちょっと変わった形(球体をまっぷたつに叩き切ったような形)のデバイス。
タッチセンサーが球形の周りを取り囲むように配置されているので、演奏する姿がおもしろい。
個人的には、機能的にベースの構造はあんまり上のと変わらなさそうなんだけど、センサーをモジュール化したPOWDER BOXの方がいろいろ楽しめそうだと思いました。
研究開発だけでなく、実際に演奏に使えて、さらに他の人のニーズをしっかり聞いて役立つプロダクト作りもされているみたいで、良いフィードバックが得られているみたい。
プレゼンの内容は、本当によくまとめられていてたので、こりゃ後の人やりずらいんじゃないかなーと思ってたら、サスガ!もう一人の主催の横堀さんから「マジメすぎる」というツッコミが入っていました。
サイトをみると、中西さんは他にもいろいろとネタをお持ちのご様子。是非3回目も紹介いただきたいと思いました。
奥山雄司さん
奥山さんは、ケロミン作った人です。
ケロミンは、あのカエルがテルミンになるやつですw
「次は、まじめじゃなく面白い感じで」と、横堀さんに謎のプレッシャーをかけられた状態でプレゼン開始。
。。。したのですが、ケロミンがどのようにして作られたかを技術者視点で普通に語っていただきました。
印象的だったのは、「歴史の中で自分がどのような役割を果たすかを考える」という話。テルミンとケロミンは操作方法のニュアンスが違うらしくて、なんでテルミンと一緒じゃないの?と聞かれることもあるそうですが、「100年後にはテルミンよりケロミンがメジャーになってる」と宣言。すばらしい!!
とまぁ、でも正直ケロミンいつもみてて見飽きたよね。と思ってたら、なんと!
ネコ型のケロミンが!!!
ニャー!
akira matsuiさん
奥山さんに引き続き、変なオッサン(失礼)akira matsuiさんにチェンジ。
akira matsuiさんも、横堀さんから話をちゃんと聞いてなかったらしく、まじめなハードの解説資料しか用意してないとのこと。
8bit CPUの限界に挑戦して、音の良いシンセを作った話です。アセンブラで作ったそうです。
使ったICはC8051F330-GMとのこと。
現在は、リンクのようにQFN版しかありませんが、以前は20PIN DIP版があって、そちらで作ったそうです。
というか、このマイコン実は結構すごいっすね。
RAMがちょっと少ない(768byteしかない)ですが、ROMは8Kありますし、25Mhzまで対応と結構高速。
USARTやI2C、SPIと一通りそろってます。DAも付いてるとか!?
ATMELだとATmegaシリーズ相当でしょうか。20PINなのでフットプリント的にかなりお得ですね。
正直細かい機能の話はどうでも良かったのですが(すいません)、とにかく音が良かったです。
個人的には「音を良くする」というのは、機能を盛り込むより大変だったはずで、そのあたりの話を聞きたかった。
第2部
宇田道信さん
休憩を挟んで第2部開始。
あの有名な「ウダー」の開発者、宇田さんの登場です。いつも通りキモノでのご登場です。
ウダーとは、いままでにない不思議な円筒型?のものを両手で持って、円筒の周りに張り巡らされたセンサーを触ることで操作する不思議な楽器です。と、文字で書いても伝わるはずもないので、写真をどうぞ。
宇田さんが持ってるのが、ウダーです。暗くてよくわかりませんね。。。すいません。
宇田さん、最近では「ウダー」以外にも、実はポケミクの開発にも参加されているようで、さらには組み込み系エンジニアゆえ、「言えない仕事」も多くされているようです。すばらしい!
プレゼンでは、なんでウダーを作るのか?について、その必要性を軽妙なスピーチでアピール。
最後には、「もうウダーは最高で万能な楽器なのでは!?」と洗脳されておりましたw
説明がめんどくさいので、一言で言うと「万能」ということで!
現在の姿に至るまで、数多くの試作機がどんどん変遷されていくサマが面白かったです。
これからも発展するんでしょう。そのうち無線化したりして!?
そうそう、受注生産販売が始まったそうですよ!
万能な楽器が欲しい方は是非!!
WOSKさん
本日唯一「チーム」での発表です。WOSKのメンバーの一人渡辺さんが発表されてました。
今回は、Maker Faire Tokyo 2014で初登場して人気を集めていた「カスタムレイアウトMIDIコントローラー CC-1」を紹介してくれました。
72個のブロックを自由にレイアウトできるMIDIコントローラーです。
- ノブ(エンコーダー)
- ノブ(ボリューム)
- スライダー(大)
- スライダー(小)
- ボタン
といったパーツをボード状のベースに自由に配置できるというコンセプトのコントローラーです。
相変わらず赤くビカビカ光っててかっこいい!
と、カッコイイプロトタイプなのですが、なんと3ヶ月くらいで開発したそうです。すごいっす!
