この記事は インフォマティカ Advent Calendar 2022 Day 5 の記事として書かれています。
はじめに
DX推進の一環として業務全体を一気通貫で自動化するハイパーオートメーションをお聞きしたことはあると思います。本記事では、Informatica Intelligent Data Management Cloud (IDMC) で実現するハイパーオートメーションについてお届けします。
ハイパーオートメーションとは
ガートナー社は、ハイパーオートメーションを以下のように定義しています。
ハイパーオートメーションとは、組織ができる限り多くのビジネス・プロセスとITプロセスを迅速に特定して検証し、自動化するために用いられるビジネス主導の規律あるアプローチである。ハイパーオートメーションを実現するには、機械学習やAI、RPAなど複数のテクノロジ、ツール、またはプラットフォームを協調させる。
IT主導ではなく、ビジネス主導なのがポイントです。
ビジネスプロセスを描けるのはビジネスユーザだけですよね。IT部門では、部門を横断したビジネスプロセスを描くことはできません。業務を熟知しているビジネスユーザがMicrosoftのExcelやVisioを使って描くことができますが、描いただけでは動きません。そのビジネスプロセスをどのようにIT化して自動化するのかが肝になります。
RPAは1つの解決策になりますが、UIがメインなので限られたビジネスプロセスのみの自動化となります。
できる限り多くのビジネスプロセスを自動化するために、下記スライドにあるイベント主導型アーキテクチャ、iPaaS、AI/機械学習、BPM/iBPMSとローコード・ノーコードのツールやパッケージ・ソフトウェア、その他の自動化ツールといった複数のテクノロジーをビジネスニーズ・目標に合わせて適用しハイパーオートメーションを実現します。
ハイパーオートメーションの考慮事項
- データ品質
綺麗なデータでないと完全に自動化できなかったり、自動化できても不良な結果が出力されることになります。 - APIを使用したアプリケーション統合
先述したように、RPAでは画面の自動化はできても、高度な業務プロセスの構築は難しいところがあります。そこで、APIを活用しアプリケーションから別のアプリケーションへ内部的に連携して高度な業務プロセスの自動化を実現します。
また、ビジネスプロセスを熟知しているビジネスユーザ自身がAPIを開発可能なローコード・ノーコードのツールであることも重要です。
アプリケーション統合に関するAPIのユースケース
アプリケーション統合に関しては、下記3種類のAPIのユースケースが挙げられます。
- データAPI
オンプレミスのERPやデータベースに存在するデータをAPIを介してクラウド・モバイルなどの各アプリケーションに共有できるようにします。 - プロセスAPI
複数のアプリケーションにまたがるビジネスプロセスを統合し、手動で行っていた作業を自動化します。上記スライドでは、新しく社員が入社した際の受け入れプロセスが例として挙げられています。 - イベントAPI
アプリケーションから送信されるデータイベントとKafkaやJMSなどのメッセージングを使いリアルタイムのアプリケーション間でのデータ交換を可能にします。
ハイパーオートメーション実現に向けたポイント
- 上記のデータAPIを使いデータを取得する場合、ソースとなる各システムへ接続する必要があります。IDMCは、クラウドプラットフォーム、SaaSアプリケーション、従来のオンプレミスのシステムを含む豊富なコネクタを用意しています。そのため、ユーザはシステム間連携のコーディングに手間をかけることなく対象システムへ接続することができます。
- プロセスAPIで述べたビジネスプロセスの統合とユーザプロセスの自動化をする場合、IT部門でないビジネスユーザがIDMCのノーコード・ローコードのツールを使用し、簡単にセルフサービスでプロセスを構築・統合できます。
- IDMCは、構築したプロセス、特にイベントAPIで連携したプロセスについても効率的に監視・管理することができます。そして、ワークロードの変動に対応するために容易にスケールアップ、スケールダウンできる柔軟性があり、セキュアなAPIで脆弱性リスクに対応します。
DX推進を支えるプラットフォーム
IDMCは、必要なデータを発見し、あらゆるシステムのデータを繋げ、データを綺麗にすることにより信頼性を確保し、システムや業務を超えて関連付けた横串分析や、誰もが簡単かつ安全にデータが扱われるよう統制を可能にするデータマネージメントプラットフォームです。
各クラウドサービスは、「あらゆるユーザー」が「あらゆるデータ」をプログラミング不要の「ローコード・ノーコード」で簡単にご利用になれます。
IDMCは本記事でお伝えした自動化に関するAPIとアプリケーション統合やデータ品質の他、データ統合と連携することで、データ品質を担保したビジネス・プロセスの自動化、つまり、ハイパーオートメーションの実現に活用することができます。
おわりに
アプリケーション統合の機能で分岐や並列処理といった複雑なプロセスの自動化からデータ統合との連携まで包括的に行うことができるIDMCを皆様のDX推進にご活用いただければ幸いです。