#なぜ、このような記事を書くことになったのか
私は、普段「Shopifyパートナー」としてShopifyのストア構築や運用の代行を本業にしているものです。
なぜ今回このような題名の記事を執筆することになったのかと言うことについて触れておきたいと思います。
それは、先日私が所属する会社で打ち出すサービスたちの内容に関してShopify Japan様直々にご指導いただいたからです。
その中で、Shopify及びShopify Partner Programの利用規約について勉強不足だったことが明らかになりましたので、知らず知らずのうちに規約違反を犯してしまう方をこれ以上増やさないように、ありがちなパターンについて共有しておきます。
特に、Shopify Partner Programの利用規約はすべて英語ですので、読み飛ばしている方がほとんどでしょう。(私も読み飛ばしていました、、)
Shopify Japan様のお話を聞くと、日本でも爆発的な勢いでShopify partnerが増えていることもあり、なかなか取り締まれていないという現状があるようですので、みなさんしっかりと利用規約は読みましょう。
Shopify利用規約
Shopify Partner Program利用規約
とはいっても、全て読むのは大変だと思いますので、犯しがちな事例について紹介していきます。
#ドメインに「shopify」を含めてはいけない
Shopifyの制作代行をするようなサービスを打ち出すなどの場合に、新たなドメインやサブドメインなどを取得することは一般的です。そこで問題となるのが、どのようなドメイン名にするかという点です。
取得するドメインに「shopify」という文字列が含まれるとアウトです。Shopify公式が提供するサービス以外でドメインに「shopify」を使用することは禁止されています。
これは知らずのうちにやってしまっている企業が多くある事例です。
例えば、shopify-unreact.jp
やshopify.unreact.jp
といったドメインを取得し、サービスをリリースすることは完全にアウトです。(UnReactは私が所属する会社名です。)
shopifyとドメインにも入っていた方がサービスとしてわかりやすくなるので、知らずのうちにやってしまっている企業さんも多いのではないでしょうか?
同様にドメインだけではなく、サービス名にShopifyを用いるのも禁止されています。サービス名は、「Shopify」を使わない独自のサービス名にしましょう。
#Shopify関連の検索キーワードに広告を出してはいけない
これもまたありがちなパターンの一つです。
Shopifyを用いたサービスを展開する場合、広告活用したマーケティングも行う企業さんが大半だと思います。
その際に、Shopify関連の検索キーワードに対して積極的な広告を打つことは禁止されています。
例えば、「Shopify」とGoogle検索をしたときに、検索結果の上部(画像の赤枠)に出てくるように広告の設定することは完全にアウトです。
余談ですが、BASEとSTORESの広告が出てくるのが面白いですよね笑
Shopifyパートナーとして活動されている企業さんでこれからShopifyを売りにしたサービスを打ち出そうとしている方々は、気をつけた方が良いでしょう。
#Shopify「認定・公式」パートナーなんてものはない
これもまたやりがちなミスです。Shopifyの制作を行なっている企業さんのLPなんかでよく見かけます。
Shopifyパートナーは、Shopify Partner Programに同意してアカウントを作成することで、「誰でも」なることができます。そこに「認定」や「公式」といった特別なものは存在しません。
実は、弊社もShopify公式パートナーをうたっていました。(現在はしっかり修正しています。)
まあ、Shopify認定パートナーとかShopify公式パートナーと書いていた方が訴求力があっていいですからね。ですが、これはShopifyパートナーの表記として正しくないのでアウトです。
####Shoify Expertを目指そう
ただし、Shopifyパートナーには上位の存在があります。それが「Shopify Expert」というものです。Shopify Expertとは、Shopifyから実力を認められたShopifyパートナーに与えられる称号です。
こちらは、Shopifyパートナーとは別のロゴを使うことが許可され、Shopifyエキスパートマーケットプレイスという質の高いサービスを提供することでマーチャントのビジネス成長を積極的に支援する、信頼され動機付けされたShopifyのアンバサダーたちの洗練されたコミュニティに参加することができます。
以下が、公式の引用です。
####Shopify Expertになる