上記パーツに加え、将来はピンの役割を公開することで、Arduinoなどでカスタマイズしたパーツも作れるようにする計画もあるとか。楽しみですね。
いくつか質問があがっていました。
Q. 発売時期は?
A. まだ世の中に(ここに持ってきたプロトタイプ)1台しかない!反応をみて量産化するか検討中します。
Q. サイズを変更することは可能ですか?
A. (今は)ベースボードの大きさが決まっていて、Macbook 13にあう大きさにしています。
※との回答でしたが、個人的にはもっと小型なものも、売れ行き次第では登場するかもですね!ニーズは多いと思いました。
Q. モードでLEDの色を変えたり、といったことはできる?
A. 今はピンの制限でLED1色しか出せないのでできませんが、ピンの機能を公開することでその先にArduinoなどでカスタムできるようになる予定です。
発売が待ち遠しいですね!
ぼやさん
続いては、ボカロを演奏するためにいろいろ作ってる、ぼやさんが登場。
見た目からすごいですね!w
一言で言うと、YAMAHAが開発したeVocaloidというチップにやたら詳しい人。
ラズパイとポケミクばらしたのを合体させてスピーカーつけて鍵盤つけて、ショルキー(古!歳ばれるw)みたいなのを作ってました。
このショルキー、めちゃめちゃ「歌」いますw
自然に「歌わせる」ための仕掛けがとにかく満載。
最近、初音ミクとか流行ってて、ボーカロイドやってる人からすると、技術的にはおそらく神か仙人のような方だと思われますが、私はボーカロイドに興味がないので。。。。
金箱淳一さん
若かりし頃のヤンチャな感じがすばらしい金箱さんは、「共遊」をテーマに、メディアアートや楽器などをつくられてる方です。
- もつ位置(高さ)で実際の音程が変わるギター
コレ↓
- 拍手するとLEDが光る装置
コレ↓
- 振動が(別の打楽器に物理的に)伝わるしかけの打楽器
- その他いろいろ
「音楽を耳で楽しむのは固定概念で、身体で感じるもの」という話を話で終わらせるだけでなく「できるだけ多くの人と音楽の演奏を楽しむ」ために実際に様々な仕掛けを考え、それを形にして、さらには使う活動を実践されている、これはすごいことだと思いました!
第3部
木本圭佑さん
今までは、画面にプレゼン資料を映してお話、デモあり、といった流れが続きましたが、第3部に入り一変!
突如、会場に大きなセットが構築され、ライブが開始されました。
ライブ開始後はフラッシュ音が邪魔になると思い写真とれてません。おかげで音を十分堪能しました!
エレキドローン系のライブです。
変わってたのは、使ってる楽器。縦に長くのびた板には弦が張ってあって、ピックアップで振動音を拾っています。
どうやら、(どうやってるかはよくわかりませんでしたが)電源を入れている間ずーっと振動する仕組みになっていたようです。
この音をミキサープレイ。かっこいい!
いままで電子楽器が続いたので、個人的にはこうした「古き良き実験音楽っぽい実験音楽」が聞けて大満足。
そうそう、こういうのが聞きたかったんですよ!!というね。
本当に気持ち良かった。
というわけで、私の中の今回のイベントの1つのハイライトになりました!
個人的には、音のイベントなので、こうした表現の方が好みですね。技術的な部分は謎に包まれててもいいと思います。結局は表現結果がかっこいいか?!ということだと思うので。
tatmosさん
衝撃のライブの次に登場したのはtatmosさん。ヒゲ面のナイスガイです。
こちらもライブ要素強め。ただし、さきほどとは180度違う感じの電子音!バリバリMAX!来たMAX!大好きですよ!
というか、このイベント「PureDataパッチングサークル」から派生のほげほげと書いてあったから、PureData使った人が登場すると期待してたんだけど、あれ?こないなー?と思ってたらMAXの方が来ました!
ちなみにMaxとはコレ→Cycling74 MAX7
しっかし、GUIきれいに使ってますねー。スパゲッティーがどこにも居ない。
で、Leap Motionやlaunchpad miniなどを使ったライブ演奏!
もう最後はグチャグチャにぶっ壊れた?と思うほどGlithにして今風。
最後に、Leap Motionなにに使ってたの?との質問がありましたが、指の数でトリガーしてたのこと。
何をトリガーしてたかは聞きそびれましたw
薙刀商会さん
最後は、唄うたいのオッサンが登場です。
えぇ、Windows XP home editionのデスクトップ画面、全部ムービーファイルのショートカットで怪しいと思ったんですよ。
想像をはるかに上回る衝撃でした。
紹介される数々の怪しい(というか特定のワンショットの目的のためのみに開発された)謎のMIDIコントローラー群
!
ときおり挟まれる歌つきデモ。
最後は、デモではなく、ムービーファイルを再生してのカラオケで締め!!!!何事!???
と思ったら、誰もアンコールしてないのに、もう一発カラオケ!!
確かにラストにふさわしい(?)
月面反射通信!
何者!?
おわってみて
楽しかったですよ!
興味をもった方は是非次回参加しましょ〜!
イベントの様子は、フル中継されたようで、YouTubeにも公開されています!
是非こちらもチェックを!