はじめに
先月末に、Google Cloud Digital Leader(以下CDL)を受験し合格したので合格するまでの流れを記録として残してみます。
前提知識
- 普段は業務で主にAnsibleを用いた自動化業務を担当
- 自動化対象はオンプレ環境が多く、クラウドはほとんど触れていない
- クラウドはAWSのEC2やVPCをちょっぴり触っている程度
- AWS Cloud Practitioner取得済
勉強時間
後述する、トレーニングの受講時間と合わせて30時間ほど
Google Cloud Digital Leaderとは
一言でいうと、Google Cloud認定試験の入門的な位置づけの資格です。以下は公式の引用。
Cloud Digital Leader は、Google Cloudの中核的なプロダクトやサービスの機能と、それらが組織にもたらすメリットを明確にできます。また、それらの一般的なビジネス ユースケースや、クラウド ソリューションが企業をどのように支えるかを説明することができます。
この認定資格は、クラウド コンピューティングの基礎に関する知識と、組織の目標を達成するための Google Cloud プロダクトとサービスの使用方法に関する知識があることを示す必要があるすべての方を対象としています。
試験は以下のような分野から出題されます。
- Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーション
- Google Cloud の AI を活用したイノベーション
- Google Cloud で実現する信頼とセキュリティ
- Google Cloud によるデータ トランスフォーメーションの探求
- Google Cloud によるインフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーション
- Google Cloud 運用でのスケーリング
試験の難易度と出題傾向(所感)
入門的な位置づけであるため、AWS Cloud Practitionerと同じく難易度はそこまで高くないかなと思います。ただし、主要ツールを選択する問題の中には、昨今ホットなAIにまつわる問題(Googleは他クラウドよりAIを強みにしている)があったり、Googleが取り組むサステナビリティについて問うような問題も出題されたため、対策なしだと合格は難しいかなと感じました。
合格までの学習遍歴
- 無料トレーニングを受講して、Google Cloudのサービス概要を掴む
- 書籍を活用して、トレーニング内容を復習する
- GeminiのGemマネージャーで、一問一答形式の問題を作成してもらい解く
- 公式のサンプル問題とUdemyの問題集を解いて、試験に備える
- 試験を受験し、合格
無料トレーニングを受講して、Google Cloudのサービス概要を掴む
自分がこの試験を受験することを決めたキッカケです。3月にプロジェクト先の取り組みで、Google Cloud主催の無料トレーニングに参加する取り組みがあったため、ありがたく参加させていただきました。
トレーニングでは、二日間に分けて、Google Cloudの取り組みや分野ごとの主要サービスについて学習しました。また、CDLの出題傾向も押さえたトレーニングになっていたため、試験対策としても非常に役立ちました。
このようなトレーニングは定期的に開催しているそうなので、タイミングが合えば受講してみることをおススメします(個人でも受講可能だと思います)。
書籍を活用して、トレーニング内容を復習する
- 図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]
書籍は、こちらを活用して、トレーニング内容の復習を行いました。
Google Cloudの全体像と主要サービスの要点がわかりやすくまとまっているため、トレーニング内容の復習は勿論、後述する問題集で間違えた分野の振り返りをする際に活用していました。
CDLでは、サービスの基本的な内容を問う問題が多いので、各サービスの詳細まで全て理解しておく必要はありませんが、全体像の把握だったり、サービスごとの使い分けを理解するために非常に参考になりました。
GeminiのGemマネージャーで、一問一答形式の問題を作成してもらい解く
個人的に、今回の試験勉強での工夫(推し)ポイントはここです!
生成AIのGoogle GeminiのGemマネージャーに試験ガイドのPDFと以下のプロンプトを読み込ませた試験対策用のGemを作成しました。
あなたはGoogle Cloudのシニアエンジニアであり、認定試験対策の講師でもあります。私はGoogle Cloud Digital Leaderを受験予定のジュニアエンジニアです。あなたには私の試験合格に向けた試験対策問題を作成してもらいます。
- 問題作成に向けて、あなたに渡したPDFファイルをよく読み込んでください。これは、Google Cloud Digital Leaderの認定試験のガイドです。
- 試験は{{ # 試験項目 }}に沿って出題されます。
- 作成する問題は、{{ #要件 }}に沿って作成してください。
# 試験項目
- Section 1: Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーション
- Section 2: Google Cloud の AI を活用したイノベーション
- Section 3: Google Cloud で実現する信頼とセキュリティ
- Section 4: Google Cloud によるデータ トランスフォーメーションの探求
- Section 5: Google Cloud によるインフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーション
- Section 6: Google Cloud 運用でのスケーリング
# 要件
- 問題は選択式で出すこと
- 問題への回答と回答に対する解説を出すこと
- 解説は参考となる資料のリンクをできる限り記載すること(Google Cloud公式のドキュメントが望ましい)
- ハルシネーションを起こさないこと
- 本番試験と同等レベルの難易度とすること
- 作成する問題のうち、半分は各セクションに関連したサービスを問う問題を極力作成すること
作成したGemには各分野ごとに一問一答の問題を20題ずつ出題してもらってました。また作成してもらった問題はmarkdown形式で出力してもらい、後にPDF出力をして簡易的な問題集として反復学習をしていました。
-
出題してもらうときのプロンプト例
Section 1: Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーションについての試験対策問題を20問出題してください。あなたの出力結果は以下のルールに沿ってください。 - 解説の参考資料はGoogle Cloudの公式ドキュメントを極力紹介すること - あなたのoutputはmarkdown形式のファイルとして出力すること
本番試験と同等の50-60題ほどの試験問題も作成してもらおうと思ったのですが、同じチャット内だと、途中からニュアンスこそ違えど問題と解答に被りが出てしまったので断念しました...。現段階では一問一答形式の問題をサクッと作ってもらう程度の活用がコスパいいかなと思います。
公式のサンプル問題とUdemyの問題集を解いて、試験に備える
GeminiのGemに作成してもらった問題を一通り解き終えたら、仕上げとしてGoogle Cloudが提供している公式の模擬試験(20問程度)と、Udemyの模擬試験に取り組みました。
- Cloud Digital Leader模擬試験
- GCP:Google Cloud Digital Leader模擬試験問題集(6回分320問)
公式の模擬試験は試験直前に解いたのですが、Udemyの模擬試験ではあまり問題としてなかったサステナビリティ周りの問題がいくつか出題されたので、急いで復習しました。受けておいてよかった...。
Udemyの模擬試験については、本番試験よりも難易度の高い問題となってます。320問ありますが、全てを万遍なく反復するよりも、模擬試験1と2で90点以上取れてれば本番でも合格できると思います。それ以外の模擬試験は全体像を掴んだり保険として解いておくくらいがいいと感じました。
試験を受験し、合格
2025年3月30日に受験して合格しました。試験が終了すると、自分の場合は小さく (本当に小さい...) Passed
と表示されていました。後日、自身のアカウントに正式に合格通知が届きました。
最後に
CDL合格したことで、AWSとGoogle Cloudの2大クラウドの入門試験タイトルホルダーとなりました。公式の模擬試験を試しに受けてみたら、半分くらい正解していたので、近いうちにGoogle Cloud Associate Cloud Engineer(ACE)も受験しようと思ってます。