Shopify エキスパートマーケットプレイスは、質の高いサービスを提供することでマーチャントのビジネス成長を積極的に支援する、信頼され動機付けされたShopifyのアンバサダーたちの洗練されたコミュニティです。このプログラムは、専用のリソース、学習の機会、およびエコシステムへのより多くの露出を通じて、トップクラスのパートナーのビジネス成長を強化するために構築されました。
####Expertsマーケットプレイスへのアクセス
エキスパートマーケットプレイスへのアクセスは、提供するサービスで実績のある専門知識を証明し、熟練した経験あるShopifyパートナーに限定されています。限られた数のパートナーがエキスパートマーケットプレイスへのアクセス権を与えられます。
エキスパートマーケットプレイスに参加を希望する場合は、エキスパートマーケットプレイスリクエストフォームを完了することができます。エキスパートマーケットプレイスチームから返事がない場合、リクエストは基準と一致していないか、あなたのサービスに対する需要が十分ではないため、承認されませんでした。
Shopify Expertについては弊社のブログで詳しくまとめていますので、興味があればご覧ください。
Shopifyエキスパートとは?どうやったらなれるのか調べてみた
#Shopifyの開発ストアを一般公開してはいけない
まず「開発ストア」について少し説明します。
「開発ストア」とは、構築したテーマやアプリをテストするために使用したり、クライアント用のShopifyアカウントを設定するために使用するストアです。いくつか制限があるものの、通常$29/月かかるShopifyストアを無料で作成し、利用することができます。
この開発ストアは、決済が導入できないため実際にECサイトとして機能しません。しかし、開発ストアは、パスワード付きで公開することができ、そのパスワードを入力することでサイトにアクセスすることができます。
この機能は、クライアントに構築途中の挙動を確認してもらう時に便利です。
ですが、これを一般公開するとアウトです。実は、これ弊社もやっていて少し怒られました。(現在は修正しています。)
課金していないShopifyのストアを一般に公開するのはダメということですね。
#商品カテゴリーが違いすぎる商品は同一のストアで販売してはいけない
これはストアオーナーが関係している話でShopifyパートナーの規約には直接の関係はないのですが、Shopifyパートナーとしてしっかりとクライアントに答えられるようにしておきたいところです。
例えば、(あまりないとは思いますが)アパレル商品と食料品を売っている企業さんがあったとします。その際、ひとつのShopifyストアでアパレル商品と食料品をカテゴリー分けして売ることは禁止されています。
この場合、アパレル商品はアパレル商品用のストアで、食料品は食料品用のストアでそれぞれ販売しないといけません。これはShopifyペイメントなどの申請の関係です。
極端な例を挙げると、CBD(大麻から抽出した成分)関連の商品とアパレル商品を販売していたとします。現在、CBDは規制が厳しくクレジットカードの決済の申請がおりません。この場合、アパレル商品を売る際にもクレジットカード決済が使えなくなってしまいます。
これを避けるために1つのストアでは、1つのカテゴリーの商品だけを売るようにしましょう。手広く商売をやられている企業さんは注意です。
#Shopifyストアはマーケットプレイスとして使ってはいけない
Shopifyをマーケットプレイスとして使うことは禁止されています。
例を挙げると、楽天市場やAmazonのような、販売者が複数いるようなストアはShopifyで作成することは禁止されています。1つのストアのオーナーは、1人が基本で、販売責任もその人が取る必要があります。Amazonや楽天のように販売者それぞれに販売責任を課すような仕組みでShopifyストアを運営するのはアウトです。
もちろん販売責任を一手に引き受ければ、セレクトショップのような形でShopifyストアを運営することは可能です。
#まとめ
今回は、Shopifyの規約について犯しがちなミスについて共有してみました。
現状、規約違反を犯してしまっている企業さんも結構いらっしゃると思います。
ご指摘いただいたShopify Japanの皆様には感謝したいと思います。
規約ってついつい読み飛ばしてしまいがちです。これからは規約をしっかりと読んで、サービスを利用していきます。
これからShopifyに関わる方々への注意喚起、ならびにShopify業界をさらに盛り上げていくことに役立てればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。ではまた。
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