こんにちは。@tacahionです。
10月17日にYahoo! JAPAN大阪グランフロントオフィスで開催された、
「カヤックに学ぶ面白UX論 」に参加しました。
#カヤックに学ぶ面白UX論
面白法人カヤック意匠部の「面白くはたらく」とは
をテーマに、デザイナー岩瀬茂樹さんが登壇されました。
##チェックインタイム
「簡単な自己紹介と一番好きなゲームとその理由」をテーマに会場の近くにいる人と3分間お話ししましょう、というチェックインから始まりました
一瞬ざわっとしたものの、3分を超えて岩瀬さんや運営の方がアナウンスをしてもなかなか静まらないほど盛り上がっていました。
身近な「ゲーム」という話題で初対面同士がこれだけもりあがれるとは・・・チームビルディングなどの機会があれば是非取り入れてみたいと思いました。
##カヤックについて
面白法人と自称している株式会社(笑)カヤック
岩瀬さん自身も中途で入社する際、芸人のようにオモロイ人ばかりなのでは…というイメージを持って入社されたそうです。そして実際入られた後は、「ピュアで真面目情熱的な人が多い」という印象を受けたそうです。
(自分もカヤックから登壇されるとのことで、テンションが高い方を想像していたのですが、岩瀬さんはとてもソフトで真面目な雰囲気の方でした)
##20周年
今年で20周年を迎えるというカヤックさん。会社という存在そのものが面白くていいんだという考えのもと、何よりもまず「自分たちが面白がる」ということを大切にしてものづくりをしているのだそう。
そして、面白がるためにやっているのが「ブレスト」
カヤックのブレストは、面白いアイディアを出す+課題を自分ごと化して積極的に楽しむための修行、と位置付けられているとのこと
他にも「面白がる」理念から発する取り組みに「面白く働けていますか?」という質問と内省を年に複数回行ったり、人事評価として、一緒に働いている人全員が評価する多面評価の実施、また、「全員社長合宿」という全社員を挙げての泊まり込みブレスト大会があるそうです。
##仕事を面白がるカルチャーがカヤックには根付いている
カヤックの経営理念に、「作る人を増やす」
いい作品を作り、「作る人を増やす」ことで社会を良くするがあるそうです。
##僕らの甲子園ポケット「友情エクスペリエンス」について
後半は、カヤックがゲームづくりをいかに面白がっているか、についてのお話でした
。
そのひとつの例として「僕らの甲子園ポケット」のUXについて(友情エクスペリエンスと呼んでいるそう(笑))の紹介がありました
###デザインが友情体験についてできること
野球をテーマにしたソーシャルゲームは
数多くあるものの、複数人でプレイするシステムはない。
つまり、「僕らの甲子園ポケット」ユーザーに提供したい価値が他のゲームと全く違う、「友情体験」をとことん考え、提供しているのだそう。
例えば、9人の仲間を見つけないと試合はできません
であったり、
1日4回、決められてた時刻に試合に来なければいけません
というシステムは確かに不便とも思えるものですが、それを仲間と乗り越え、甲子園の頂点を掴んだ時の感動を「友情エクスペリエンス」として提供されているのだと思います。
その証として、「友情エピソード」をユーザーから募集する企画を実施した際には4000件を超えるエピソードが集まったそうです。
#友情体験のためなら運営は何でも作ります
ぼくポケでは常識やトレンドを捨てて、ユーザに提供したい体験を純粋に追求し、
友情体験のゲームを作っているんだということをチーム内で共有確認しているとのこと。
そのために以下に記載する様々な工夫がこらされていることをお話ししてくださいました。
-
みんなが集まれる場所をつくる
→効率の良い画面より、「グラウンド」など場所をメタファーにした構成 -
甲子園新聞※の作り方
※2週間周期のリーグで優勝したチームに贈られる、アバターの全員が掲載されている号外のようなグラフィック
→ユーザーの思い入れを汲み取り、出来る限り要望に沿った形で個別にカスタマイズ!して提供する。(例えば、ベンチメンバーをもっと目立たせて!など)
これこそがゲームの「最高報酬」とのこと。 -
時には野球と関係ないミニゲームを提供
→マネージャーと2人乗りで下校する、など本筋と関係なくともなんとも青春なミニゲーム・・・他、何故か釣りやダンジョンものなど -
僕ポケ会議
ユーザーと開発者が実際にあって意見を聞いたり交流するリアルイベント。
(その際の参加者の名札にゲームでの最新のアバターを印刷したりする手のこみよう!)
##まとめ
今回のお話を伺って感じたのが、同じものを作るプロジェクトメンバーの「自分ごと化」と「価値観の統一」。
例えば甲子園新聞などは、費用対効果として数字で見れば明らかに採算度外視なのだそうでうすが、「友情エクスペリエンス」というもっとも大事にしている価値に対して、なくてはならない価値であるとプロジェクトメンバーが認識しているからこそ続けられているし、ユーザーが求めているものをぶれずに提供できているのだと感じましたし、チームビルディングを大切にしている姿勢の一端を講演の最初と最後に設けられたチェックイン・チェックアウトから伺うことができました。