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エンジニアを支える確定申告技術

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この記事はfreee Engineers Advent Calendarの21日目の記事です。

こんにちは!

freeeで (自称)固定資産ヌシをしているtabachainです。

☝︎ 「ヌシ」ってなんやねんという思われるかもしれませんが、freeeではある分野に精通していて「とりあえずこの分野はこの人に聞いておこう」みたいな人を「〇〇のヌシ」みたいによんでいます。公式に呼ばれる人もいますが、役職みたいな堅苦しいものではないので自称でもヌシになれます。

突然ですが、エンジニアのみなさん、確定申告ちゃんとしてますか?

もちろん自分では確定申告をする必要がない方が多いですが、エンジニアは副収入を得ていたり独立起業する方が多いので確定申告をすることが必要になる割合は他の業種より多いのではないでしょうか。

かくいう僕も学生時代に個人事業主としてfreeeで確定申告をしたことがあります。

その時は申告期限数日前に期限に気がついてすがるようにfreeeを登録したのですが、結果余裕で間に合って青色申告で節税できて感動したのを覚えています。気が付けばそこで働いていました。

本日は、エンジニアの申告漏れの問題と、確定申告や所得税について基本となる関連知識について話そうと思います!


エンジニアは個人でも結構税務調査されている。そして申告漏れが多い。

世の中には申告漏れが多い職業というものが存在しています。

実は高額申告漏れが多い職業TOP10は国税庁HPの中で毎年発表されているのですが、平成20年度以降データを見てみると、ほぼ毎年のようにプログラマーがランクインしています。

調査年度
順位

平成20年
7位

平成21年
6位

平成22年
1位

平成23年
6位

平成24年
6位

平成25年
6位

平成26年
圏外

平成27年
圏外

出典: 国税庁プレスリリース

平成26年以降は工事業者の台頭によりランキング圏外になってはいますが、エンジニアは高額申告もれが多い職業であることは間違いなさそうです。


確定申告の対象者

そもそもどのような方が確定申告の対象になるのでしょうか

この辺は経営ハッカーに上手くまとまっていたので転載します。

1)複数所得がある方


2カ所以上から給与所得がある方や、1カ所からの給与所得であっても、給与と退職以外の所得が20万円以上の場合は確定申告が必要になります。


2)所得が2,000万円以上ある方


1カ所からの給与所得の場合でも、年間の収入金額が2,000万円を超える場合は、確定申告が必要です。


高収入なエンジニアや副業をされているエンジニアの方は 収入-経費 が20万円を超えれば確定申告の必要があるので、会計ソフトなどで収支の記録をして確定申告に備えておいたほうがいいです。


申告もれがあるとどうなるか

基本的に追加納付額10〜40%(意図的かどうかなどによる)の追徴課税と、年率7.3%〜14.6%の延滞税がかかります。

ただし、赤字で還付金がある場合はこの限りではありません。

特に申告しなかった場合については無申告加算税として50万円以下の部分については15%、50万円以上の部分については20%の追加納付額となりますが、税務調査の前に自主的に申告した場合は5%に軽減されます。

意図的でなく申告しなかった場合でも手遅れだと思って申告しないというのはかなり悪手なので、ちゃんと申告しましょう!


ごっちゃになりやすい事業所得、雑所得、一時所得

上の国税庁のデータは"事業所得"の申告もれの件数ですが、そもそも事業所得って何?っていう方も多いとおもいます。

実は、「この収入は事業所得」のように明確に決めることができるわけではありません。

ここでは事業所得とごっちゃになりやすい、雑所得、一時所得も含めてまとめてみます。


「事業所得」とは?

国税庁がこの質問に答えたところによると、


事業所得としての副業は、営利性・有償性・継続性・反復性があるか、精神的あるいは肉体的労力の程度や人的・物的設備があるか、また、社会的地位・生活の状況などを考慮して判断します。加えて、その事業が生活の糧となるものか、一般的に職業として認知できるかも判断材料となります (国税庁)

出典:マイナビニュース


ということらしいです。

これによると、


  • つぎこんだ労力

  • 継続的に収入があると見込めるか

  • 生活の糧にしているといえるか

  • 一般的に職業として認知できるか

これらの条件を総合的に鑑みて、事業所得か否かを判断するということになります。


事業所得への課税

事業所得は「収入額-経費」で算出された額に対し課税されます。

ここでいう必要経費とは、


イ 売上原価

ロ 給与、賃金

ハ 地代、家賃

ニ 減価償却費

(出典:国税庁HP


事業所得の特徴は青色申告が可能なことです。

青色申告決算書として提出すれば、最大で65万円の控除を受けられるので、所得金額を抑えることができ節税になります。

ただし、青色申告には事前(申告をしようとする年の3月15日までまでまたは事業開始から2ヶ月以内)に青色申告承認申請書の提出が必要になりますのでご注意ください。

また、事業所得は「損益通算」の対象になります。

例えば副業の事業で損失が出た場合、この損失は給与所得等と通算することが可能です。事業所得と給与所得の金額を相殺することで、税金の還付を受けることができる可能性があります。

(ただし、これは以前悪用されたため今ではかなり厳しく見られるようです)


「一時所得」とは?

国税庁HPによると、一時所得は


一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得


をいいます。

例えば、以下のようなものが当てはまります。


  • 懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金

  • 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金

  • 法人から贈与された金品


一時所得の計算方法

「収入額-収入を得るために支出した金額-特別控除(最大50万)」 が一時所得になります。


一時所得の場合の課税対象額

上記の式で求めた一時所得額の2分の1が課税の対象になります。

(収入額-収入を得るために支出した金額-特別控除(最大50万)) × 1/2

それは、ここでいう経費が「その収入を得るために支出した金額」であるということです。

競馬を例に出すとわかりやすいですが、一時所得では「当たり馬券」は経費になりますが、「外れ馬券」は経費になりません。


「雑所得」とは?

上で挙げたいずれにも該当しない所得は一般に雑所得になります。


雑所得の計算方法

「収入額-必要経費」 が雑所得になります。

雑所得も、事業所得と同様で総収入金額から必要経費を差し引いて算出します。ギャンブルなので配当金から、購入金を引いた金額が雑所得として扱われます。


ケーススタディ

上の申告漏れは事業所得のもののようですが、エンジニアは副業をしている方が多いのではないでしょうか。知らない方も多いようですが、一言で所得といってもいくつか種類があり、どの所得かによって節税できたりできなかったりするようです。

CASE3,4はエンジニアに限ったケースではないですが、知り合いのエンジニアでやっているかたが多かったので書いています。


CASE1: 技術書の執筆

「原稿料・印税」は雑所得になります。

例えば以下のようなものが必要経費として認められます。


  • コピー代

  • 文房具代

  • 調査のために支出した費用


CASE2: 開発したアプリやWEBサービスの収入

これも、規模によって


  • 事業所得

  • 雑所得

のどちらかになります。


CASE3: 株、FX

株の売買で得た所得は譲渡所得、FXは事業所得または雑所得のいずれかになります。

所得は収入額-必要経費(取得費と手数料など)となります。

FXで得た所得は基本的に申告する必要がある申告分離課税であり確定申告が必要で、税率は一律で20.315%です。

ただし、


  • 株の口座が特定口座である場合

  • 株の口座がNISA口座である場合

  • 利益が20万円以下

の場合は確定申告は必須ではありません。


CASE4: 競馬

これは


  • 雑所得

  • 一時所得

のいずれかになります。

競馬の所得はこれまで一時所得とされていましたが、馬券裁判(知らない人はググってね)で初めて雑所得としても認められる事例が発生しました。

自分で作った競馬システムなどで購入を自動化していてその額も多い場合などは雑所得としても認められるようです。


まとめ

最初にも述べましたが、エンジニアは起業や副業など自分で確定申告が必要になることが多い職業かと思います。

エンジニアとしての能力だけでなく、申告力も高めて将来追徴課税されてしまうということにならないように気をつけましょう!

ところで、freee では「確定申告を楽にしたい」 「会計にちょっぴり興味がある」 「固定資産で自分の右に出るものはいない」 エンジニアを広く募集しています、気になる方は是非ポチってください!

また、確定申告が必要だけど知識ないからどうしよう・・・となっている方がいましたら、ぜひ自分で確定申告してみてください。

明日はfreeeに新風を巻き起こすべく立ち上がったもう一人の巨匠 @teppei_tosa です。お楽しみに!

最後になりますが、この記事の校正を引き受けてくださった公認会計士の高木さんを初めとする社員皆さん、本当にありがとうございました!